"十六歳の毒薬花嫁" 第9話
「義母、が見ています」
「構いません。私は、目を閉じてきてきました。薬がおかしいとじても、蔵に実の借財証文を握られていたから黙った。あなたが違うと言ったも、あなたを責めました」
澄が針箱を差しすと、凛の指が震えた。濡れたの匂いを嗅いだだけで、何が起きたのか分かったのだろう。
「今からでも、できます」
凛は箱を胸へ抱えながら言った。
「私は何をすればよいのです」
「若旦様はきていますか」
「きています」
凛は澄の荒れたを取った。
「それで分です」
はそので役のへた。凛は野が藩へ納めた薬の数量と、藩側に残っている封印済みの受取記録を照してほしいと申した。もし数が致しなければ、その初めて自分の話を聞いてほしいとをげた。
「致したなら、どうする」
役に問われ、凛は度だけ息をえた。
「そのは、父が罪だったと認めます。ですがい違ったなら、吉の名をもう度調べてください」
役はしばらく凛を見つめた、記へ帳面を持ってくるよう命じた。
野のが再びきくくまで、あとだった。
役所が調べを始めたという噂は、へすぐ広がった。蔵もただ待っていたわけではなく、野の帳に残した偽帳簿をえ、入りの商へ止めをして回った。
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自分が本物の帳簿を焼いたと信じているため、表向きには以と変わらぬ余裕を保っていた。
方、凛と澄にはまだりないものがあった。藩の受取記録と野の帳面がい違えば正の疑いはまれるが、誰が薬を抜き、どこへ流したのかまでは証できない。まして湊にませていた薬と結びつけるには、さらに別の証言が必だった。
最初にいたのは、川沿いの薬種・青だった。凛が事を説すると、老はしばらく黙っての奥へ入り、古い箱から封印のついた薬包みをつしてきた。いずれも藩へ納められるはずの等な薬で、裏の流通からく仕入れたものだという。
「この、々入ってきた。仕入れ先は毎回違う男だったが、元をたどれば同じところへき着く。あんたが棚の偽物を全部見抜いたから、いつかこれをすことになる気がしていたよ」
青は薬包みを役所へ持っていくことを約束した。凛が「危険です」と止めても、老は「の娘が危ないへ嫁いだで、過ぎの男が危険を怖がるのもみっともない」と笑った。
次に戻ってきたのはキヌだった。野を追いされて以来、親類のへを寄せていたが、台所にった自分なら薬の匂いや煎じたの変化について証言できると申した。
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字を読めないことを蔵に何度も馬鹿にされてきた女だったが、「読めなくても、毎鍋を洗ったは覚えております」と言った。
澄も、自分だけが持っていた記録を差しす決をした。、玄庵へ支払った薬代をごとにき留めた帳面と、に蔵から渡された実の借財証文だった。蔵はその証文を理由に「本が傾けばおの実も潰れる」と澄を脅し続け、向きの帳へをさせなかった。
最まで姿を見せなかったのは茂だった。凛は彼が蔵へ従ったのだとっていたが、公の調べがわれる、役所の裏にきな呂敷包みを抱えて現れた。には、蔵が燃やしたはずの分の帳簿が入っていた。
「父が焼いたのは控えです。本物は私がすり替えました」
茂はそう言うと、くをげた。父の正に気づきながら以黙っていたこと、自分も野の利益で活してきた以、無関係とは言えないことを認めた。そのうえで、処罰されてもよいから帳簿だけは調べてほしいと頼んだ。
凛は以、町でをつけた理由を尋ねた。茂はし迷ってから、蔵に「嫁が何をしているか見てこい」と命じられたのだと答えた。役所の札ので凛が父の名を見つめていたことも見たが、それを蔵へは告げなかった。
「なぜですか」
「もし義姉がみだけでいていたなら、父へ言ったといます。
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