"雪峠の五発" 第4話
4旬。
1の登客が、展望台から50mほどれた斜面を歩いていた。
解けで面が削られ、さな溝ができている。
そののに、黒いものが半分埋まっていた。
最初はだとった。
だが拾いげると、自然にい。
を袋で拭う。
属製の筒。
錆びたスイッチ。
それは古い懐灯だった。
底の部分には、かすかに文字が残っていた。
警察備品を示す管理番号だった。
懐灯は、そののうちに元警察へ届けられた。
報告を受けた担当者が古い事件記録を確認し、慎也が失踪した際に携していた備品覧と照した。型式、製造番号、管理番号。
すべてが致した。
慎也が峠へ向かった夜、腰の装備袋に入れていた懐灯だった。
13、何つてこなかった峠が、初めてつの物を返した。
美咲の携帯話が鳴ったのは、午3をし過ぎた頃だった。
『さんの奥様でしょうか』
久しぶりに聞く、野県警からの話だった。
美咲は胸騒ぎを覚えた。
『峠で、ご主が使用していた能性のい懐灯が発見されました』
言葉のを理解するまで、数秒かかった。
「懐灯……?」
『はい』
「主のものなんですか?」
『管理番号が致しています。ほぼ違いないとわれます』
美咲は子に座った。
13ぶりのがかり。
嬉しいとはえなかった。
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怖かった。
い、
「いつかきて帰ってくるかもしれない」
というごくさな能性だけを残してきた。
懐灯の発見は、その能性を閉じる始まりかもしれなかった。
その夜、美咲は陽菜に話した。
「パパの懐灯が見つかったって」
陽菜はしばらく黙っていた。
「どこで?」
「展望台のく」
「今まで探してた所?」
「しれた斜面みたい」
陽菜は拳を握った。
「野へこう」
翌、2はで峠へ向かった。
13、5歳だった陽菜はチャイルドシートに座ってこのを通ったことがある。だが、その記憶はほとんど残っていなかった。
展望台周辺は警察によって規制されていた。
の差しを浴び、斜面のがしずつになって流れている。
「ここなんだ」
陽菜が呟いた。
美咲は答えなかった。
13と同じ所。
けれど々は成し、斜面のも変わり、ガードレールもしくなっている。
だけが確実に流れていた。
懐灯が見つかった所をに、警察は再捜索を始めた。
面を掘り、属探も使用した。
崖の。
の根元。
解けが流れる方向。
1週にわたって調べられた。
しかしたな所持品も遺留物も発見されなかった。
「申し訳ありません」
担当者がをげた。
「現状では、これ以の捜索を続けても成果が期待できません」
美咲は頷いた。
期待していなかったと言えば嘘になる。
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懐灯がたなら、そのくに慎也もいるのではないか。
そんないがあった。
だが13というはすぎた。
警察の捜索は再び打ち切られた。
それでも、この懐灯の発見をの男が見逃さなかった。
フリージャーナリストの瀬孝志。
45歳。
事件記者として聞社に勤務したに独し、未解決事件や方事件を専に取材していた。過には、何も放置されていた証言を掘り起こし、事件解決のきっかけを作ったこともある。
慎也の事件は、以から瀬のに残っていた。
警察官が公務に消えた。
パトカーだけが残った。
通報者が分からない。
そして、13何もなかった所から突然見つかった懐灯。
「偶然にしては、来すぎている」
瀬はそうじた。
数、美咲のもとへ連絡が入った。
『突然申し訳ありません。フリージャーナリストの瀬孝志と申します』
美咲の表が曇った。
慎也が失踪した当、何もの記者に取材された。
玄関で待ち伏せされたこともある。
「ご主に敵はいませんでしたか」
「夫婦関係に問題はありませんでしたか」
「自ら失踪した能性についてどういますか」
何度も同じことを聞かれ、そのたびに傷を抉られた。
「取材はもう……」
断ろうとした。
しかし瀬は急いで言葉を続けなかった。
『お気持ちは分かります。
記事をくことが目ではありません』
「では何のためですか?」
『真実を調べたいんです』
瀬の声は静かだった。