"「一円もやらない」姑と二十六億円の遺言" 第6話
この病院の械が壊れてるんじゃないのか」
私はその様子を、しれた所から静かに眺めていた。
彼らが使っているのは、かつて義父が族カードとして発し、義母が管理していたものだ。
しかし、そのカードの本会員が誰であったか、彼らは理解していなかったようだ。
私はゆっくりと、彼らの背へ歩み寄った。
「健さん、それに夫さん。そんなところで騒いでも解決しませんよ」
が弾かれたように振り返った。
私の姿を見るなり、健さんの目が鋭くる。
「ゆき、おちょうどいいところに。恵子から聞いたぞ。お何か卑怯な真似をして、お袋の治療費を止めたそうだな」
私は静かに問い返した。
「卑怯な真似ですか」
健さんは歩にた。
「そうだ。おみたいな、どこの馬の骨とも分からない女が、父さんの遺産を隠し持っているんだろう。だから急に羽振りが良くなって、俺たちのカードまでストップしたんだろう」
健さんの号がロビーに響く。
彼は私を指差し、侮辱し始めた。
「体おは、結婚するから気に入らなかったんだ。でもなくて、ただ次男の嫁というだけでこのに潜り込んだ寄虫のくせに。貧乏の娘がうちの財産を掠め取ろうなんて片腹痛いわ」
夫さんもややかな線を私に向ける。
「ゆきさん、見損なったよ。
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お袋が病気で苦しんでいるに、おを盾に脅迫するなんてのすることじゃない。君の系はそんなに卑劣な教育をしてきたのかい」
親のことまで引きいにされた侮辱。
普通の女性ならここで泣き崩れるか、りでを忘れるところだろう。
しかし、私はただれみのこもった目で彼らを見つめ返した。
「健さん、夫さん。お言葉ですが、そのカードが止まったのは私がストップしたからではありません。単に効期限が切れたのと、引き落とし座の残がゼロになった。それだけのことです」
健さんは目をひんむいた。
「なんだと?残がゼロだと?馬鹿なことを言うな。あの座には父さんが残した数億円が……」
私は淡々と事実を突きつける。
「その数億円は、おの宅ローンの繰りげ返済や、奥様方の度なる旅、そしてお義母様の宝代に全て消えました。通帳の履歴をご覧になったことはないのですか」
は絶句した。
彼らは義母が無限におを持っていると信じ込み、その財布にぶらがってきてきたのだ。
私はさらに言葉を続けた。
「そして、そのカードの本会員はくなったお義父様ではなく、私の会社、ホワイトリーフの名義になっていたはずです。福利の環としてお義父様が契約されていたものですよ」
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健さんが呆然とつぶやいた。
「ホワイト……リーフ……」
それは、き義父が晩にちげ、急速に成させた産コンサルティング会社の名である。
義父の、その株の過半数は信頼できる実務者に譲り渡されたと、族には説されていた。
健さんは信じられないというように私を見た。
「まさか、おがあの会社の代表を……」
私は静かに頷いた。
「務めております。お義父様から経営の全権を託されました。お義母様や皆様にはただの秘業務を伝っているとお伝えしていましたが、これこそが私の秘密でした」
義父は、自分の息子たちの無能さと嫁たちの欲さを誰よりも理解していた。
だからこそ、会社の資産を彼らに渡せば、あっというにい潰されると予見していたのだ。
そこで義父は、に努力し、宅建士や税理士の資格を独学で取得していた私に、会社の全てを託したのである。
健さんは激し、を乗りした。
「嘘だ。そんなの認めないぞ。おが父さんをたぶらかして、遺言をかせたんだろ。この棒猫が」
健さんが今にも掴みかからんばかりにを伸ばした。
しかし、そのだった。
「そこまでになさい。病院内で暴力を振るうおつもりですか」
くな声が響き渡った。
現れたのは病院の院と、黒いスーツを着たの男性だった。
健さんが慌てて姿勢を正そうとする。
「院先……」
院の線は厳格だった。
「健様。あなた方の言はあまりにも目に余ります。