"「一円もやらない」姑と二十六億円の遺言" 第13話
それは、お義父様がいつか私がこの真実に辿り着くことを定して用しておいた、最の贈り物でした」
私は涙が溢れるのを抑えることができなかった。
「お義父様は罪滅ぼしのために私をこのに呼び寄せ、彦さんと結婚させたのですね。そして私に会社を継がせることで、ようやく肩の荷をろした」
自分はただの都のいい駒だとっていた期もあった。
義母や義姉たちに虐げられても、義父への恩義があるから耐えられた。
でも義父は、私のことを被害者としてではなく、正当な継承者として見てくれていた。
そのだった。
「そんな、まさか……じゃあ俺たちが今まで使ってきたは……」
いつのにか、事聴取を終えた健さんと夫さんが、警察官に付き添われてにりてきていた。
彼らも私の言葉を聞いていたようだ。
私は彼らに向かって、たく響く声で言った。
「お義兄様、あなたたちが贅沢昧をしていたおは、私の父が命を削って稼いだおだったんですよ。それを謝もせず当たりのように使い込み、挙句の果てには私を棒猫と呼ぶなんて」
美咲さんが突然、狂ったように笑いした。
「笑わせないでよ。何が正当な継承者よ」
美咲さんは私に掴みかかろうと暴れる。
「結局運が良かっただけじゃない。くなったお義父様に取り入って、過のみを握って。
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汚いのはあんたの方よ、ゆき」
美咲さんはすぐに警察官に取り押さえられた。
美咲さんは絶叫する。
「して。この女、全部仕組んでたのよ。お義母さんの治療費を止めたのも、こうやって私たちをに追い込んで秘密を暴くためだったんだわ。悪魔よ、この女は悪魔だわ」
彼女たちの絶叫がの壁に反響する。
しかしその声を聞いても、私のにはもう何の波もたなかった。
調査官の非な宣告がされた。
「ゆき様、ここにある資料及び証拠品は全て正式に押収いたします。また、健様、夫様、並びに恵子様、美咲様。皆様には横領及び贈与法違反の疑いで、署までご同を願います」
恵子さんが泣き叫んだ。
「待って、待ってよ。お義母さんは、お義母さんはどうなるのよ」
私は静かに答えた。
「お義母様は今この瞬、特別病から般病棟へ移されています。額400万円の治療費は、もう私の会社からは支払われません。これからはあなたたちが自腹でお義母様を支えていく番です」
恵子さんは顔を覆う。
「そんなの無理よ。おなんて銭もないわよ」
私は淡々と提案した。
「お持ちの宝やブランドバッグを売れば、数ヶ分くらいにはなるでしょう。それも差し押さえの対象にならなければ、のお話ですが」
私は父の写真を胸に抱き、をにした。
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背で続く親族たちの醜い罵りいと泣き声。
それを聞きながら、私はようやく自分を縛っていた『佐藤』というい鎖が、音をててちぎれていくのをじていた。
にると、夕暮れの空が真っ赤に染まっていた。
私はスマートフォンの画面を見た。
そこには、病院の護師からのいメッセージが入っていた。
『苗様がゆき様にお会いしたいと、ずっとお名を呼んで泣いていらっしゃいます』
私は瞬を止めた。
慈をかけるべきか。それとも、けじめはつけなきゃいけないわね。
私は自分のに乗り込んだ。
向かう先は、もう豪華なホテルではなくなった、殺景な般病棟だ。
そこで待っているのは、全てを失い、ただののった老となった義母だ。
これから私が彼女に突きつける最の真実が、物語のクライマックスへと繋がっていくことになる。
病院の般病棟。
4部の片隅、いカーテンで仕切られただけの空に、かつての女帝の姿はなかった。
苗さんはパイプベッドのでをよじりながら叫んでいた。
「痛い。体が痛いわ。誰か、護師さんを呼んで。くいつもの個に戻してちょうだい」
しかし、ナースコールを押してもやってくる護師さんは、以のように付きっきりで世話をしてくれるわけではない。
護師さんは淡々とした言葉で告げる。
「苗さん、静かにしてください。の方もいらっしゃるんですから。