みかん小説
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全員が揃えた同じ嘘

全員が揃えた同じ嘘

小学五年の秋、担任の女性教諭が突然退職し、学校は精神の病気だと説明した。だがその日の放課後、私を含めたクラス二十三人の児童は、それぞれの家庭で「先生は午後三時に帰りました」と全く同じ嘘を親に答えた。口裏を合わせた覚えはない。半年後、唯一何も言わずに転校していった無口な少女が、私の机の引き出しに一枚のメモを残した。そこには『先生は三時のとき、まだ地下室にいました』と記されていた。
秋風の連絡帳
側溝の底のGPS

側溝の底のGPS

六年前に娘を事故で亡くし、近所から「不注意な母親」と後ろ指を指されながら暮らしてきた私。ある朝、向かいの名士宅との境界にある側溝の泥から、泥まみれの「娘の見守りGPS」を掘り出した。壊れた端末のログを開くと、六年間、豪雨の深夜になるたび、向かいの家のWi-Fiと通信を繰り返していた。問い詰めた夫が無言で開けた物置には、壁一面に貼られた隣家の行動記録と、五年間密かに改造されていた配管図面があった。
庭の水道
千五百円の仕送りと暴かれた嘘

千五百円の仕送りと暴かれた嘘

『仕送りありがとう。毎月1500円でも卵で頑張ってるよ』。アメリカ留学中の娘から届いた1通の手紙と写真に、元教師の妻・登美は息を呑んだ。 毎月17万円を送金していたはずが、銀行で判明したのは「海外送金は10ドル、残りは夫の隠し口座へ振替」という残酷な横領の証拠。 超ドケチなモラハラ夫は、娘の命綱を着服して新卒の部下と不倫し、豪遊を繰り返していたのだ。全てを録音した登美は、土下座して泣きつく夫の前に離婚届とペンを叩きつける。そのペンを見た夫が絶叫した理由とは――。
綾瀬 涼花
娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路

娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路

海外留学中の娘から届いた手紙には、「毎月1500円の仕送りでも頑張ってるよ」と書かれていた。私は毎月17万円を送っているはずなのに――。不審に思った私・富が調べると、残りの16万8500円は夫・直太の隠し口座へ流れていた。長年、私と娘には「無駄遣いは悪だ」と我慢を強い、教師の仕事まで辞めさせた亭主関白の夫。その裏で彼は、出張と偽って若い女性と旅行し、娘の留学費まで貢いでいたのだ。異国で卵ともやしに耐えていた娘を思うと、悲しみは凍るような怒りへ変わった。もう黙って従う妻ではいない。私は銀行の記録を確認し、探偵に素行調査を依頼して証拠を集める。そして休日、偉そうに「一家の主」を語る夫へ静かに問いかけた。「例の彼女には、一体いくら貢いだの?」――その一言から、偽りの亭主関白を引きずり下ろす私の反撃が始まる。
小春の夜話
祖母の1000万円超を1220円にした兄嫁の末路

祖母の1000万円超を1220円にした兄嫁の末路

雨の深夜、90歳近い祖母が寝巻き姿のまま、素足で私・かよの家へ逃げ込んできた。母の入院後、兄・浩司と兄嫁・リツ子に部屋を奪われ、2階へ閉じ込められたうえ、食事まで断たれて通帳やキャッシュカード、暗証番号を差し出させられていたという。幼い頃から私を慈しんでくれた祖母の痩せ細った姿に、私は激しい後悔と怒りを覚える。しかも首謀者と疑われるリツ子は、祖母を「ボケた老人」に仕立て、高級車やブランド品に囲まれた生活を送っていた。もう許さない。私は夫・安幸と祖母を守ると決め、あえてリツ子の味方を装って通帳を奪還する。だが、1000万円以上あったはずの残高は、わずか1220円。そしてその事実を兄へ突きつけた瞬間、返ってきたのは予想外の動揺だった。祖母の財産を本当に食い尽くしたのは誰なのか――家族を欺いた嘘が、ここから崩れ始める。
小春の記録
八百万円の泥棒とされた妹、九年目の審判

八百万円の泥棒とされた妹、九年目の審判

九年前に八百万円を持ち逃げして失踪したとされる妹。その金庫が、元婚約者の実家の庭、厚さ二十センチのコンクリート直下から未開封のまま掘り出された。 「腹いせに捨てたのよ」と喚く元義母だが、金庫の底にあった妹の携帯には、未送信の悲痛な下書きが残されていた。 泥棒の家族として親を失い、蔑まれて生きてきた姉・綾乃は、完璧に塗り固められた「被害者一家」の嘘と対峙することを決意する。
庭石の影

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臨月に捨てられた女医、18年後の審判

臨月に捨てられた女医、18年後の審判

妊娠10ヶ月の臨月を迎えた夜、エリート医師の夫・俊彦は「愛人が跡継ぎの男児を身籠もった。高齢のお前が産むのはどうせ障害児だ」と哄笑し、離婚届を突きつけて私を極寒の路頭へ叩き出した。12年の不妊治療の末に授かった命を呪われ、医師のキャリアも奪われた私。だが18年後、地方病院のロビーで零落した元夫と愛人に再会する。悪態をつく元夫に対し、私が「そこの世界的天才バイオリニスト、私の娘ですが」と告げた瞬間、屈強な男が現れて――。
白瀬 唯
失明を装った夫と結婚詐欺女の末路

失明を装った夫と結婚詐欺女の末路

結婚してわずか一か月、夫・レンは「このままでは失明する」と告げられた。私は仕事も家事も背負い、彼の目となり足となって支え続けた。ところが預金口座から金が消え、大切なアクセサリーやブランド品まで次々と紛失する。警察に「身内の犯行では」と言われても、目の見えない夫だけは疑えなかった。そんな半年後、通院先で新しい医師から告げられたのは、「ご主人は失明していません」という衝撃の事実。さらにレンには、過去に結婚詐欺を疑われた経歴まであった。愛も献身もすべて嘘だったのか。私は何も知らないふりをして夫を警察署へ連れ出し、その演技を暴く。そして奪われた金と人生を取り戻すため、離婚と法的な反撃を決意する。だが捜査の先には、レンが私と結婚する以前から続いていた、もう一人の女との恐ろしい計画が隠されていた――。
小春の夜話
三億円を迫った夫と偽造DNA

三億円を迫った夫と偽造DNA

「浮気したあばずれ女だ。慰謝料3億円払え」――5歳の息子がO型だと判明した瞬間、AB型だと信じていた夫は私の不貞を決めつけた。病院での取り違えを疑う私の言葉には耳も貸さず、夫は義母と共に私を罵り、息子の髪まで無理やり抜いてDNA鑑定を強行。さらに「親子関係なし」という結果を突きつけ、病気の息子ごと家から追い出した。長年、学歴を理由に私と息子を虐げてきた義母を、それでも信じ続けた夫。その裏切りに心が切れた私は、実家へ戻り家族と反撃を決意する。だが義実家で再び3億円を要求されたその時、海外から帰国した兄が現れた。「その鑑定結果、一致するわけないよ」――兄が再生した一つの録音から、夫と義母が仕組んだ計画、そして血液型に隠されたさらに深い秘密が崩れ始める――。
小春の記録
五十万円の便利妻

五十万円の便利妻

義父の四十九日を終えた日曜の朝、商社の係長へ昇進した夫から緑の離婚届を突きつけられた。「腰を壊したお前は出世の邪魔。手切れ金50万で出て行け」。4年間、排泄の世話まで一人で背負い続けた私を、夫は「無償の介護要員」として切り捨てたのだ。愛人とタワマンへ移る気満々の夫。だが、冷え切った私の手元には、四年間の一切を記した【介護日誌】と、義母から託された反撃の鍵が握られていた。
底冷えの台所
八百万円の泥棒とされた妹、九年目の審判

八百万円の泥棒とされた妹、九年目の審判

九年前に八百万円を持ち逃げして失踪したとされる妹。その金庫が、元婚約者の実家の庭、厚さ二十センチのコンクリート直下から未開封のまま掘り出された。 「腹いせに捨てたのよ」と喚く元義母だが、金庫の底にあった妹の携帯には、未送信の悲痛な下書きが残されていた。 泥棒の家族として親を失い、蔑まれて生きてきた姉・綾乃は、完璧に塗り固められた「被害者一家」の嘘と対峙することを決意する。
庭石の影
義母ATM、全財産を失う

義母ATM、全財産を失う

妻を臨月の過労で倒れさせながら、平然と「嫁の勤め」と言い放つ義母。夫は怒りを押し殺し、法事の席で母の隠し財産とリフォーム費用の着服を暴く準備を進めていた。しかし、母が仕掛けた会社への嫌がらせの裏には、亡き義父が隠し通した衝撃の過去が眠っていた。真実が明かされた時、毒親の描いた完璧な老後計画は完全に崩れ去る。
湯気の向こう

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解雇された職人が未明に餡を練る

解雇された職人が未明に餡を練る

創業五十周年を控えた和菓子屋で働く私は、常連客の前で二十五年尽くした職人が店主に突然解雇される場に居合わせた。跡を継ぐため会社を辞めて戻った一人息子がいるものの、看板である漉し餡の技術はまだ誰にも継がれていない。店が立ち行かなくなると焦った私が翌朝四時に店へ駆け込むと、暗い厨房で追い出されたはずの職人が大鍋を振っていた。仕上がった餡を前に、朝一番に出勤した店主は無言で味見の木さじを口へ運んだ。
木曜の換気扇
「妹は足かせ」の婚約者と父の数千万円特許

「妹は足かせ」の婚約者と父の数千万円特許

「お兄ちゃん、帰ろ」――結婚の挨拶で婚約者・み咲の豪邸を訪れた私・藤川誠は、看護師の妹・理沙が青ざめて立ち上がる姿を見た。相澤家が差し出したのは、結婚後の住居や生活費、子供の教育まで細かく縛り、援助の代わりに絶対服従を求める“契約書”。さらに両親を亡くした経歴や理沙の仕事まで見下され、私は婚約を見直す決意をする。ところが別れを告げた途端、相澤家の態度は一変。父・健造は「仕事に支障が出る」「妹の病院にも手を回せる」と脅し、実際に私の会社へ偽造クレームまで送り込んできた。だが、取引先への確認から文書の偽造が発覚し、会社の専務と顧問弁護士が全面的に私を守ると宣言する。大学時代の恩師や病院側にも協力者が現れ、金と権力で兄妹を引き離そうとした相澤家に対し、今度は証拠と法律で逃げ道を塞ぐ反撃が始まる――。
浩一
左目を殴った夫と2200万円の離婚清算

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「いつまで倒れてるんだ?さっさと起きろ」――結婚3周年の夜、私・みさきは夫・直人に顔を殴られ、左目から血を流して床に倒れた。原因は、会社へ忘れ物を届けた私が、直人と若い女性の密会を目撃したこと。義母まで「壊したら治療費がかかる」と冷たく見下す中、私はようやく3年間の暴力と支配から逃げる決意をする。実は直人の会社は、私が外資系企業を辞め、無給で企画や顧客開拓を担って育てたものだった。それでも私は“何もできない専業主婦”として扱われ続けた。怪我の写真、罵声の録音、400万円の貯金を抱え、深夜便でロンドンへ。そこで網膜剥離の危険を告げられながらも、友人・真歩の助けで仕事と離婚の準備を始める。そして、誰かの名前に隠されていた自分の実績が初めて正当に評価された頃、直人は海の向こうまで私を支配しようと動き始める――。
智美
妻を殴った外交官と2億円の空売り

妻を殴った外交官と2億円の空売り

「外交官の妻として、少しは自覚を持て」――夫・直人は、自宅で私のパジャマを着ていた初恋の女性・彩佳をかばい、私・美咲の頬を平手打ちした。さらに離婚を告げると、「お前の実家を救ったのは佐伯家だ」と二億円の援助まで持ち出し、私が一人では生きられないと思い込んでいた。私は指輪を置き、暴力の証拠を残して静かに家を出る。彼らが知らなかったのは、私が元日本銀行の国際金融専門家で、すでに国際通貨基金ワシントン本部の上級エコノミストとして採用されていたこと。やがて直人は、自分の仕事を陰で支えていた妻の経歴を知り愕然とする。一方、私が海外から調べ始めたのは、三年前に実家の会社が突然資金難へ陥り、その直後に佐伯家が“救済者”として現れた不自然な経緯だった。夫婦になる前から始まっていたある計画の痕跡が、少しずつ浮かび上がってくる――。
佳澄
結婚初夜の義父不倫と20年目の毒殺計画

結婚初夜の義父不倫と20年目の毒殺計画

「ああ、義父さん、そこだめ」――結婚初夜の午前2時、私・ひろしが父・源蔵の寝室で聞いたのは、数時間前まで“生理だから触らないで”と私を拒んでいた新妻・さやかの甘い声だった。彼女は父の莫大な資産目当てで私と結婚し、二人で私を「出来損ない」と嘲笑っていた。だが私は怒鳴り込まない。結婚前、さやかの持ち物から父と同じ高級ネクタイピンを見つけ、不審に思って寝室へ証拠用カメラを仕掛けていたからだ。録画を確認すると、裏切りは父だけでは終わらなかった。さやかが本当に愛している相手は、私の高校時代からの親友・達也。さらに二人のメッセージには、父へ薬を飲ませ、遺産を奪った後は私にも同じことをするという恐ろしい計画が残されていた。妻、父、親友――最も信じた三人に囲まれた私は、何も知らない“無能な夫”を演じたまま、逃れようのない証拠を集める。そして父の元顧問弁護士・神崎から、さやかの過去にまつわるさらに不穏な真実を告げられる――。
孝之
一度も抱かれなかった娘

一度も抱かれなかった娘

出産翌日に姿を消した妻の代わりに、私は男手一つで娘を育ててきた。「母親は抱っこも拒んで逃げた」と言い聞かせ続けて五年。カルテの保管期限が切れ、産院に呼び出された私の前に置かれたのは、妻が失踪直前に提出した母子同室申請書と一枚のガーゼだった。申請書の最下段には私の拒否印が押されており、持ち帰った鞄からこぼれ落ちた布を拾い上げた五歳の娘は、ピンクの刺繍を指でなぞりながら私を見上げた。
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