"義妹の投資話に判は押さない" 第3話
私は自分の族の資産を守っただけです」
健太はそれ以何も言えず、線を落とした。
第波の資は、こうして私の専識によって防ぎ切った。しかし、これで終わるはずがないことを、私はの経理業務で培った直で察していた。引きがれない理由があるは、度断られた程度で諦めたりはしないのだ。
料亭での惨劇からが過ぎた。
のには苦しい空気が漂っていた。健太はのでも数が減り、どこか私を避けるような態度をとっていた。
そして、案の定というべきか、悦子と莉乃の裏でのきが始まっていた。
仕事、私のスマートフォンには健太からのLINE通が何度も入っていた。内容はどれも歯切れが悪く、「おふくろがすごく落ち込んで寝込んでいる」「莉乃も悪気はなかったと泣いていた」「度話を聞くだけでもダメか?」といった、典型な同を引くためのメッセージばかりだった。
悦子と莉乃は、正面突破が能だと悟ると、ターゲットを完全に健太に絞り込んだのだ。族のや孝にい健太を突きかし、私に内緒で資をかさせようとしているのはだった。
そのの夜、健太が呂に入っているに、リビングのテーブルのに置かれた彼のスマホが何度も震えた。画面には『妹・莉乃』の表示。
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チラリと見えたメッセージのポップアップには、恐ろしい言葉が躍っていた。
『お兄ちゃん、あの通帳とお印鑑、どこにあるか分かった?お兄ちゃん名義の座なんだから、智さんに黙って度引きせばいいんだよ。お母さんの老のためなんだから、お兄ちゃんが族の主として決断して。、がいたらすぐにってね』
私は静かに目を細めた。
莉乃は、健太にのの通帳と印を盗みさせ、自分の指定座へ振り込ませようとしていたのだ。健太の気のさと、母親に対する無体な罪悪を利用して、愚かな突破をそそのかしている。
呂からシャワーの音が聞こえてくる。
私はリビングの棚に向かった。そこには、がの類を保管している鍵付きの庫がある。庫をけると、には健太名義の定期預通帳と、届印が保管されていた。
健太はでここを探すつもりなのだろう。そして、葛藤しながらも妹と母親の圧力に負け、通帳を持ちしてしまうに違いない。
「そうはさせないわ」
私は呟くと、通帳と印鑑を自分の通勤バッグのに仕い込んだ。
翌朝、私は健太よりもくをた。
向かったのは、ががメインバンクとして利用している方のターミナル駅支だった。のシャッターのに並び、午のと同に窓へとび込んだ。
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「いらっしゃいませ。本はどのようなご用件でしょうか?」
丁寧に対応する窓の員に対し、私は用してきた類を式提示した。
「浅野健太名義の普通預および定期預座について、通帳および届印の紛失届の提と、それに伴う座の利用止、および改印続きをお願いします」
「ご本様ではなく、ご族様のお続きですね?」
「はい。妻の浅野智です。こちらが私の分証と、代理続に関する委任状、ならびに婚姻関係を証する戸籍謄本です」
私はあらかじめ準備していた類を完璧に揃えて提した。夫の座であっても、同居の配偶者であり、必な類と代理権の証があれば、緊急の紛失届と利用止措置は即座に受理される。
員は類を素く確認し、端末を操作した。
「承いたしました。ただちに該当座にロックをかけ、カードおよび通帳での引きし、ならびに窓での取引を止いたします。改印続きにつきましても、しいお届け印をご登録いたしますね」
「よろしくお願いいたします」
続きが完した旨の控えを受け取った、私ののにあった焦燥は消えり、ややかな確信へと変わっていた。
これで、健太が仮に通帳や印鑑をに入れたとしても、あるいは再発を試みたとしても、窓やATMで円たりとも引きすことは能になった。