"20万円を惜しんだ子供たちと6300万円の絶縁" 第6話
誰からも必とされなくなり、誰にも頼れなくなり、ただ静かに消えていくのを待つだけなのだろうか。
私はただ、泣き続けた。
数、自宅の郵便受けに通の封筒が届いていた。
私はそれを取りし、宛名を確認した。
役所から届いた、固定資産税の納税通だった。
毎この期に届く類なので、特に気にも留めずに居へ持っていった。
テーブルに座り、ハサミで封筒の端を切る。
何気なくの類を取りし、税額の欄を確認した。
私はそこに記された数字を見て、息を呑んだ。
類を顔にづけ、もう度数字を凝する。
固定資産評価額、建物わせて6500万円。
私は自分の目を疑い、わず声をした。
「えっ、何かの違いじゃ……」
までは、2000万円程度だったはずだ。
それがいきなり、3倍以にねがっている。
私がんでいるのは、夫が30に建てた古い軒だ。
駅から徒歩15分で、特別なでもない。
建物も老朽化していて、あちこちに修繕が必な箇所がある。
なぜこんな額になるのか、全く理解できなかった。
私は慌てて通に同封されていた詳細な説文を読んだ。
そこには、驚くべき理由がかれていた。
この域が規模な再発エリアに指定され、価が急騰しているとのことだった。
駅に規模商業施設の建設計画があり、それに伴って周辺の産価値が気にがったのだ。
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そういう内容の説が、丁寧に記載されていた。
6500万円。
私はその数字を何度も確認した。
桁違えているのではないかと、指で数え直した。
でも、違いではなかった。
私は類をテーブルに置き、呆然とした。
私は、資産だったのだ。
らないうちに、自分でも気づかないうちに。
その事実を認識した瞬、突然これまでの全てが違って見えてきた。
息子のたい態度。
娘の軽い拒絶。
訪ねてもかなかった扉。
話越しのそっけない返事。
それら全てが、私ので本の線で繋がったのだ。
彼らはっていたのではないか。
このの価値を、再発の話を。
そして、いずれ相続できる財産であることを。
域の再発は、ニュースでもきく取りげられていた。
規模な発計画で、域全体が注目されていたのだ。
息子も娘も、かつてはこのエリアにんでいたことがある。
らないはずがない。
むしろ、私よりも詳しくっていたかもしれない。
だから、援助を断ったのではないか。
母親が困窮すればするほど、く相続が発する。
健康を害して入院すれば、さらにまる。
もしかしたら、そう考えていたのではないか。
だから術費用もさなかった。
活費の援助もしなかった。
訪ねても会おうとしなかった。
全ては、こののためだったのではないか。
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私ので、何かが音をてて完全に崩れるのをじた。
それは子供への信頼であり、親子の絆であり、これまで信じてきた全てだった。
されていたのではなかった。
必とされていたのではなかった。
ただ、資産として管理されていただけだった。
相続が発するのを、じっと待たれていただけだった。
その残酷な事実が、私のをく傷つけた。
胸が締めつけられて、呼吸が苦しくなる。
私は胸を押さえ、く息を吐きした。
その夜、私はもできなかった。
暗い寝のベッドに横たわり、ただ井を見つめていた。
子供たちとのいを、1つ1つい返していた。
息子が学の頃、運会で転んで泣いたのこと。
私は真っ先に駆け寄り、彼のさな体を抱きしめた。
「丈夫、丈夫よ」
そう言いながら、だらけの顔の涙を拭いてあげた。
娘が受験に失敗して、部で落ち込んでいたのこと。
私は朝までそばに座り、緒に話を聞いた。
「にはいろんながあるのよ。この失敗もきっとがあるから」
そう言って、何度も励まし続けた。
2とも学に学するは、私たち夫婦が学費を全額負担した。
奨学を借りることもできたが、子供に借を背負わせたくないという夫のい希望があった。
だから、学費も活費も全て私たちがした。
そのために、私たちはあらゆる贅沢をした。
旅にもかず、もせず、ひたすら貯をした。