"「一円もやらない」姑と二十六億円の遺言" 第2話
その莫な費用を誰がどこから支払っているのか。
そして、き義父が残した本当の遺産がどこにあるのかを。
私は病院のロビーにりつと、受付ではなく会計窓を素通りしてへと向かった。
自ドアを抜けると、のたいが私の頬を撫でる。
私はち止まり、く澄んだ空を見げた。
私のは、驚くほどれやかだった。
私は独り言のように、さくつぶやく。
「さあ、始めましょうか」
私はスマートフォンの画面を操作し、ある番号をタップした。
これから数、あの豪華な病にどのような激震がるのか。
自業自得という言葉を、義母たちがどのような形でることになるのか。
この、佐藤の々はまだ、自分たちがっている面がすでに崩れ始めていることに気づいていなかった。
私は静かに、ある続きを止めるための連絡を入れた。
それは義母の命を繋いでいる、唯の綱を切る作業でもあった。
通話を終えた私は、静かにそのをにした。
方、その頃の特別病では、やかな空気が流れていた。
男の嫁である恵子さんが、のりを漂わせながらきなソファにどっかと腰をろす。
彼女は16億円の豪邸をに入れた揚からか、その表には隠しきれない傲さが溢れていた。
恵子さんは苗さんに向かって、甘えるような声をす。
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「ふう、やっとせいせいしたわ。目障りなゆきさんがいなくなって、この部の空気もしは良くなったんじゃないかしら」
男の嫁の美咲さんも、10億円のの権利を鞄にしまい込みながら、うっとりとした表で苗さんにすり寄った。
「本当ですね、恵子さん。あんな、これといった取り柄もないががの員だなんて、今までが違いだったんですよ。お義母様、本当に英断でしたわ」
義母の苗さんはベッドので優雅にハーブティーをにした。
ここは流ホテルのスイートルームと見紛うほどの特別病である。
24の護体制、専属のシェフによる事、そして最先端の医療器。
その全てが、彼女の権力の象徴でもあった。
苗さんは誇らしげに胸を張り、を見つめた。
「あの子はね、結局うちの財産が目当てだったのよ。でも私の目は節穴じゃないわ。誰がこのに尽くし、誰がふさわしい継ぎか、ちゃんと分かっているつもりよ」
苗さんにとって、財産を与えないことは最の罰であり、財産を与えることは絶対な支配の証であった。
恵子さんはを乗りし、苗さんのを取った。
「お義母様、これからは私たちが全力でお守りしますからね。あのゆきさんみたいに、義務だけで顔をすような真似はしませんわ」
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美咲さんも負けじと苗さんに笑顔を向ける。
「ええ。恵子さん、もちろんですわ。からは私が特注のフルーツセットを持ってまいりますね。あ、それから来週の転院の続きですが」
美咲さんがそう言いかけただった。
コンコンと控えめながらも、どこか切迫したようなノックの音が病に響いた。
ドアがき、の男性が顔を覗かせる。
「失礼いたします。苗様の担当の医事課の者ですが、々おをよろしいでしょうか」
入ってきたのは、この病院の医事課だった。
いつもは慇懃無礼なほど丁寧な彼が、今はどこか顔を変え、困惑したような表を浮かべている。
苗さんは嫌よく彼を迎え入れた。
「あら、課さん。ちょうど良かったわ。これからの治療計画について、もっとグレードをげたいとっていたのよ。おに糸目はつけないから、最の薬を用してちょうだい」
苗さんが傲に告げると、医事課はさらに表を曇らせた。
彼は元のタブレット端末を握り直し、々しい調で答える。
「実は、その件でお伺いしたのです。先ほど、苗様の全ての医療費及び特別療養費の決済ルートについて、支払い止の連絡が入りました」
瞬、病が静まり返った。
苗さんは自分のを疑ったように、怪訝な顔で聞き返す。
「支払い止?何を言っているの。私の座から引き落とせばいいじゃない。それとも、続きのミスかしら」