"家族写真の左端" 第8話
「でも、それは父のせいではありません」
「そうえるようになるまで、くかかった」
さらに、が宗吉によって救われていたことをった。
源蔵にとって、それはべる話ではなかった。
兄に勝ったつもりはなかった。
だがなくとも、自分は自分の力でを守ってきたとっていた。
ところが最も苦しかった、救いのを差し伸べたのは、から消された兄だった。
しかも宗吉は名乗らなかった。
恩を着せることもなかった。
「兄貴は最まで兄貴だった」
源蔵が言った。
「俺より先にものが見えて、自分が何をすべきか分かっていた」
清郎は、写真のの若い男を見つめた。
「だから写真を消したいんですか」
源蔵は答えなかった。
「見ると、自分が嫌になるからですか」
「清郎」
「僕には、そう見えます」
源蔵の表が険しくなった。
しかし鳴ることはなかった。
「子どもに何が分かる」
「全部は分かりません」
清郎は言った。
「でも、このがいたことまで消す必はないといます」
い沈黙が続いた。
廊の向こうで、女が夕餉の支度をしている音がする。
源蔵は写真を裏返した。
「、写真館へく」
「乾板を壊すんですか」
「そのつもりだ」
清郎は反射にちがった。
「父」
「話は終わりだ」
「でも——」
「終わりだ」
源蔵はそれ以、息子を見なかった。
清郎は部をた。
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廊へると、胸のにいものが残った。
、乾板が割られる。
そうなれば宗吉が1で写った写真は、もう度と焼くことができないかもしれない。
そして族写真に偶然なった枚も処分されるだろう。
その夜、清郎はなかなか眠れなかった。
を守る父の考えも、しだけ分かる気がした。
それでも、どうしても納得できなかった。
宗吉はをた。
だがを憎んでいたわけではない。
瀬が苦しいには、くから助けた。
そのがきていたことを示すものまで消してしまえば、今度こそ本当にいなかったことになる。
翌朝。
清郎は父より先にをた。
には、く宗吉が写り込んだ族写真を持っていた。
森川写真館のへ着いた、まだはいたばかりだった。
亀吉は清郎の姿を見ると驚いた。
「清郎さん。こんな朝く、どうされました」
清郎は胸ので写真を抱えた。
「お願いがあります」
「私に?」
「この写真を、すぐには処分しないでください」
亀吉の表が困ったものになった。
「ですが、源蔵さんからは……」
「父が来るのは分かっています」
「ではなおさら、私が勝なことはできません」
清郎もそれは理解していた。
写真館に責任を押しつけたいわけではない。
ただ、父が到着するに自分の気持ちを伝えておきたかった。
「乾板もまだありますか」
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「ええ。昨お預かりしたままです」
「割っていませんよね」
「もちろん。源蔵さんの確認なしには何もしておりません」
清郎はしだけした。
亀吉は困惑しながら、清郎が持ってきた写真へ目を落とした。
「この方は、ご親戚だったのですか」
清郎は頷いた。
「父の兄です」
「そうでしたか」
「僕は昨までりませんでした」
亀吉はそれ以聞かなかった。
写真館の主として、客のの事へ踏み込むつもりはないようだった。
その、から音がした。
源蔵だった。
のにつ清郎を見て、源蔵は目を細めた。
「何をしている」
清郎は写真を握った。
「父を待っていました」
「へ戻れ」
「戻りません」
亀吉は慌てて2をへ通した。
撮ではなく、客を迎えるさな部へ案内する。
机のには、例の古い乾板がに包まれて置かれていた。
源蔵は子へ座ると、亀吉へ言った。
「頼んでおいた件だ」
亀吉は返事をするに、清郎を見た。
源蔵もそれに気づいた。
「清郎。何を話した」
「残してほしいとお願いしました」
「おが決めることではない」
「分かっています」
「なら帰れ」
清郎は首を振った。
「これだけは残してはいけませんか」
源蔵の線が写真へ落ちた。
清郎は続けた。
「族写真をそのまま残せと言っているんじゃありません。失敗した写真だから、父が嫌ならには見せなくていい。
でも、伯父が写ったものまで全部なくす必はないといます」
源蔵は黙っている。
「宗吉伯父は、こののでしょう」
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