"四十七万円を母に送った夫への逆襲" 第32話
「あの夜、もし私があなたの言う通りにしていたら、みおは今きてここにいたでしょうか?」
義母は言葉に詰まった。
が横からをそうとした。
「みさき、妄の話は……」
私は即座に遮った。
「あなたたちが忘れないように、何度でも言うわ」
私は2を見る。
「1度信用を失ったを、どうして2度も信じられる?」
私ははっきりと言う。
「子供の命を試作品のように扱うになんて、この子を置いておけるわけがない」
は古い言い訳を持ちした。
「結婚している以、おは夫婦のものだ」
彼は弁する。
「それを盗んだと騒ぐなんて、君は計算すぎる」
弁護士は赤い印のついた取引細を机に置いた。
私が声をげる必はなかった。
数字が全てを語り、が真実を証していた。
提した画の記録が読みげられた。
調の部はを打ったように静まり返った。
義母が玄関を塞ぎもみいになり、「を呼んでしつけ直してやる」と脅す様子。
それは私がこれ以説するまでもなく確だった。
画面を見るの顔は真っだった。
彼らが番恐れているのは「精神が違っているか」ではない。
真実がるみにることなのだと、私はそのはっきりと理解した。
最終にに署名がなされた。
みおの親権は私になった。
は決められたにのみ子供と面会できる。
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が、野の実へ連れてくことは禁止され、私か保護者のち会いなしに義母を接触させることも禁止された。
250万円は彼個の借として確定し、分割で返済されることになった。
夫婦の共財産についても、彼の資産隠匿と横領為、そして児への危険為が認められ、私に利な割で分割された。
は震えるでサインした。
義母は子に崩れ落ち、声をして泣くこともできず、ただ息を荒くしていた。
息子のでの絶対な権力。
彼女が握りしめているとっていたものが、からこぼれ落ちた瞬だった。
その、野の実も穏やかではなかった。
健太は借の取りてに遭い、や派な装飾品を売って返済に充てなければならなくなった。
贅沢に慣れていた桜も急にしくなり、調子の良い「援助して」という言葉は2度とにしなくなった。
そしては、会社での信用失墜と引く調査の結果、元の役職を追われることになった。
のは器のようなものだ。
を注ぎすぎれば溢れす。
溢れたはどう拭き取ってもシミが残る。
私は彼らを呪いの言葉で追い詰めるような真似はしなかった。
ただ必な境界線を引き、そこでち止まっただけだ。
は因果応報、彼らが自分で蒔いた種を刈り取るだけだ。
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数ヶ。
みおがしきくなった頃、私は仕事に復帰した。
を抱えながら誰かので働き続けるのはもうやめたかった。
資を集め、内部統制と監査のさな相談事務所をちげた。
企業を相に、私が番得なこと。
彼らが危険にみ込まれるに、その危険を化して防ぐ伝いをする仕事だ。
事務所の名は「平穏」と名付けた。
見栄を張るためではない。
平穏な々というものは、自分から積極に築きげなければならないものだという自戒を込めて。
ある夕方。
みおの予防接種の帰りにへ寄った。
ほうれんと魚を買い、娘のためにオレンジも買った。
野菜売りのを通りすぎた、ふと見覚えのある姿が目に入った。
以より背が丸くなった義母が、萎びた野菜を選んでいた。
彼女は私の線に気づいたが、目を逸らした。
私は歩み寄ることも、言葉をかけることもしなかった。
ただ、抱きしめているみおのさな体をさらにく抱き直し、そのまま歩き続けた。
私ののにもはや憎しみはなかった。
ただ1つの確かな真理があるだけだ。
を蔑ろにする者は、最終に孤独を刈り取ることになる。
その夜。
私はさな部に座っていた。
みおはすやすやと眠り、空気清浄が静かな音をてている。
黄の温かいかりが部を照らしている。
私は帳をき、1だけき込んだ。
『今から私は、約束ではなく自分の境界線を守ってきていく』
私が学んだ教訓はこれだ。
女性は、特に母親になったならば、しっかりと経済力を握るべきだ。
いざというの証拠を確保しておくべきだ。
そして、誰かがや族という言葉を盾にして、自分と子供の全を脅かすような真似を決して許してはならない。