みかん小説
本棚

"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第20話

私は勝利よりも、ただだけをじていた。

なくともこれからは、約束に振り回されることはない。

私はを挟み板にしまった。

それから彼を見据え、くないがはっきりとした声で言った。

「あなたは父親になることをべばいい」

彼を見つめる。

「でも私は、自分の子供が規律と互いの尊があり、誰かが勝に物を持ちさないで育つと確信できたに、初めてべるのよ」

は頷き、目を赤くした。

それがが子へのからなのか、失った権力への未練からなのかは分からない。

ただ1つ確かなのは、2本の赤い線を見た瞬から、私はもう自分のだけできることは許されないということだ。

子供にとって何が最善か。

それだけを基準にしてきなければならない。

あの以来、私の部には目に見えないが誰もがじるものがしていた。

規律だ。

はまだ私の夫だが、私たちのにはピンと張られた糸のような境界線があった。

彼は仕事にき、に帰り、数を減らした。

私も以のように、のない世話で空気を温めようとはしなかった。

度入ったヒビは、笑い声なんかでは修復できないとっていたからだ。

焦って表面だけを取り繕えば、壁の塗装はかえってく剥がれ落ちるだけだ。

私は自分の妊娠期を、1つの管理計画のように捉えていた。

広告

朝は軽く麦の粥と牛乳、果物などを摂る。

お昼は定で魚や豆腐などの体に良いものを選んだ。

夜は簡単に野菜の汁物やの肉料理を自炊した。

特別な栄養にこだわることはしなかった。

切なのはしっかりと眠り、呼吸をえ、無理をしないことだと分かっていたからだ。

はそんな私の事を見て、満げに言った。

「君は何をするにも規則通りだな。妊娠でさえも」

私は箸を置き、平然と答えた。

「危険を減らすためよ」

彼を見る。

「お腹の子には、のせいで危険にさらされる理由なんてないから」

彼は黙った。

そういう、彼が2つの圧のに挟まれているのがよく分かった。

からの圧と、私が締め直した全帯だ。

自由にり回っていた全帯を締められれば、息苦しくじるのは当然だ。

静かなが続いた、彼の携帯話が頻繁に鳴るようになった。

に画面を見て顔を背けたり、夜に窓際へ声で話したりしていた。

「急ぎだ」「待ってくれ」といった言葉が漏れてきた。

私は何も聞かなかった。

を尋問部にするつもりはない。

ただ、彼の沈黙が反省の沈黙ではなく、たな圧を隠すための沈黙に変わっていることだけは記録しておいた。

妊娠の定期に入った頃、義母から話があった。

広告

私は礼儀正しく「はい。みさきです」とた。

義母は挨拶もそこそこに、借の取りのような調で言ってきた。

「みさきさん、本当のことを言いなさい」

義母は凄む。

「今の送はどうなってるんだい?」

私は焦らずに答えた。

さんの与のことは、彼自に任せています」

義母はを鳴らした。

「任せてるってのに、なんでまだこっちに届かないんだい」

彼女は苛たしげに言う。

「あんたに言っておくけどね。田舎じゃもうにまでが来てるんだ」

義母は嘆く。

「私の顔は丸つぶれだよ」

「顔が丸つぶれ」という言葉を聞いて、私はどっと疲れた。

子供のより、自分の世体を気にするがいるのだ。

私はゆっくりと言った。

「お義母様、健太さんの借について、私は切関わりがありません」

私は淡々と言う。

「今は妊娠静にしなければならないので、お話があるならさんにお願いします」

義母は途端に声を荒げた。

「その言いは何だい」

彼女は鳴る。

「嫁の分際で責任逃れをする気かい」

私はいが、はっきりとした声で答えた。

「責任逃れをしているわけではありません」

私は言い放つ。

「私の責任ではないものを引き受けないだけです」

さらに続ける。

「自分のやったことの責任は自分で取る。それが世の理ですよ」

義母は瞬言葉を失い、それからさらに辛辣な声をした。

声ではないが、を刺すような声だ。

「子供ができたからって、何でも自分のい通りになるとってるのかい」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: