"義母ATM、ハワイへ消ゆ" 第10話
〈、空港へく。逃げずに話したい〉
私はしばらく画面を見た。
そして初めて。
返事をした。
〈分かりました。ただし、おの援助を再する話はしません。それでも話したいなら来てください〉
数分。
〈分かった〉
それだけ返ってきた。
翌。
成田空港の到着ロビーには。
正也だけではなく。
歩美もっていた。
110の午、到着ロビーへると、すぐに正也を見つけた。わずか数しか経っていないのに頬がこけ、髪もっておらず、いつもの会社員らしい姿とは違って見えた。歩美はその横で俯いており、私たちがづくと同にをげた。
「母さん、本当にごめん」
正也が最初にをいた。周囲には旅客が勢いるので、私は「ここで声をす話じゃないでしょう」とをくのカフェへ連れていった。昔の私なら、息子の疲れた顔を見た瞬に「もういいのよ」と言っていたとう。
だが今は言わなかった。
正也は、自分が私の援助を当然だとうようになっていたことを認めた。宅ローンや教育費に余裕がまれるたび、それを自分たちの努力で得た余裕だと錯覚し、毎15万円が振り込まれる活を「普通」とうようになったという。
「歩美のに格好をつけたかった。俺のはがないってわれたくなくて、母さんが何でもしてくれるって言ってた」
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私は黙って聞いた。彼は「歩美に全部責任があるとは言わない。俺も同じだった」と続けた。なくともそこだけは、以よりまともな言葉だとった。
次に歩美が顔をげた。目は赤く腫れていたが、私は泣いていること自体を謝罪の証拠とは考えなかった。彼女はSNSについて「友達に面く見せようとしてげさにいた」と説した。
「げさにいたから問題なのではないわ」
私はそこで初めてを挟んだ。
「本当は私をATMだとっていなかったのなら、どうして『義母を褒めればがる』なんて言葉がてくるの? 冗談は、のどこにもないことを何もき続けられるものなの?」
歩美は答えられなかった。
私は責め続けたいわけではなかったので、それ以問い詰めなかった。代わりに、今のことをはっきり伝えるため、バッグから枚のを取りした。ハワイへくに作り、帰国に渡すつもりで印刷しておいたものだった。
そこには、今銭援助をわないこと、毎15万円の振込はすでに止していること、鍵は無効でしい鍵を渡さないこと、がへの宿泊や訪問は必ず事に相談することをいていた。親子の絶縁状ではなく、これまで曖昧だった境界線を文にしただけだった。
正也はを読み終えると、「毎の15万円も、本当に……」
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と呟いた。
その言で。
私はまだ彼のに甘えが残っていることをった。
「そうよ。もう振り込まない」
私は静かに答えた。「あなたたちは共働きでしょう。自分たちの収入にった活をしなさい」と続けると、正也は俯いた。私は息子をへ放りすわけではないし、活できないほど困窮しているわけでもない。
援助がなくなれば、や習い事や買い物を見直さなければならない。それだけのことだった。
歩美は震える声で「私の実とも、今うまくいっていません」と言った。親族の何かから絶縁にいことを言われ、両親からも責められ、SNSのアカウントも閉じたという。
「それは私が解決することではないわ」
私はそう答えた。
歩美が顔をげた。
以なら私は、「何とか仲直りできるように話してあげようか」と言っていただろう。だが今回の問題は、私がに入って解決するものではない。それぞれが自分の言葉との責任を取るしかなかった。
「お母さん、もう許してもらえませんか」
歩美に尋ねられ、私はし考えた。
「許すことと、以と同じ関係に戻ることは別よ」
私はその言だけ、はっきり伝えた。
み続けたいわけではない。
歩美を苦しめたいわけでもない。
けれど。
度「ATM」と呼ばれたが。
謝罪つで。
また同じ財布に戻る必はない。
正也は最に、「しずつでも今までのおを返したい」と言った。私は2500万円すべてを返してほしいとはわなかったし、そもそも贈与したものもい。
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