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"父の形見をゴミと笑った夫と五十億円の引導" 第6話

々しい械音が鳴り響き、私の目のにある巨属のゲートがゆっくりとき始めた。

から見えたのは、綺麗に備された広な庭園だった。

そしてその奥に、そびえつガラス張りのビルがある。

ビルの正面玄関から、数がこちらへ向かって歩いてくるのが見えた。

彼らがづいてくるにつれ、全員が仕ての良い黒いスーツをにまとった社員たちだと分かった。

彼らは糸乱れぬ取りでゲートまでみ、私の目のに分かれて列した。

まるで、国賓を迎えるかのような景だった。

私は何が起きているのか分からず、ずさりしそうになった。

「あの、私……」

私が何か言いかけたその、目の列した数の黒の社員たちがいた。

彼らは斉にげたのだ。

擦れの音だけが、静寂の空に響き渡る。

その異常な景に、私の臓は鐘のように打ち始めた。

父がただの内縁の妻に会わせようとしたわけではないという疑いが、確な事実へと変わった。

父が残したこの物のブリキ箱には、私の像を絶するが隠されている。

列の先っていた男性が顔をげ、うやうやしくけた。

「お迎えにがりました。どうぞへお入りください」

私は息を呑み、彼らが作ったの真んを歩き始めた。

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自分のがもう度と元には戻らない所にを踏み入れたことを、私は悟っていた。

の社員たちが作ったを、私は遊病者のように歩いていた。

ガラス張りの巨なビルのエントランスに入ると、たいが嘘のようによいかさに包まれた。

にはつないが敷き詰められている。

井からは、柔らかなり注いでいる。

すれ違う社員たちは皆、洗練されたなりで、静かに会釈をして通り過ぎていく。

そので、に濡れてヨレヨレになった喪を着ている私の姿。

錆びたブリキ箱を抱えている私は、あまりにも違いだった。

先導する男性が、エントランスの奥にある専用エレベーターのち止まった。

「こちらへどうぞ」

彼がカードキーをかざすと、な扉が音もなくいた。

エレベーターのは広く、壁には美しい目のパネルが貼られていた。

男性はき先のボタンを押さず、ただ静かにドアが閉まるのを待った。

どうやらこのエレベーターは、最階へ直通するように設定されているらしい。

滑らかに昇していく、私は緊張で浅くなる呼吸を必えようとしていた。

父が指定した内縁の妻とは、体どのようななのだろうか。

こんな巨企業の総本部で、私のようなを黒迎えさせる権限を持っているのだ。

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ただの清掃員や般の社員ではないことだけは、すでにだった。

静かな子音と共に、エレベーターの扉がいた。

男性がげ、を指し示した。

「到着いたしました。奥の部でお待ちです」

エレベーターをりると、そこはふかふかの絨毯が敷かれた広い廊だった。

突き当たりには、両きのきな製のドアがある。

私は両でブリキ箱をく抱きしめ、ゆっくりとそのドアへ向かって歩きした。

臓の音が、自分のにうるさいほど響いている。

ドアのつと、センサーが反応したのか、扉が自で静かにいた。

目のに広がったのは、ホテルのスイートルームよりも遥かに豪華で広な特別だった。

面のきな窓からは、々を切りいた敷全体が見渡せる。

央には、級な革張りのソファーとのテーブルが置かれていた。

そして、その窓のに1の女性がっていた。

齢は60代半だろうか。

ての良いグレーのスーツを品に着こなし、背筋が真っすぐに伸びている。

髪の混じった髪は綺麗にまとめられ、性と威厳をじさせる穏やかな顔ちをしていた。

彼女がゆっくりと振り返り、私を見た。

その瞬、彼女の静な瞳がわずかに見かれ、元が微かに震えた。

「よく、いらっしゃいましたね」

静かで、く透き通るような声だった。

彼女は私へ向かって数歩歩み寄り、ち止まった。

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