"屋根裏の義父と亡き姑に憑かれた愛人" 第10話
太の顔が真っ赤に染まった。
「な、なんだと!ふざけたことを言うんじゃない!俺が実の息子だぞ!」
この事実を伝えると、狂ったように文句を言われるだろうとは予していたが案の定だった。
しかし、親を放置しあれだけ勝をしてきた男が、そもそも文句を言うこと自体あり得ないはずだ。
私は歩にて、彼を睨み据えた。
「ふざけているのはどっちなのよ。お父さんのことをほったらかしで浮気してたくせに、今更偉そうにしないでよ」
太はぐっと言葉に詰まった。
「う、ちくしょう……」
私が元夫を睨みすると、それ以は彼は論理に何も言い返せなくなり、悔しそうに唇を噛みしくなっていた。
そんな絶望する夫に声をかけるのは、もはや横にいるしかいなかった。
は太のを撫で、異様な声で囁いた。
「太ちゃん、丈夫よ。私が太ちゃんの面倒を見てあげるからね」
そう言っては、まるで母親のように元夫に抱きついて慰めていた。
は今まで、元夫の輩らしいキャピキャピした調で話していたが、このばかりは完全に様子が違った。
私はその姿を見て、ハッとした。
「これって、もしかして……」
そこで私が鮮にいしたのは、あの夜、逃げるに義父が私に渡して残したである。
全なホテルでそのにかれていたことを読んだ、それはとても信じがたいオカルトなことだった。
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『わしには昔から霊があるんだ。太の、京子さんには、くなったわしの妻、裕子が取り憑いてるんだよ』
を読んだ、いくらなんでもまさかとったが。
今、目ので元夫を抱きしめているの姿、そして「太ちゃん」と呼ぶ言は、まさしくんだ義母そのものと考えてもいいだろう。
それに、写真の若い姿と、実物の老けたギャップがあるのもそのせいか。
写真は物理な現実の状態を写すため、写真には幽霊の姿は写らず、現実の若い女性しか見えなかった。
おそらく、そういうことだろう。
しかし、私や義父、元夫の親族など「見る」の肉によっては、に取り憑いた状態の義母の霊の姿がなって見えていた。
が異様に老けて見えていたのも、そのせいだ。
また、元夫が私と結婚するの、妻との婚理由についても、義父のは言及していた。
『太が最初に婚をしたのは、裕子のせいだ。裕子は息子である太に異常なほど執着しており、も妻を激しくいびっていた。これが婚の真の原因だ』
義母が元夫を異常なほどがっているという話は、太本からも聞いたことがある。
ただ、ここまで病な執着だとはわなかった。
あまりのことに、私はただただドン引きするばかりだ。
まして今、義母はくなったでも元夫に執着し続け、若いの体を乗っ取り取り憑いているのだから。
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は私を睨みつけ、みがましい声で叫んだ。
「太ちゃんは何も悪くないのよ。悪いのは全て、遺産を奪ったこの女よ!」
親族たちは、のその声を聞いて震えがった。
「こ、このは体、何を言ってるの……?まるで裕子さんじゃないか」
は幽霊に取り憑かれやすい、霊媒体質なのだろうか。
あまりに気な様子に、私は背筋が凍りつくような恐怖の覚を覚えていた。
私はの歪んだ顔を見つめながら、のでった。
「これは、倫をしての庭を壊した頃のいの悪さが、悪霊を引き寄せることに響しているのかな?」
もはやの自が義母の怨と混ざりっているような姿を見てしまうと、どうしてもそんな考えしか浮かばなくなっていた。
今目のにいるは、らかに義母の霊に取り憑かれているとうが。
彼女がこうして完全に狂っているのは、今が初めてではないようだ。
義父のには、私があの夜根裏から逃げしたこともかれており。
その夜、ハサミを持って廊に現れたのも、の識ではなく、完全に義母の霊が支配していた状態だったとのこと。
私がまだ夫と婚しようとはしていなかったことに、義母の霊が痺れを切らして、私のことを物理に排除しようと企んだらしい。