"娘の十七万円を愛人に貢いだ夫の末路" 第3話
であった。
直太は、私よりも回り、ちょうど12歳もの男性だった。
彼は、名のれた国学を卒業し、誰もがる企業に勤めるエリート会社員だった。
彼は、仕ての良いスーツを着こなし、落ち着いたの余裕をじさせた。
直太の性格は、いかにも父が気に入りそうな、非常に真面目で堅実なだった。
彼は、冗談を言うこともなく、仕事への誇りを真剣な差しで語った。
私は、そんな彼の誠実な態度に、次第に好を持つようになっていった。
厳格な父に育てられた私が、父に似たタイプの彼に惹かれたのだから。
私もやっぱり、違いなくあの父の娘だったのだろう。
私は、自分のルーツを自覚し、しだけ苦笑いをした。
私たちは、何度かのデートをね、お互いの価値観を共していった。
そうして、私は直太からのプロポーズを受け入れ、彼と結婚した。
私は、定した収入と真面目な夫に恵まれ、順満帆の結婚活を見ていた。
私は、結婚も教師の仕事を続け、庭と両させていくつもりだった。
しかし、そのは、私の妊娠をに、脆くも崩れることになる。
私が妊娠を報告した夜、夫の直太は、ややかな声で私に告げた。
「子供がまれるなら、君は仕事を辞めて庭に入りなさい」
夫からは、妊娠を境に、当然のことのように仕事を辞めるように言われてしまったのだ。
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私は、突然の夫の言葉に、目のが真っ暗になるいだった。
私は、徒たちの顔をい浮かべ、教師の仕事をどうしても続けたかった。
私にとって、この展は全くの誤算だった。
私は、夫に何度もをげ、仕事を続けさせてほしいと懇願した。
しかし、夫の決は固く、全く聞くを持たなかった。
私は、悩みに悩んだ末、これからまれてくる子供の子育てのことを考えた。
母親がにいないことで、子供に寂しいいをさせるかもしれない。
そう考えると、これも致し方ないことなのだと、自分を納得させるしかなかった。
私は、半ば夫の命令に従う形で、泣く泣く退職届をき、専業主婦のへんだのである。
私は、エプロンをにつけ、のに閉じこもる毎を受け入れた。
やがて、の期を経て、私のお腹から元気な産声ががった。
無事に、娘のりりかがまれたのだ。
娘の誕は、私の活を変させた。
あんなに厳格で気難しかった私の父も、初孫の誕にはすっかり骨抜きになってしまった。
父は、病に駆けつけるなり、今まで見たことがないようなデレデレの笑顔を見せた。
「おお、よしよし」と、父は目尻をげて、りりかをがってくれた。
その姿は、私のっている厳しい父とはまるで別のようだった。
私の母も、涙を流して孫の誕をんでくれた。
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しかし、みんながしい命の誕という幸せに浸っている。
ただ、夫の直太だけは、満げな顔をして病の隅にっていたのである。
私は、夫のその態度に、胸の奥がたくなるのをじた。
夫は、どうやら跡取りとなる男の子が欲しかったらしい。
娘がまれた直から、夫はあからさまな満をにし始めた。
「なんだ、女か。俺の跡継ぎにはならないな」
夫は、ボソリと無い言葉を吐き捨てた。
私は、その言葉にく傷つき、娘をく抱きしめた。
夫は、私の両親が面会に来ているでは、よく笑顔でんでいるふりをしていた。
しかし、両親が帰り、私ときりになると、骨に態度を豹変させた。
私が無事に退院して、赤ん坊と緒にに戻ってからも、夫の態度はたかった。
夫は、しばらくの、私とまともにを聞こうとしなかった。
夜泣きをしても、らん顔で別の部で寝てしまう夫。
私は、そんな夫の態度に当然満を抱いていたが、それ以に私にとっては娘のがきかった。
私は、りりかがくてくて仕方がなかったのだ。
当初は、制に仕事を奪われ、望まない専業主婦になったことを悔していた。
しかし、りりかのそばにいられることで、却って娘にたっぷりとを注げるから良かったとさええるようになっていた。
私は、娘の笑顔を見るたびに、自分の選択は違っていなかったと信じようとした。