"4500万の城を奪われた夜" 第10話
葵は類に目を通した。 マンションの管理規約第条(専部分の用途制限)および第条(共同活の秩序維持)への違反事実が詳細に列挙されていた。 共用廊への私物(ダンボール数個)の量放置による消防法の避難経妨害。 専部分内での換気扇を使用しない喫煙および異臭発による隣への受忍限度を超えた迷惑為。 そして、区分所者の承諾なき第者による居座りと鍵の無断改変。
「個のトラブルだと警察も管理会社も腰が引ける。でも『消防法違反』と『管理規約違反』となると話は別よ。理事や管理会社には、建物全体の保全義務との民に対する全配慮義務があるからかざるを得ない。特に廊のダンボール放置は、消防署の定期査察が入ったら発で正命令がる案件よ」
「わかりました。これから管理事務所にきます」
「私も同するわ。政士として、委任状を持ってち会う。素だけでくと『親族でよく話しってください』と宥められて終わる能性があるからね」
午半。 葵と麻里は、マンションの階にある管理事務のドアを叩いた。 対応にたのは、巡回管理を担当している管理会社のフロントマネージャー、佐伯という代の男性だった。
「野さん、ちょうどよかった。
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実はですね……」 佐伯は葵の顔を見るなり、困惑と苛ちの混ざった表を浮かべた。
「昨夜から今朝にかけて、階のお隣の方と階の方から、て続けに苦が入っているんです。『夜に見らぬ男性の鳴り声が響いている』『共用廊に引越し業者でもないのにダンボールが積みされていて通の邪魔だ』『ベランダでタバコを吸っている煙が洗濯物についた』と。野さん、何かご事がおありですか?」
葵はくをげた。 「ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。実はその件で、なご相談があって伺いました。こちらは私の代理を務めていただく政士の瀬川先です」
麻里が歩にて名刺を差しし、持参した申告と証拠写真をデスクに広げた。 廊のダンボール、吸い殻、そして引きしの鍵の抉じけ痕。
「佐伯さん、単刀直入に申しげます。現402号に滞している名は、所者である野葵さんの承諾なく部を法占している親族です。野さん自、鍵を勝に変えられて昨夜はホテルへの避難を余儀なくされました」
佐伯の目のが変わった。「えっ……法占ですか?」
「はい。警察への通報も野に入れていますが、民事介入を盾に初が遅れるのを防ぐため、まずは管理規約に基づく厳格な対処をお願いしに参りました。
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共用廊の私物はらかな消防法違反です。管理組規約第条に基づき、管理会社および理事名義で、即撤を求める『警告文』の発と、現への直接指導を請します」
佐伯は写真を凝し、額に汗を滲ませた。 「これは……確かに見過ごせませんね。特にこのダンボールの量は、災の避難訓練でも毎回厳しく指摘されている部分です。理事にもすぐ連絡を入れます」
「それと、もう点」葵が言った。 「スマートロックの管理権限についてです」
葵のマンションの玄関ドアに標準装備されているスマートロックは、共用エントランスのオートロックと連したIoT仕様のものだった。物理キーのほかに、所者のスマートフォンアプリからBluetooth経由でマスター権限を操作できる。
昨夜、敏男たちがテンキーの暗証番号を変更できたのは、葵が予備として渡していたプラスチックカードキーを使ってテンキーの設定モードに入ったからだった。だが、クラウドの「マスター管理者」のアカウントは、葵のスマホ台だけに紐づいている。
葵は佐伯の目ので、スマートロックの管理アプリをちげた。 「現、法占者によって暗証番号が変更されています。これをこれから、私のマスター権限で初期化し、カードキーの登録をすべて無効化します」
佐伯が息を呑んだ。 「締めす、ということですか?」
「いいえ」麻里が割って入った。「内に相の私物がある状態で完全締めしをうと、相側から実力使に対する異議がるリスクがあります。