"「ただいま」と笑う夫を家族全員で無視した" 第4話
「子さん。俺と、結婚してくれませんか?」
涙が界を滲ませた。このなら、涯をかけて私を守り、るく温かい庭を築いていける――そう信じて疑わなかった私は、震えるでその指輪を受け取った。
私の両親も、方にむ久史の両親も、私たちの結婚をまるで自分のことのようにから祝福してくれた。 そして結婚した翌、私たちは待望の第子――娘の未優を授かった。 産声を聞いた瞬、私はの絶頂にいるとじていた。 久史のたっての希望もあり、私は未優の妊娠をに役所を退職し、専業主婦として庭を守るを選んだ。企業に勤める久史の収入は同代に比べても分にく、活に困ることは何つなかったし、何よりする夫と子供のために尽くせる々に、何の満も異論も抱いていなかったのである。
――だが。 その幸福なが、音をてて崩壊を始めるまでに、そういはかからなかった。
未優が無事に産院を退院し、がでの暮らしが始まった途端、久史の態度は目に見えて変した。 それまではどんなに残業が遅くなっても必ず自宅へと帰ってきていた男が、何の触れもなく、に回しかに寄り付かなくなったのだ。
夜遅く、疲れ果てた表でスーツのネクタイを緩める久史の背に向かって、私は胸のざわつきを抑えきれずに問いかけた。
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「どうして……どうして毎帰ってきてくれないの? 会社で何かあったの?」
すると久史は、リビングのソファにカバンを放りし、私を酷く鬱陶しそうに睨みつけながら言い放った。
「未優の夜泣きで何度も起こされるからだよ! 毎寝で、がおかしくなりそうなんだ! 俺の仕事がどれだけ激務かってるだろ!? これ以、庭のゴタゴタでを引っ張るのは勘弁してくれよ!」
「でも……赤ちゃんなんだから、夜に泣くのは当たりのことじゃない……」
「おたちを養うためのを稼いでくるのが、俺の役目だろ! だったら、俺が万全の体調で仕事に専できるように環境をえるのが専業主婦のおの仕事だ! に帰らないのは、おたちをわせるための最善の方法なんだよ!」
もっともらしい理屈を並べてていたが、するに久史は、子供を育てるという臭い現実に何つ関わりたくなかったのだ。 たまにに帰ってきても、ベビーベッドで泣き叫ぶ未優に線を向けることすらなく、抱きげることも、あやすことも、優しく笑いかけることすら切しなかった。「子育ては嫁の仕事」「男がをすものじゃない」と決めつけ、が子のそのものを完全に無していた。 それでも当の私は、「激務で疲れているのだから」「私が専業主婦としてを守らなければならないのだから」
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と、久史の酷な言を必に正当化し、彼を理解しようと自分に言い聞かせていたのだった。
だが、現実は残酷だった。 実が幹線で以もれた方にあり、元の友もなかった私にとって、初めてのワンオペ育児は像を絶する孤独と疲労の連続だった。 どれだけ抱っこ紐で揺らしても、どれだけミルクをませても、未優ががついたように泣き叫び続ける夜が幾度となく訪れた。眠は連を切り、目のには濃い隈が張り付き、鏡を見るたびに憔悴した自分の顔に恐怖を覚えた。このままでは育児ノイローゼになって、自分自のでが子を傷つけてしまうのではないか――そんな暗い考に押し潰されそうになる々が続いた。
限界をじたあるの夜、私はたまに帰宅した久史に、すがるようないで相談を持ちかけた。
「……ねえ、お義母さんにし相談してもいいかしら? で分くらいの距だし、週に度でも伝ってもらえたら、本当に助かるんだけど……」
私の切実な懇願に対し、久史は缶ビールを煽りながら、即座にたく言い放った。
「それはやめておいた方がいいな」
「え……? どうしてダメなの? お義母さん、結婚したはあんなに優しくしてくれたじゃない」
私の問いに、久史はでせせら笑い、信じがたい言葉を平然とにしたのだ。
「おが、跡取りの男の子を産まなかったからだよ。