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"爪の綺麗な中卒娘、奇跡を起こす" 第6話

逆に構造をシンプルにすれば、今度は必度がりなくなる。この、毎晩のようにゼロからやり直してきたが、のない迷をさまようようだった。 「もう度、根本な素材の組みわせからパターンを洗い直すか……」 松永の声には、かすかな絶望のがにじんでいた。 「そんなの、先週も先々週もやり尽くしましたよ……」 若スタッフが疲れ果てた声でうなだれた。松永はい息を吐きし、井を仰ぎながら子の背もたれにぐったりと体を預けた。

その、静まり返った廊に、カツカツと控えめな音が響いた。 残業の片付けを終えて帰宅しようとしていた凜だった。設計を通りかかった際、け放たれたドアの隙から、机のに広げられた巨な図面がチラリと界に入った。彼女のが、わずぴたりと止まった。 凜のきな瞳が、図面の細部を素くスキャンするようにき始めた。複雑な数値の羅列を追い、設計の線を追い、力の伝達構造を瞬に脳内で組みてていく。設計の専な教育を学で受けたことなど度もなかった。しかし、彼女には幼い頃から、数字や物理構造がな映像としてすという、特異な覚が備わっていた。パズルのピースが音をてて噛みうように、で図面が変形し、振誤差を引き起こしている根本な原因が鮮やかに浮かびがった。

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凜は設計の入ち尽くしたまま、どうすべきか激しく迷っていた。ここに入っていくべきか? 自分のような卒の雑用係がを挟んでいい問題ではないはずだ。松永にはこれまで何度もたくあしらわれてきたのだから。 「……何か、見えたか?」 背から、くよく通る声がってきた。 驚いて振り返ると、そこにはいつのにか作業着姿のまま腕を組んでっている誠郎の姿があった。彼もまた、毎晩のようにの隅々まで見回る巡回の途だったのだ。 誠郎は迷うことなく設計のドアを押しけた。松永がびくりと振り返り、凜の姿を認め、次にその背にいる社の顔を見げて息を呑んだ。 「社、いったいなぜ彼女を……」 「に入って、話を聞かせてやりなさい」 誠郎は部の隅のパイプ子に腰をろすと、それ以何も言わなかった。

凜は覚悟を決めたように、歩だけ設計へとを踏み入れた。図面が広げられた巨な机のに歩み寄り、震える指先でその部を指し示した。 「……この、振誤差の原因なんですが」 凜の声はしだけ震えていたが、その瞳は澄み切っていた。 「このアルミと特殊スチールの接部、それぞれの膨張率の微妙な差が、稼働の微な振を逆に増幅させてしまっているんだといます。

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部の角度をわずか度だけずらし、さらに指定メーカーの特注ゴムパッキンを枚挟み込むだけで、誤差は基準値をきく回るはずです」

設計の空気が、完全に凍りついたように静まり返った。最初に沈黙を破ったのは、若い設計スタッフだった。 「な、なんだって……? そんなのどこで習ったんだよ!」 「……どこでも、習ってません」 松永がガタッと勢いよく子を蹴ばしてがった。 「社、これはいくらなんでも冗談がきつすぎます! うちのチームの優秀なを悩ませてきた問題だぞ。それを、現経験すらない卒のアルバイト崩れに、こうしてポンとされる筋いはありません!」 「……実際に、卓を叩いて計算してみなさい」 誠郎は静かに、しかし絶対な拒絶を許さないトーンで言った。 「しゃ、社、計算って言われても……」 「今すぐ、計算して確かめてみろと言っている」 松永は自分の唇を悔しそうにギュッと噛み締めた。腹の底からりが込みげてきたが、目のにいる誠郎の瞳があまりにも真剣で、気迫に満ちあふれていたため、それ以反論することができなかった。

松永は渋々といった様子で元の卓をに取り、猛烈な勢いでボタンを叩き始めた。若いスタッフも慌ててパソコンのシミュレーション画面に向きう。

緊迫したが過ぎ、さらに分が経過した。

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