"「冷たい嫁」と書かれた分担表" 第5話
だからこそ、美穂は自分が何も悪いことをしていないとく主張できた。問題はつの違法為ではなく、志津が分に理解しないまま、周囲だけが次の段階へんでいたことだった。
奈央が本の確認を求めると、担当者は困惑しながら鞄から相談受付票をした。そこには志津の署名があり、売却の連絡先として浩の所がかれていた。署名は志津の字に見えたが、付は、志津がデイサービスの体験利用でだっただった。
誰かが勝に契約した証拠ではない。事に署名だけした能性もある。それでも奈央は産会社へ、医療関で認能を確認であり、本のを慎に確認してほしいと伝えた。
帰り、佐子は正志へ尋ねた。「あなたは、を売る話をいつからっていたの」
正志はしばらく黙ったあと、半ほどからだと認めた。
半、浩は正志へ、宅ローンの返済が苦しいと相談していた。勤務先の業績悪化で当が減り、学の男の学費もなっていた。志津のを売り、齢者宅の費用を差し引いた残りを将来の相続分としてし先に借りられないか、と持ちかけたという。
正志は確に賛成しなかったが、反対もしなかった。母親の活を浩夫婦が引き受けるなら、自分たちも助かるとったからだった。
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美穂が産会社や齢者宅を調べることもっていた。
「介護をしないなら遺産を浩たちへ、って言ったのは何だったの」
「実際、面倒をみる方がく受け取ってもおかしくないだろう」
「まだ誰も面倒をみていない。私にやらせるか、お義母さんのを使って弟にやらせるか、あなたは選んでいただけでしょう」
正志は、族の問題をげさにするなと声を荒らげた。佐子は初めて、夫との会話をスマートフォンのメモへ付つきで残した。復讐のためではなく、翌になると正志が「そんなで言っていない」と変えることを、もう何度も経験していたからだ。
方、志津の薬が減った理由はなところから判した。デイサービスの送迎を待つ、志津が所の女性へ「血圧の薬は体に悪いから、まずに捨てている」と話したのである。美穂が薬を抜いた証拠はなく、佐子への疑いを作るためでもなかった。志津自が健康番組の報を誤解し、台所のごみへしずつ捨てていた。
佐子は、自分が美穂を疑い始めていたことに気づいた。相の自然なが増えると、すべてがつの悪につながって見える。しかし現実の問題は、同じのでも別々に起きる。現を隠したのは志津、薬を捨てたのも志津、売却を急いだのは浩夫婦だった。
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ただしノートの半については、美穂が代を認めた。志津から聞いた話を理しただけで、内容を作ってはいないという。奈央が、なぜ代した印をつけなかったのか尋ねると、美穂は「族のメモにそこまで必だとわなかった」と答えた。
美穂にも言い分があった。志津は同じ満を繰り返し、浩は「母さんの話を記録しておけ」と妻へ頼んだ。美穂は仕事帰りに聞き取った内容をまとめ、で族会議に使えるとったという。だが、志津が「5000円くらい」と話した部分を「5,000円なくなった」と断定してき、曖昧な付を予定表から補ったことで、記憶はいつのにかった告発へ変わっていた。
「私は作り話をいたつもりはありません」と美穂は言った。
「つもりがなくても、読むには事実に見えました。私も、お義母さん自がいたといました」
佐子は責めながら、自分もまたノートの自然さを見つけた途端、美穂が薬まで抜いたと像したことをいしていた。は悪だけで嘘を作るのではない。曖昧な話を自分に都よくえるだけでも、誰かを追い詰める記録はできてしまう。
佐子は、52は県にいたことを示す乗券の控えを見せた。美穂は志津がを違えたのだろうと言ったが、同じの欄には産査定の予定までかれていた。
から複数の来事をまとめたなら、どこまでが志津の言葉なのか分からない。
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