"義母ATM、ハワイへ消ゆ" 第3話
それなのに、老の150万円を守ろうとしただけで、私は「ケチな母親」になるらしい。
「正也、私、あなたたちに結婚してから2500万円以しているのよ」
自分でも言うつもりのなかった数字がからた。すると息子はし苛った声で「それは母さんが勝にやったことでしょ」と言った。頼んだこともあるはずなのに、彼のではすでに、受け取ったおはすべて私の自主な為として理されていた。
私は何も言えなくなった。正也はそんな私の沈黙を承と受け取ったのか、「歩美の実はちゃんとしたなんだよ」と続けた。歩美の父親は企業の管理職で、母親は旧のだという話を何度も聞かされてきたが、それを理由にがが150万円を負担する理屈は、どう考えても理解できなかった。
「俺のも考えてくれよ。歩美の親戚に、母親がケチだなんてわれたくないんだ」
その、話の向こうから歩美の声が聞こえた。「だから言ったじゃない。庶民の覚じゃ、うちの親戚は満しないって」と笑う声だった。正也が慌てて何か言ったが、私のにはもう入ってこなかった。
私は静かに「分かったわ。し考える」とだけ言って話を切った。鳴り返したわけでも、泣いたわけでもない。けれど胸のでは、それまで何も切れずにいた細い糸が、確かに本切れた気がした。
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そのの午、今度は見らぬ番号から話がかかってきた。ると、く落ち着いた女性の声が「歩美の母です」と名乗った。これまで結婚式や孫の事で何度か顔をわせた神崎澄だったが、私の携帯へ直接話をかけてきたのは初めてだった。
「15でお世話になる件、娘から聞いています。もう準備はんでいるんでしょうね?」
私は瞬、言葉を失った。昨決まった話でまだ難しいと答えると、澄は「あと5もあるでしょう」と平然と言った。さらに「元護師ならのお世話には慣れているでしょうし、お料理や接待くらい問題ありませんよね」と続けた。
私はそこで初めて、はっきり訂正した。「護師は、の命と尊厳を守る仕事です。接待業とは違います」と伝えると、澄は「あら、ごめんなさい」と笑った。しかし謝罪の直、「でもサービスする仕事には変わりないでしょう」と言われた、私のから完全に力が抜けた。
澄はそのも、自分の実が旧であることや、親族に事にうるさいがいことを説した。兄は名しか利用せず、い惣菜などしたら恥になると言われ、最には「正也さんとの結婚も柄の違いがあって、本当は配だったんですよ」とまで告げられた。
「せめてお正くらいは、こちらに恥をかかせないでくださいね」
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話が切れたあと、私は卓の子に座ったままいけなかった。37、夜勤も休勤もこなし、患者から鳴られたもでは笑顔を保ち、正也を育ててきた。それでも彼らから見れば、私はただの「庶民」であり、の世話に慣れた便利な老女にすぎないのだ。
だが、そのの夕方。
私が像していた以に。
彼らは私を軽く見ていたことが分かった。
夕の支度をしていると、夫が珍しく青い顔で居から私を呼んだ。スマートフォンを差ししながら「これを見てくれ」と言う声には、りを抑えている特のさがあった。画面に表示されていたのは、歩美のInstagramだった。
夫の元同僚の奥さんが偶然見つけ、「もしかしてお嫁さんでは」とらせてきたという。私はSNSをほとんど使わないので、歩美がどんな投稿をしているのからなかった。最初に表示された3の投稿には、シャンパンの写真と緒に、信じたくない文章が並んでいた。
〈正の準備なう。義母に全部やってもらうから私は超楽(笑)。今は親族15で押しかける予定。元護師だし、の世話するの好きでしょ〉
そのには、〈老は働くべき〉〈ただ働き最〉〈義母をこき使う計画〉という言葉が、冗談めかした調子で並べられていた。投稿には200件を超える「いいね」がついており、友らしい物から「15はさすがにくない?」
とき込まれている。
歩美はそこへ、こう返信していた。
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