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"20万円を惜しんだ子供たちと6300万円の絶縁" 第10話

私は契約にサインをした。

これで、6万円のわせれば、21万円の収入になる。

1で暮らすには、分すぎる額だった。

贅沢はできないが、自由もしない。

スーパーで値段を気にせずべたいものを買い、必なものを買うことができる。

たまには旅にもける。

そんな活が能になったのだ。

残りの500万円は、医療費や緊急のための予備資として、普通預に残した。

あの忌まわしい膝の術費用も、ここからすぐにせる。

何かあったのための、の備えだ。

全ての続きが完して、私はく息を吐いた。

通帳の数字で見える

それは、これまでじたことのない絶対なものだった。

貧しさとは、単におがないことではない。

選択肢がないことなのだと、私はこの数ヶで痛いほど学んだ。

そして今、私には選択肢がある。

自分の志で、自分のを決められる。

それが何よりもきな財産だと気づいた。

梨への引っ越しは、最限の荷物でった。

引越し業者のトラックを見送りながら、私はきな具を全て処分したことを確認した。

の品だけを、段ボール数箱に詰めて持っていくことにした。

具やは、現しく購入することにしたのだ。

古いに囲まれてきるより、しいものに囲まれてしいを始めたかった。

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持っていったのは、夫の遺写真と位牌。

そして、2のアルバムだけだった。

アルバムのには子供たちの写真も入っていたが、それもあえて持っていった。

の全てを否定するつもりはない。

ただ、彼らとは距を置きたかっただけだ。

しいに入った瞬議な解放を覚えた。

私はしいリビングの真んち、きく伸びをした。

ここには辛いが全くない。

裏切られたしい記憶もない。

ただ、真っしい空が広がっているだけだ。

のしがらみから完全に自由になった気がした。

誰の母親でもない。

誰の妻でもない。

ただの『私』としてきられる所。

それが、ここにはあった。

荷解きを終えた、私は産を持って所に挨拶にった。

隣ののインターホンを鳴らすと、優しそうな老夫婦がてきた。

彼らは私を見ると、温かく笑顔で迎えてくれた。

「よくいらっしゃいました。この辺りは静かでいいところですよ」

奥さんがにこやかに声をかけてくれる。

ご主が横から付け加えた。

「何かあったら、いつでも声をかけてください。困ったことがあれば慮なく言ってくださいね」

私はげた。

「ありがとうございます。これから、よろしくお願いします」

そんな何気ない会話が、乾いていたに染み入った。

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域の方々は、私を1しい民として、自然に受け入れてくれた。

を詮索することもなく、ただ今の私を見てくれる。

親でも、誰かの母親でもなく、ただの私として。

それが何よりも嬉しかった。

引っ越しからしばらくして、私は域の総病院に入院し、膝の術を無事に終えた。

術費用は、用しておいた予備資から支払った。

配を切せずに、最善の治療を受けられる。

それだけで、どれだけが軽くなることか。

退院の、担当医が笑顔で声をかけてくれた。

術は成功しましたよ。リハビリを頑張れば、また普通に歩けるようになります」

医師の言葉が、どれほど嬉しかったことか。

私はリハビリ施設に通い、毎懸命にトレーニングを続けた。

のリハビリを続けるうち、徐々に膝の痛みがらいでいくのをじた。

歩くのも劇に楽になり、階段の昇りりも全く怖くなくなった。

健康を取り戻すことが、どれほど素らしいことか。

私は杖なしで歩けるようになったびを、改めて実した。

になり、私は庭の畑で野菜を育て始めた。

を耕していると、隣の奥さんが声をかけてくれた。

「精がますね。野菜作りですか?」

所の方が、種の植え方やの作り方を親切に教えてくれたのだ。

「この期なら、トマトとキュウリがいいですよ。

者でも育てやすいですから」

アドバイスに従い、私は苗を買ってきた。

トマト、キュウリ、ナス、ピーマン。

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