"「ただいま」と笑う夫を家族全員で無視した" 第11話
「……なるほどな。そういうことかよ」
写真てのに収められていたのは、純の嫁装にを包んだ私の姿と、その隣でタキシードを着て優しく微笑む晃、そしての真んで満面の笑みを浮かべる未優の姿だった。
久史は鬼の首を取ったかのように勝ち誇った顔をし、私と晃を指差して喚き散らした。
「俺がいないに、俺の友と婚かよ!? 言っとくがな、婚は派な違法為だぞ! 貞為で慰謝料請求してやるからな!」
そのあまりにも浅はかな言に、私はい溜息をつきながら再び席をった。 そして、サイドボードの引きしから枚の公な類を取りして戻ると、ペタリと、久史の額にそれを押し付けるようにして貼り付けたのだ。
「……な、なんだよこれ!?」 久史が額から剥ぎ取ったそのには、役所の公印とともに、こう記されていた。 ――『婚届受理証』。
「り、婚届受理証……!? 馬鹿な! 俺は婚に同した覚えなんてないぞ!!」
激しく揺する久史の顔など、私は秒たりとも見たくなかった。声を聞くことすら汚らわしかった。 だから私は、切をかず、テーブルのに置いてあった自分のスマートフォンを操作し、久史のLINEへとメッセージを通送信した。
ピロン、と久史のポケットで着信音が鳴る。 そこには、数ヶ、未優がお絵描き用に集めた裏のに、久史自の直で署名・捺印された婚届が紛れ込んでいた事実が、簡潔に記されていた。
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「そ、それは……だなあ……っ!」 久史は、自分が過にと浮かれていた期に勢いで記入し、処分し忘れていた婚届のをいしたのか、急激に狼狽し、脂汗を流し始めた。
そう――あの、未優が持ってきた婚届を見た私たちは、腰が抜けるほどの衝撃を受けた、久史のこれまでの解な言の裏に、巨な隠し事があることを確信したのだ。 そこで、晃が懇にしている信頼できる探偵事務所を紹介してもらい、久史の単赴任先での素調査を徹底に依頼した。 結果は、あまりにもおぞましいものだった。 久史は単赴任先のアパートで、若いの女と同棲活を送っていたのだ。 会社を辞めさせると脅して単赴任をしたのも、族への活費を削り、実の両親から遣いを巻きげていたのも、すべてはそのとの豪遊資と、級マンションの賃に充てるためだったのだ。 すべての真実をった私は、久史が置きりにしていったあの婚届を、迷うことなく役所の窓へ提し、正式に受理させていたのである。
「で、でもよ……! こうして俺は、おたちの元に戻ってきてやっただろうが! 俺が戻ってきたってことは、婚なんて帳消しにして、やり直す気があるってことだよ!」
久史はなおもから目線で、図々しく復縁を迫ってきた。
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その見苦しい姿に、私はわず吹きし、乾いた笑いを漏らしてしまった。
「……ふふっ。いやいやいや、何を言っているの? あなた、ただに捨てられたから、く当てがなくなって転がり込んできただけでしょ?」
「な、何を根拠にそんな鱈目を……! 俺が族の元に帰りたくなったから、と綺麗サッパリ別れて戻ってきたんだよ!」
見苦しい言い訳をねる久史に対し、私はややかにすべてを突きつけた。
「探偵の調査でね、あなたのには、あなたとは別に本命の若い交際相がいたことが全部判しているのよ。彼女にとって、あなたなんてただのづるでしかなかったの。でもね、その本命の彼氏は、彼女があなたと同棲していることなんてほどもらなかったのよ」
久史の顔から、サーッと血の気が引いていった。
「だからね、私が彼女に直接連絡を入れてあげたの。『今すぐ久史と縁を切って追いさなければ、あなたの本命の彼氏に、あなたが既婚者のおじさんと同棲して貢がせていた事実を、写真付きで全部バラすわよ』ってね。……彼女、本命の彼氏にフラれるのがよっぽど怖かったみたいで、あなたの荷物を全部に放りして、鍵も即座に取り替えて、あなたを秒速で捨てたそうじゃない?」
活費を削り、親を騙して貢ぎ続けたに、あっさりとゴミのように捨てられた男。