"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第13話
そして真っ直ぐにつためには、まず現実を直しなければならない。
私は台所にき、いお粥を作った。
彼に同したからではない。
自分自のを静に保つためだ。
粥にしの姜とネギ。
本の質素な事だが、これがお腹に入ると焦りがしらぐ。
私は2つの器によそい、卓に置いた。
「しべなさいよ」
私は言った。
は答えなかった。
振り返った彼の目は、先ほどよりも赤く充血していた。
邪のせいか、それとも別の理由か。
私は向かい側に座った。
以のような甘い夫婦の言葉遣いはやめていた。
だが、相を追い詰めるような酷な声もさなかった。
ただ、話しいをするための落ち着いた声で言った。
「度だけ聞き直すわ」
彼を見る。
「あなたが送っているおは、誰かの借を返すためなの?」
彼は乾いた笑いを漏らした。
が擦れうような嫌な音だった。
「君はすごいな。監査の仕事をしているからって、のでも尋問か」
私は真っ直ぐに見返した。
「のでおの流れをはっきりさせないなら、のたちがもっと厳しい方法でにさせることになるわよ」
は匙を握りしめた。
そして、力なくをした。
顔をげた彼の目に、もう逃げる様子はなかった。
しかしそこに浮かんでいたのは、静ではなく完全に疲弊しきっただった。
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「本当に聞きたいのか?」
掠れた声で彼が聞いた。
「最初から、本当のことしか聞いていないわ」
は唾をみ込んだ。
「健太が……あいつが借を抱えたんだ」
私は驚かなかった。
対照表の正しい項目を見つけたのように、ただ頷いただけだ。
「いくら?」
はその数字が自分の面子を潰すとでも言うように、唇を噛んだ。
そして掠れ声でに言った。
「600万円だ」
私は匙を置いた。
田舎のなら、を売ってもすぐに用できるか分からない額だ。
私は彼を見て、ゆっくりと尋ねた。
「何の借?」
はすぐには答えず、目を逸らしてから言った。
「最初は賭け事だったらしい。負けが込んで悪質な業者から借りて、自転操業になった」
彼は肩を落とす。
「母さんは所にられるのを恐れて、世にを塗らない俺に肩代わりしろと言ってきたんだ」
世にを塗らないため。
その言葉を聞いて、胸が詰まるいがした。
田舎の体面というものは、として族の全優先がある。
その体面を守るために、体誰が代償を払うというのか。
「つまり、あなたが今まで送っていたおは、全て健太の借の利息を払うためだったの?」
は頷き、肩を落とした。
「母さんに渡りがなかったんだ」
彼は顔を覆う。
「業者に脅されて、のに嫌がらせをすると言われて、夜も眠れなかったらしい」
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私はい息を吐きした。
義母を侮辱する気はない。
ただ本質をはっきりとにした。
「分かっているの?」
私は告げる。
「あなたはそれを親孝と呼んでいたけれど、実際は底なしの穴におを注ぎ込んでいただけよ」
彼を見つめる。
「注げば注ぐほど、穴はくなるのよ」
は机をく叩いた。
お粥の器が震えた。
「そんなこと、俺だって分かってるさ」
彼は叫ぶ。
「でもあいつは俺の弟なんだ。血を分けた族なんだよ」
私は揺れる面を見つめながら、さくしかしはっきりと告げた。
「血が繋がっているからと言って、族全員を沼に引きずり込んでいい理由にはならないわ」
は子に崩れ落ちた。
両でを抱えた。
い沈黙の、顔をげ、すっかりトーンの落ちた声で言った。
「みさき、頼む。助けてくれ」
私はすぐに答えず、彼が話し終えるのを待った。
彼は言葉を吐きすように言った。
「さっき母さんから話があって、業者が取りてに来るらしい」
彼は懇願する。
「追加でおを払わないと収まらないそうだ。250万円……君がしてくれないか」
彼はすがるように言う。
「これで旦彼らに払って、俺はまた1からやり直す。約束する」
私は彼を見た。
その瞬、はっきりと分かったことがある。
彼は私のためでもなく、私たちのさな族のためでもなく、義のためでもない。
ただ、恐怖から私に懇願しているのだ。
恐怖に駆られたは、平気で切なものを差しす。
私は単刀直入に聞いた。