"没落夫と偽りのお嬢様が堕ちた地獄" 第15話
『そう……私が原因って言ったんだ』
『そうだ。だから「おとはさっさと別れろ」ってさ』
『そっか。お母さんがそう言ったんだ』
『何だよ、母さんが嘘ついてるとでも言いたいのか?』
ミクはそれ以反論する気力を失っていた。
『別にもういいよ』
『おさ、検査結果がてから母さんに相談したんだってな。実母は界してもういないから、同性の母さんにまず話してみたってことだろ。でも母さんは俺の親だ。およりも俺の肩を持つに決まってるだろう。おがアホみたいに母さんに相談してくれてよかったよ。おかげで俺はいちく母さんから「欠陥品を捨てろ」とアドバイスもらえたんだからな』
画面を見つめるミクの瞳から、完全にが消えった。
『そっか。なるほどね。じゃあもう婚でいいや。その代わり、慰謝料は払わないよ。私は何も悪いことしてないもん』
『はあ? ……まあいいだろう。おとはさっさと縁切りたいからな』
こうしては正式に婚した。
それからが経ったあるの午、ミクがとある総病院の産婦科の待に座っていると、突然背から聞き覚えのあるな声がかけられた。
「おい、ミク! まさか産婦科でおにぶりにばったりくわすとはな。てかお、子供産めないくせに産婦科に何の用だよ」
振り向くと、そこにはし派なスーツを着たリツがっていた。
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ミクはたい線を向け、元の雑誌に目を戻した。
「あんたに関係ないでしょ」
リツは隣の空席に腰をろし、馴れ馴れしく肘をついてきた。
「おいおい、何だよ。せっかく連絡してやったのにたいなあ」
ミクは雑誌を閉じ、まっすぐにリツを睨みつけた。
「した用がないなら話しかけてこないでよ」
「いや、ちょっと待てって。せっかくだから報告してやるよ。縁起のいい話をな」
「縁起のいい話?」
リツは自げに胸を張った。
「あの、すぐ再婚したんだよ。しかも、しい嫁がすぐに妊娠してくれたんだ! やっぱおと婚して正解だったわ!」
「へえ、そうなんだ」
ミクのい反応に、リツは嘲笑をめた。
「てか、お諦め悪すぎ。妊女が何してんのってったわ。まだ妊治療を続けてたんだな。そういうの、無駄な努力って言うんだぞ」
「別に治療で来てたわけじゃないけど」
「またまた! 無理しなくていいって。ま、おとは無理だったけど、しい嫁とは相性バッチリでさ。俺の子は元気に育ってるよ。おみたいな欠陥品捨てて、若い嫁もらってマジで良かったわ! もうすぐ俺、パパだぜ!」
「あっそ」
「おいおい、もうちょっと楽しそうに聞けって! 嫁は俺よりも歳も若いだ。母さんに紹介されたんだけど、目惚れされちゃってさ。男ってモテるんだよなー。ま、とにかく俺は幸せにやってるぜ。
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欠陥品のおには来ない幸せだろうけどな!」
ミクはリツの顔をじっと観察し、静かにをいた。
「ねえ、つ聞いていい?」
「何だよ」
「その子、本当にリツの子かしらね」
リツの笑顔が消え、眉が吊りがった。
「……はあ!? 何言ってんだ、当たりだろ!」
「本当に、ちゃんと確認した?」
「おいい加減にしろよ!」
リツはちがり、周囲の目を憚らずに鳴った。
「俺の幸せが羨ましいからって、そんな失礼なこと言うなよ! 隣で嫁もってるぞ!」
ミクはリツの隣、しれたベンチに座って俯いていた派なメイクの若い女性に線を向けた。女性は顔を青ざめさせ、激しく刻みに震えている。
「ってるんじゃなくて、焦ってるんじゃないの?」
「あ?」
ミクは穏やかに、しかし待に響く確な声で告げた。
「私、回も同じに来院してたの。その、あんたの嫁は診察ので、担当医相に喚いてたよ。診察のにいるみんなにも聞こえるような声でね」
リツは狼狽した。
「え……何で?」
「『旦に父親が別だってバレないように協力してくれ』って」
待の空気が瞬にして凍りついた。リツの顔から血の気が引いていく。
「お医者さんも困ってたよ。『そんなの無理です』って」
「な……何言ってんだよ! そんなわけ……うちの嫁じゃないだろう!」
「絶対、あなたの隣にいる嫁で違いないよ。そんな派な、めったに見ないからね」
リツは隣の妻を振り返ったが、妻は顔を伏せたまま何も答えない。