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"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第18話

曖昧なに流されて自分を沈めることなく、理性を保って自分の領域を守り抜くという決の静けさだった。

その夜、は最の希望にすがるような取りでていった。

私は呼び止めることも、方を聞くこともしなかった。

机を片付け、類を鍵付きの引きしにしまい、呂に入った。

温かいお湯が肩を流れても、私のめたままだった。

結婚活というものは、耐えれば丸く収まるといがちだ。

だが耐え続けた結果、相はこのには境界線がないと勘違いしてしまう。

自分が無限のゴミ箱になるような忍耐ではないのだ。

夜の10く、私の携帯話が鳴った。

ではなく、実の母のえみ子からだった。

「みさき、今にいる?」

母の声はさかった。

「ええ、いるわよ」

母は呼吸を置いてから言った。

「さっきさんが来て、お父さんと話をしてたのよ」

驚きはなかった。

「お父さんはなんて言ってたの?」

母はため息をついた。

「お父さんは鳴ったりはしなかったわ。でも、はっきりと聞いたの」

私はそれを聞いてしたわ。

父の茂は涯教師を務めただ。

になって暴言を吐くようなではない。

だが物事の正邪を目で見抜く力がある。

母は涙で騙せても、父の目は誤魔化せない。

母は私が傷つくのを恐れるように、ゆっくりと語った。

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さんはね、あなたが事を荒てて、自分のメンツが丸つぶれだって言ってたわ」

母は続ける。

「あなたを宥めて欲しいって、お父さんに頼み込んでた」

私はたく笑った。

メンツ。

250万円を無断で引きしたはメンツなんて気にしなかったくせに。

類が届いた途端にメンツを気にするのか。

「お父さんは彼に、まずそこに正座しなさいと言ってからこう聞いたのよ」

母は父の言葉をなぞる。

「妻のを無断で持ちすことを、君の会社では何と呼ぶんだね。って」

母は続けた。

さんは言葉を濁して、母親が追い詰められていたからだって言い訳したわ」

母は息を継ぐ。

「そしたらお父さんは言ったの」

母の声がくなる。

「追い詰められたなら君が働き、君がを借り、君が持っているものを売るべきだ。自分に権利のないものにしてはならない」

父の言葉が響く。

内の恥を隠すために娘の尊厳を犠牲にするような男を、私は絶対に許さない。って」

それを聞いて、の奥がツンとした。

れんだからではない。

私が声を張りげなくても、真っ当な正論の側にっているが初めて現れたからだ。

母はさらに言葉を継いだ。

「お父さんはこうも言ったの」

「親孝な息子であるのは結構なことだ。だがその代償を妻のや妻の尊厳、しい族の全で支払わせようとするなら、それは親孝ではない。

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ただの利己主義だ。って」

私はしばらく無言になり、それから答えた。

「お父さんがそう言ってくれたのは、私のことを切にってくれてるからね。分かってる」

母はしだけ声の緊張を解いた。

さんは顔面蒼で、自分の仕事に響がないようにしてくれって頼んでたわ」

母は教えるように言う。

「お父さんは、君の仕事の評価は君自が作るものだ。違ったことをすれば結果がついてくる。自分の名誉を守るために私の娘に責任を負わせるな、って突っぱねたわ」

私は静かに言った。

「お母さん、配しないで」

私はさせるように言う。

「無理な真似はしないから、ただ自分の権利を守っているだけよ」

母は「そうね」と優しく相槌を打った。

「無理しないで、体を壊さないようにね」

話を切り、私は布団のにじっと座っていた。

には音はない。

だがこの空に恐怖はじなかった。

1つだけはっきりしているのは、彼がいくらげて回ろうと、250万円という負債は消えずにそこにあり続けるということだ。

くになって、扉がが帰ってきた。

のような気な姿は見るもない。

入るべきか迷っているかのように、玄関に数秒ち尽くしていた。

「みさき」

掠れた声で呼ばれた。

私はすぐには振り返らず、拭いをきちんと畳んでから彼を見た。

「おかえり」

彼は教壇にたされた徒のように、子の端に腰をろした。

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