みかん小説
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"やさしい義母の消しゴム" 第5話

そのつきは、まるで自分ののままに形をでるかのようだった。

彼女は完全にしたのだ。 昨の「バッグの」を見られた事件の、私が何も追及してこず、それどころかさらに気消沈して自分に依し始めたことで、私が「完全に毒が回った獲物」だと確信したのだろう。

半。真由美さんが「ってくるわね」と言い残し、マンションをった。

音が完全に消えたのを確認すると、私はそれまでの「怯えた無力な嫁」の背筋をすっと伸ばした。

ゆっくりと洗面所へ向かい、鏡を見る。 そこには、を着せられながらも、ややかなを宿した自分の瞳があった。

のクローゼットの奥から、さな鍵付きのケースを取りす。 に隠してあった暗号化済みのスマートフォンを起し、ひとつの番号をタップした。

回のリトライ音ののち、静かな男性の声が聞こえてきた。

『――はい、法律事務所です』

「橘先。私です、麻美です」

『……麻美お嬢様ですか。お久しぶりです。お声をお聞きできていたしました』

話の主は、私の実であるの主治医ならぬ「専属弁護士」、橘(たちばな)先だった。

「先、折り入ってお願いがあります。私の『独信託座』と『婚財産』の保全状況について、至急確認したいのです」

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『かしこまりました。お嬢様が旧姓を伏せてご結婚された際にお組みになった信託ですが、ご指示通り、ご主様およびそのご親族からは切閲覧・差押えができないよう、絶対隔のスキームが維持されております。何か問題でも?』

「ええ。義母が私に無断で、私の『旧姓の実印』を持ちし、民関の連帯保証契約に勝に捺印しました。額は千万円です」

話の向こうで、橘先が息を呑む気配がした。

『……なんということだ。印私文偽造、ならびに同使罪、さらには詐欺罪に該当し得るな犯罪為です。すぐに警察へ通報し、法措置を――』

「いいえ、先。まだかないでください」

私は窓のの澄んだ空を見げながら静かに言った。

「彼女は私を『卒で無な、涯孤独のフリーター』だと信じ切っています。だからこそ、これからもっときな罠に自分からび込んでくるはずです」

『お嬢様、体何をされるおつもりですか』

「彼女は私を社会に抹殺し、このから私のを消しったで、すべての債務を私に負わせるつもりです。なら、その筋きを最まで演じ切らせてあげます。……先、こちらで用した『罠の契約』の準備をお願いできますか?」

『……承いたしました。の名誉と、お嬢様の尊厳を傷つけた者には、相応の清算を受けていただきましょう。

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続きの準備はすべてこちらでめます』

「頼みます。証拠の音声と画像データは、暗号化サーバーへ定期にアップロードしますので」

通話を切り、私はスマートフォンを元の所へ隠した。

私が「卒のフリーター」として哲也と会ったのは事実だ。 だがそれは、過保護で厳格すぎる実と資産としての圧に嫌気がさし、自分の力だけできてみようとていた期のことだった。

父は企業や政財界の資産管理をがける法務事務所のトップ。 私自も、学の法学部で国際契約法を専攻し、司法士の資格も保持している。

真由美さんは、自分の「獲物」がどんなを隠しているのか、何らずに踊っているのだ。

。戻ってきた真由美さんは、満そうな笑みを浮かべていた。

「麻美ちゃん、ちょっといいかしら?」

リビングのテーブルに、枚の類が広げられた。 『庭内資産管理および代理権委任状』とかれた、きの類だった。

「哲也とも相談したんだけどね。これからはうちの庭の支も、麻美ちゃんの将来のための貯も、元教師でファイナンシャルプランの識もある私が、括で管理してあげようとうの」

真由美さんは品な万を私に差しした。

「ここにサインして、印鑑を押してちょうだい。

これで麻美ちゃんは、難しいおの計算から全部解放されるのよ。ね、嬉しいでしょう?」

類の文章は、巧みな言い回しでかれていたが、するに「麻美名義のすべての座の運用権と受権を真由美に任する」

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