"「一円もやらない」姑と二十六億円の遺言" 第22話
おかげで私は何の迷いもなく、あなたへのがん治療費と介護支援を止めることができましたから」
苗さんは絶望に顔を歪める。
私は淡々と告げた。
「今お義母様が受けていた未承認薬の投与は完全に止まっています。そして昨付で、この病院の未払い費用についても私の会社からの支払いは終しました。恵子さんたちがやを売っておを作らない限り、にはここを退院していただくことになります」
苗さんが叫ぶ。
「退院?そんな。というの?この体でどこへけというのよ」
そこへ追い打ちをかけるように、の女性がにづいてきた。
ボロボロになった姿の恵子さんと美咲さんだ。
恵子さんがヒステリックに声をげる。
「ちょっとゆきさん、待ちなさいよ」
恵子さんは私を睨みつける。
「あんたのせいであの16億円の、取り壊しが決まったわよ。盤沈の恐れがあるとかで、むことも売ることもできないなんて。その取り壊し費用を私たちが払えって、どういうことよ」
美咲さんも狂ったように私に詰め寄る。
「私のだってそうよ。壌汚染の除費用での価値以のがかかるなんて詐欺よ。これはお義母様とあんたが仕組んだ詐欺だわ」
私はの罵声を受け流しながら、静かに微笑んだ。
「詐欺ですか?いいえ。
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お義父様はただ、本当の価値を遺言に記しただけです。あなたたちはその表面の数字だけに目を眩ませ、を精査もせず、私を排除してまでその爆弾を奪い取った。ただそれだけのことですよ」
私は苗さんに線を向けさせた。
「お義母様ご覧なさい。あなたが番信頼し、莫な財産を分け与えた男嫁と男嫁の今の姿を」
恵子さんと美咲さんは自分たちの窮状を棚にげ、今度は苗さんに向かって罵倒を始めた。
恵子さんが叫ぶ。
「お義母様、あんたのせいよ。あんな呪われた財産を私たちに押し付けて。さっさと自分のへそくりをしなさいよ。さないならもう度と面会になんてこないわよ」
美咲さんも続く。
「そうよ。この役たず。私たちのを返してよ」
かつての理な義実の絆は、という接着剤が剥がれた途端、見るも無惨に崩壊していた。
自分たちが番がっていた嫁たちに罵られ、苗さんはただ声を殺して泣くしかなかった。
私は元で囁いた。
「スカッとしましたかお義母様」
苗さんは絶望に顔を歪めた。
これが、あなたが私に与えようとした結末の趣返しです。
「私はですからこれで失礼いたします。あ、それから」
私はバッグから通の封筒を取りし、彼女たちの真んに投げた。
「それはお義父様が私にだけ託していた、最終清算です。
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あなたたちがこれまで会社から横領し、使い込んできた額を私の会社が債権として買い取りました」
私は酷に告げた。
「今は私の会社の法務部が、あなたたちの料、、わずかな所持に至るまで、法に基づき徹底に回収させていただきます」
恵子さんが息を呑む。
「な、なんですって」
私は真っ直ぐに彼女たちを見据えた。
「逃げられるとわないでくださいね。お義父様の親友を裏切り、その娘である私を蔑んできた代償は、あなたたちのこれからの全てをかけて払っていただきます」
病の廊に私の凛とした声が響き渡った。
恵子さんは腰を抜かして座り込み、美咲さんは顔を覆って泣き叫んだ。
苗さんはただ震えながら私を見送るしかなかった。
私は彦と共に、ゆっくりと歩きした。
背から聞こえる彼女たちの醜い罵りいの言葉。
かつての私が受けてきた侮辱が、全て倍以のさになって彼女たちにり注いでいる。
私のは驚くほど、澄み渡ったの空のようにれやかだった。
彦が隣で優しく尋ねる。
「ゆき、本当にいいんだな」
私は微笑んで答えた。
「ええ。けはに対してかけるものだわ。彼女たちは自分たちが蒔いた種を刈り取っているだけよ」
私は度も振り返ることなく、病院のへと向かった。
そこで待っていたのは、私の父の名を冠したしい会社の設を祝う、数えきれないほどの束だった。