"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第10話
義母はあらかじめ用していたかのように即答した。
「あと25万円、送っておくれ」
私は端末の画面を見げた。
報告の数字が点滅している。
25万円は、野菜を買うように気軽に求できる額ではない。
しかし義母は、私がボタンを1つ押せば簡単におがてくるとでもっているようだった。
平然とした調だった。
「そんなに急いで、何にお使いになるんですか」
私は尋ねた。
義母は声を荒げた。
「理由なんて聞く必ないだろう」
彼女は正当化する。
「田舎の付きいは都会とは違うんだ。内のことで々とあってね」
彼女は脅すように言った。
「親戚の、嫁が姑に苦労させているとられたら笑い者になるんだよ」
私はので笑った。
どこにっても同じだ。
はが自分の描いた通りにかないと嘲笑する。
しかし私はそれをにさず、ただこう答えた。
「わかりました。その件はさんと相談してみます」
義母はすかさず威圧してきた。
「相談なんていらないよ」
彼女は命令する。
「あんたが本当に夫をしているなら、内儀の子ってものをわきまえな」
義母は続ける。
「の稼ぎで親の世話をするのは当然だ」
彼女は声を尖らせた。
「あんたがをし惜しぶっての顔にを塗るような真似はするんじゃないよ」
顔にを塗るという言葉を聞いて、義母の本当の目が透けて見えた。
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おが必なのではない。
親いの派な息子という名誉が輝き続けることが必なのだ。
その名誉のために誰が代償を払うかなど、彼女には関係のないことだった。
義母はさらに声をくした。
しかし酷に付け加えた。
「あんた、そっちで監査とやらをやっているからって、が良いつもりだろうけどね」
彼女は私を牽制する。
「のにがつのは結構だが、のではの序列ってものがあるんだ」
義母は凄んだ。
「これ以私に、きついことを言わせないでおくれ」
彼女がどこまできついことを言うつもりなのかは分からない。
しかし、もし私がここで反発すればどうなるか。
嫁が反抗した、嫁が姑を侮辱したという、たな物語が作られるだけだ。
だから私は別のを選んだ。
礼儀正しく、ただ言だけ。
「おっしゃるは理解いたしました」
義母は私が折れたのだとい込み、押しした。
「今の夕方までに送しな。2度も話させないでおくれよ」
私は通話を切った。
画面に触れたままの指先はえ切っていた。
おを求されたからではない。
まるで私が窓の員で、彼女が権力を振りかざす常連客であるかのようなその態度。
それにを浴びせられた気分だった。
私は1分ほどそのまま座っていた。
先ほどの通話を記録した音声保の画面をく。
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慎に保護をかけた。
誰かを罠にはめる趣はない。
ただ、職業柄嫌というほど分かっているのだ。
言葉はのように消え、証拠だけが残る。
確かな根拠がなければ物事はかない。
それは族のでも同じことだ。
私はちがり、温かいお湯をコップに注いだ。
んでから再び席に着いた。
すぐにに話して論を始める代わりにした。
計簿のファイルをいた。
そこに1だけしい記録を打ち込んだ。
『野の義母より追加で25万円の送求あり』
打ち終えても気はれなかった。
むしろ奇妙な違があった。
この求があまりにもく、あまりにも滑らかで、あまりにも自然だったからだ。
田舎で暮らす母親が本当にただの薬代や活費を求めているなら、こんな言い方はしない。
これほど命令調で、あらかじめ脚本が用されているかのような求はしない。
私は結論を急がなかった。
監査としての直に従って作業を始めた。
最の取引記録、のな送履歴。
のでそれらが1つの対照表として組みがっていく。
どこかにズレがあるなら、必ず数字が教えてくれる。
そのの午も、私は何事もなかったかのように仕事を続けた。
会議に席し、子便の返信をした。
しかし私ののさな階段は、すでに1段りていた。
今から私は、親孝の物語をで聞くのはやめる。
数字を通して聞くことにした。