"隠し子を知っていた55歳妻" 第3話
律子は通帳を並べた。
与座。
宅ローン。
定期預。
保険。
芳名義の介護費用。
正典の退職見込み。
自分の記録。
1つずつ。
最初は数字を見るだけでが痛くなった。
固定資産税がいくらか。
災保険の更。
の査定額。
宅ローンがあと何残っているか。
自分が65歳になった、はいくらくらいになるのか。
結婚30目で。
律子は初めて。
自分の活の値段をった。
ある。
役所の相談窓から帰る途。
駅のベンチでノートをいた。
をた。
賃7万円。
管理費5000円。
費4万円。
費1万5000円。
医療費。
携帯話。
交通費。
保険。
最でも15万円。
だけで分か。
仕事を何歳まで続けるか。
貯をどう使うか。
計算しているうちに。
怖くなった。
55歳。
仕事の空はい。
今から1で暮らせるのか。
その夜。
正典は午11に帰ってきた。
「遅かったですね」
「み」
「そうですか」
本当は。
美のところ。
律子はっていた。
正典はシャワーを浴び。
蔵庫からをし。
律子が作った夕を温めた。
「今、母さんどうだった?」
「欲なかったです」
「そっか」
それだけ。
自分の母親の介護を妻へ任せ。
自分は別ので幼い子供を呂へ入れて帰ってくる。
それでも。
夜に腹が減れば。
妻が作った煮物をべる。
その姿を見て。
律子ので。
何かがしずつめていった。
広告
りではなかった。
理解だった。
このは。
2つの庭を持っているつもりではない。
2つとも。
自分のためにく所だとっている。
美のでは。
若い父親としてされる。
こちらでは。
妻が母親を介護し。
事もも維持する。
どちらも放したくない。
最に。
番都のいい期に。
古い妻だけせばいい。
律子は。
その構図を理解してから。
もう夫へ質問しなくなった。
「どこへっていたの?」
「誰といたの?」
聞いても。
答えは分かっている。
代わりに。
自分の予定を作った。
曜。
芳の通院。
曜。
計資料の理。
曜。
ハローワーク。
曜。
昔の同僚と昼。
曜。
介護サービス担当者との面談。
しずつ。
自分の活を。
夫の予定から切りした。
20以。
律子は元の建材会社で般事務をしていた。
結婚もしばらく続けたが。
芳と同居が始まり。
事が増え。
正典から、
「俺の料でやっていけるんだから、無理して働かなくてもいいだろ」
と言われ。
辞めた。
当の同僚・恵子へ連絡した。
「久しぶり」
「何ぶり?」
「15くらい?」
「もっとでしょ」
2で笑った。
事を全部話したわけではない。
ただ。
「55からでも、事務の仕事ってあるかな」
と聞いた。
恵子はし考え。
「正社員は簡単じゃないとう。でもパートならあるよ」
と言った。
「うちの関連会社、週3で募集してる」
「パソコン、昔と全然違うよね」
広告
「そんなの覚えればいい」
その言葉が。
妙に嬉しかった。
覚えればいい。
遅いから無理。
ではない。
55歳でも。
覚えればいい。
律子は帰宅して。
古いノートパソコンをいた。
表計算ソフト。
メール。
PDF。
分からない。
画を見ながら。
しずつ触った。
正典が帰ってきて。
「何してる」
と聞いた。
「ちょっと勉」
「今さら?」
笑った。
律子は。
画面から目をげなかった。
「今さらです」
正典は。
それ以興を持たなかった。
その半。
律子が弁護士へ2回目の相談をしたことも。
仕事の候補を探していることも。
の査定額を確認したことも。
らなかった。
妻は何もせず。
自分が婚を切りすを待っている。
正典はそうっていた。
自分の預。
夫婦の財産。
。
命保険。
の名義。
固定資産税。
芳の介護サービス。
もし自分がをた。
どこにむか。
55歳から仕事を探せるか。
昔働いていた会社のにも連絡した。
週3程度なら事務の仕事があるかもしれないと言われた。
律子は、それで初めて気づいた。
夫がいなくても。
すぐ豊かには暮らせない。
でも。
きられないわけではない。
方。
正典は。
妻が何もらないとっていた。
平は。
「仕事が引く」
と言って美のへく。
れんと夕をべる。
呂へ入れる。
絵本を読む。
夜9を過ぎると。
「そろそろ帰らないと」
と言う。
美は満だった。
「今も?」
「母さんもいるし」
「律子さんがいるでしょう」
「だから、急に変えると怪しまれる」
美は何度も言った。
「いつ婚するの?」
広告
おすすめ作品
-
完結第10話
消された妻の逆転乾杯
夫の昇進祝いの宴席で、佐木美和は信じられない光景を目にする。 35年間連れ添ってきた夫・孝志が、120人の招待客の前で、若い愛人を「妻です」と紹介したのだ。 本当の妻である美和は、会場の端の席に座らされ、まるで無関係な招待客の一人のように扱われていた。夫からは事前に「今日だけは黙っていろ」と言われていた。 けれど、美和は怒鳴らなかった。 ただ静かにグラスを持ち上げ、夫と愛人に向かって乾杯した。 なぜなら彼女は、17年間にわたって夫が奪い続けてきた功績、不正に使われた経費、そして自分の名前を消された証拠を、すでに会長へ渡していたからだ。 祝福の拍手が響く中、会長がゆっくりと立ち上がる。 「佐木君。今の紹介で、最後の確認が取れた」 その一言で、夫の栄光の夜は、崩壊の始まりへと変わっていく――。夫婦|第二の人生|不倫1.4万字5 0 -
完結第14話
銀行にいた偽妻
60歳の斎藤かよ子は、夫・剣一を大阪出張へ送り出したはずだった。 しかし午前11時17分、銀行から一本の電話が入る。 「ご主人が、奥様と同じ名前の若い女性と一緒に来店されています」 その女性は、かよ子の名前を名乗り、住所や生年月日、家族の情報まで正確に答えていた。しかも夫は、その女を自分の妻として銀行に紹介し、かよ子名義の資産に関わる重要な手続きを進めようとしていた。 ただの浮気ではない。夫は、かよ子の服装、癖、署名、人生の記録までも利用し、“もう1人の妻”を作り上げていた。 37年間信じてきた夫が、本当に奪おうとしていたものは財産だけだったのか。 そして、何も知らない妻を演じ続けたかよ子が、最後に銀行で見せた反撃とは――。人生逆転|夫婦2.1万字5 0 -
完結第14話
35万円の空冷蔵庫
大晦日、妻の弓が35万円かけて用意した正月料理が、冷蔵庫から一つ残らず消えていた。 持ち去ったのは、夫・健一の母と弟。松阪牛、タラバガニ、有名料亭のおせちまで奪いながら、彼らは笑ってこう言い残す。 「明日はカップ麺でも食べてなさい」 20年間、“長男の嫁”として姑に尽くし続けてきた弓。いつか本当の家族として認めてもらえると信じ、理不尽な仕打ちにも耐えてきた。 しかし、その夜、健一は知ってしまう。食材を奪っただけでは終わらない、母と弟が5年前から隠し続けていた金の秘密を。 元日の新年会。食卓に並んだのは、豪華な料理ではなく一箱のうどんだけ。 だが、襖の向こうには親戚たちが集まり、20年間隠されてきた佐藤家の本性を静かに聞いていた――。兄弟姉妹|夫婦2.1万字5 3 -
完結第12話
娘の結婚式で夫は愛人を新しい妻と紹介した
52歳の由美は、27年間連れ添った夫・剣一との夫婦関係がすでに壊れていることを知りながら、一人娘・美穂の結婚式までは何も起こさないと決めていた。ところが披露宴の最中、剣一は180人の招待客を前に、34歳の愛人・理香を「これからの妻になる人です」と紹介する。会場が凍りつき、娘が青ざめる中、由美は怒鳴りも泣きもせず、静かに立ち上がって拍手した。「あなたの本性を、私が説明する手間が省けました」。すると突然、新郎の父・誠が由美の前まで歩み寄り、深く頭を下げる。「これまで、本当によく耐えてこられました」。そして彼が口にした「準備はできています」という一言に、夫の表情が変わった――。人生逆転|不倫|熟年離婚1.8万字5 0 -
完結第13話
離婚後に生まれた息子
10年間の不妊治療の末、「子供もできなかった」と姑に責められ、夫・健一から離婚を告げられた38歳の由美。ところが離婚から2週間後、最後に受けた治療が実っていたことが判明する。由美は悩んだ末、元夫には知らせず、実家で1人の男の子を出産した。それから1か月。離婚から10か月後のある日、玄関に現れたのは健一と、彼が再婚する28歳の美香だった。「来月、結婚式をするんだ」と招待状を差し出そうとした健一。しかし、由美の腕に抱かれた赤ん坊を見た瞬間、その笑顔が消える。「その子……まさか俺の?」。10年間「子供を産めない妻」と責められ続けた由美の人生が、そこから大きく動き始める。夫婦|真相|修羅場2.0万字5 0 -
完結第11話
夫の娘は、私にだけ謝った
結婚34年目、夫は突然こう告げた。 「娘が見つかった。だから離婚してほしい」 夫には、結婚前に生まれていたもう一人の娘がいた。しかも夫は、その娘のために今の家庭を離れ、父親としてやり直したいと言う。 しかし、真由美が初めて会った“夫の娘”綾香は、なぜか彼女に頭を下げた。 「私のせいで離婚しないでください」 夫は本当に、最近になって娘の存在を知ったのか。なぜ綾香は、父親ではなく真由美に会おうとしたのか。 やがて明らかになるのは、36年前に封じられた手紙と、12年前から夫が隠し続けていた事実だった。 突然現れた娘は、家庭を壊しに来たのではなかった。 34年続いた夫婦の中で、誰も口にしなかった本当の問題を、静かに照らし出していく――。夫婦|親子関係1.6万字5 0 -
完結第13話
十六歳の毒薬花嫁
江戸中期、奥州郡山の大店・高野家には、余命三月と告げられた若旦那・湊がいた。 歩くこともままならず、医者からは「春までもたぬ」と見放された男。誰も嫁ぎ手など現れないと思われたその家の門を、ある冬の朝、十六歳の娘・凛が一人で叩く。 「三月なら三月、三日なら三日でも構いません」 そう言って自ら若旦那の嫁になった凛だったが、彼女には誰にも明かしていない目的があった。 苦くないはずのない薬。帳簿に増え続ける不自然な数字。井戸へ捨てられた父の形見。 病とされていた若旦那の命、罪人にされた父の名、そして大店に二十一年隠されてきた嘘。 十六歳の娘が嫁いだ本当の理由が明らかになる時、高野家の運命は大きく変わり始める。夫婦2.0万字5 0 -
完結第13話
福嫁の逆転茶屋
江戸の日本橋にある茶屋「泡雪屋」の若旦那・宗介は、店の立て直しのため、評判の商人・泉屋五兵衛の娘を妻に迎えることになる。 宗介が望んでいたのは、江戸でも噂になるほど美しい姉・お花だった。美しい女将がいれば、傾きかけた店にも客が戻る。そう信じていたからだ。 しかし、五兵衛が宗介に差し出したのは、お花ではなく、ふくよかで目立たない妹・福だった。 祝言の日、客たちは陰で笑い、宗介自身も心のどこかで落胆を隠せなかった。だが、福が作る菓子と入れる茶は、少しずつ泡雪屋の空気を変えていく。 派手ではないのに忘れられない味。人の心の奥にしまわれた記憶を呼び起こす菓子。福は、宗介が見落としていた“商いで本当に大切なもの”を静かに見せていく。 やがて泡雪屋は、思いがけない形で評判を取り戻していく。 なぜ、泉屋五兵衛は美しい姉ではなく、福を宗介に嫁がせたのか。 そして若旦那が、かつて落胆した嫁に深く頭を下げることになった理由とは――。嫁姑|夫婦1.9万字5 0 -
完結第11話
荷造りの日に消えた夫の行き先
7年間、脳梗塞で倒れた夫・修一を支え続けてきた香織。 仕事を辞め、食事も薬も通院もすべて管理し、夫が再び歩けるようになるまで寄り添ってきた。ところが回復した修一が最初に告げたのは、感謝ではなく「離婚してほしい」という言葉だった。 理由は、妹のいる新潟で暮らしたいから。 香織は、自分の7年間がすべて否定されたように感じる。だが荷物を整理する中で、夫が密かにつけていた一冊のノートを見つける。そこには、香織への感謝と罪悪感、そして誰にも言えなかった本音が記されていた。 さらに引っ越し当日、迎えに来たはずの義妹が突然言い放つ。 「兄は引き取りません」 夫は本当に妻から逃げたかったのか。義妹はなぜ直前で拒んだのか。そして香織が7年間守り続けていたものは、夫だったのか、それとも自分自身の恐怖だったのか。 介護、夫婦、家族の責任、そして人生の後半をどう生きるかを描く、静かな再出発の物語。夫婦|介護1.6万字5 0