"没落夫と偽りのお嬢様が堕ちた地獄" 第3話
両親も賛成だってよ」
「お母さんたちも?」
「そうだ。彼女の先祖は華族だったらしい。うちと同じなんだよ。今は別に裕福ってわけじゃないけど、柄をする両親は、彼女の方が嫁にふさわしいってさ。だから、おとは婚な」
カズシの隣で、女が勝ち誇ったように笑みをめた。リエはその滑稽な組をたい目で見つめ、く息を吐きした。
「婚、別にいいけど」
カズシは拍子抜けしたように目を丸くしたが、すぐに嘲笑を浮かべた。
「話がくて助かるわ。っていうか、おも分かってたんだろ。俺のおに対するはとっくにめてるって。婚したくないなんてゴネるようだったら、無理やりから追いすしかないかなってってたから、よかったよ」
「まあ、私もめてるからね」
リエは淡々と言葉を返した。
「なんか、柄とかくだらないこと言われるのもうんざりしてたし」
「たよ。そういう負け惜しみは言うなって」
カズシはを鳴らし、腕を組み直した。
「俺はてっきり、おが帰国子女っていうステータスを持ってるとってたから、今までは何とか嫁にしておく理由があったけどさ。それが嘘だと分かった以、おを嫁にはしておけないんだよ」
「あっそ。説するのも面倒だし、それでいいや。じゃ、婚ね」
リエが踵を返そうとすると、カズシは背から嘲笑を投げかけてきた。
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「いいや、いいや。説するも何も事実だろ! 企業で働き続けてたらまだ許せたのにな。くだらない理由で企業との関係も断ち切っちゃうし、アホだよな。つうかさ、会社に文句言ってカッコつけてたけど、本当は仕事できなくて解雇されただけなんじゃねえの? だとしたらダッサ!」
ち止まったリエは、ゆっくりと振り返り、徹な線をカズシに据えた。
「はいはい。じゃあそれでいいよ。今のカズシはい込みで野が狭くなってるみたいだし、話したって無駄だろうから」
「負け犬の吠えが!」
リエはふっと元を緩め、皮肉な笑みを浮かべた。
「あんたこそ、よく喋るよね。『言葉きは品なし』って言葉、ってる? 読める? わかる?」
「何だと!? 俺を愚弄してんのか? バカにすんな、それくらい分かる!」
「分かるのに、随分ペチャクチャとするんだね。その女もペラペラと私のこと々話したみたいだけど……果たしてそこに真実はあるのかしらね」
リエはそれ以何も言わず、背を向けて歩きった。
婚の続きは驚くほど速やかに完した。リエは際よく荷物をまとめ、かつて暮らした部をにした。それから数ヶが経ったある、リエのスマートフォンがい子音を鳴らした。画面にはカズシの名が表示されている。
『結婚式の取りが決まったぜ。
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しい妻がおのこと、結婚式に招待してやってもいいってさ。恥をかくだけだとうけど、来るか?』
見すような文面に、リエは呆れながら指を滑らせた。
『けない。忙しくて、しばらく本には帰れないし』
すぐにカズシから返信が届く。
『あ? 本にいないの?』
『いないよ。会社辞めて婚もしたから、度アメリカへ戻ろうかなとって。そっちには友達もたくさんいるし、会いたいもたくさんいるから、に帰ってきたの』
数秒のを置いて、苛ちの滲むメッセージが連投された。
『は? おい、まだそんな設定続けてんのか。いい加減恥ずかしいからやめとけって。イキってんのか? アメリカにんでたってのは嘘だって分かってんだぞ』
リエはさく息を吹きし、文字を打ち込んだ。
『ああ、そうだった。あんたは私の経歴を嘘だとってるんだっけ?』
『ってる、じゃなくて事実だろ!』
『まあ、そうっておけば。とにかく結婚式は慮しておくわ。……そういえば、浮気相のことをいしたよ。いや、厳密にはいしてないけど』
『あ?』
『実に戻ったに、昔の写真を漁ってみたんだよね。そしたらのの写真がてきてさ、彼女も写ってたよ』
画面の向こうでカズシがめきつ気配が伝わってきた。
『ほら見ろ! やっぱり帰国子女ってのは嘘なんじゃないか! 自分で認めたな!』
『はい? 認めてないけど』
『だってお、昔俺に言ってたぞ! 本に帰国したのはのだって!』