"妻を崖から突き落とした義家族と300億円の婿" 第20話
「その切れがりないというなら、1億円でも2億円でもそう。会社の株の部を譲ってもいい。だから、警察だけは勘弁してくれ!」
1億円、2億円。
先ほどまで1000万円で私のを買い取れると豪語していた男が、自分の保のためには平気で億のを提示してくる。
私はその浅ましさに吐き気すら覚えた。
「おの問題ではありませんよ」
私はたく言い放った。
「あなたたちはする妻をゴミのように扱い、その命と尊厳を踏みにじった。その罪はどんなでも贖えるものではない」
「ふざけるな!」
たけしが再び鳴り声をげた。
血った目で私を睨みつけた。
「おなんかにうちの会社を潰されてたまるか!おが警察に証拠を渡したところで、うちは優秀な弁護士を使って揉み消してやる!の力で、おなんかすぐに……」
たけしはなおも、自分たちのと権力があれば全てを覆せると信じているようだった。
私はさくため息をついた。
彼らに最の現実を突きつける準備をした。
「の力、ですか?」
私は腕計に線を落とした。
を確認してから、再び彼らに酷な線を向けた。
「そのの力が、もうあなたたちには残されていないとしたら、どうしますか?」
「何を……」
義父の言葉が途切れた。
彼の顔に、今までにない底れぬ恐怖が浮かびがった。
私は彼らが最も切に守ってきた族の財産と会社の名運を断ち切るため、ついに私が隠し続けてきた絶対な真実をにする。
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「の力が残されていないだと?」
たけしは私の言葉をで笑いばそうとした。
だが、その声は微かにずっていた。
「うちの会社を舐めるなよ。元のメインバンクだけじゃない。の巨ファンドからも巨額の資援助を受けているんだ。おのようなサラリーマンがどうあがこうと、うちの資力は揺るがない」
たけしの言葉を聞き、私は切のを交えずに静かに頷いた。
「ええ、っていますよ。3、あなたたちの会社が資繰りに窮し、あちこちのから融資を断られて倒産寸だったのことですね」
私のからた具体な過の事実に、たけしの笑いがピタリと止まった。
義父もまた、怪訝な表で私を見つめている。
「その、突如として救いのを差し伸べたのが、資のグローバル・キャピタル・ファンドでした。彼らは300億円という巨額の救済融資をい、御社を倒産の危から救った」
「な、なぜおがそのことをっている?」
義父の声が、警戒と揺で震え始めた。
その融資の事実は、会社の極秘事項としてごく部の経営陣しからないはずの報だったからだ。
「っていて当然です」
私は淡々と答えた。
「なぜなら、その300億円の融資を最終に決裁し、実のサインをしたのは私ですから」
私が極めて平坦な声で事実を告げると、広に再び底れぬ沈黙がりた。
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義父とたけしは、私の言葉のを理解しようと必に脳を回転させているようだった。
だが、すぐにそれを完全に拒絶した。
「はは……何を馬鹿なことを言っている」
たけしが腹を抱えるようにして、乾いた笑い声をげた。
「おがファンドのだと?しかも300億円の決済権を持つトップだというのか?嘘をつくならもうしマシな嘘をつけ」
義父もまた、りで顔を赤く染めながら私を睨みつけた。
「そうだ。おはただののサラリーマンだろう。ゆいと結婚したも、した会社には勤めていないと言っていたではないか」
「妻に余計な気を使わせたくなかったので、分を隠していただけです」
私はスーツの内ポケットから、黒い革製の名刺入れを静かに取りした。
そして、そのから1枚の分い名刺を引き抜いた。
理のテーブルのに滑らせた。
名刺は親権放棄の類の隣で止まった。
そこには英語と本語で確な肩きが印字されていた。
『グローバル・キャピタル・ファンド本代表』
たけしが弾かれたようにテーブルにを乗りした。
その名刺をひったくるようにに取った。
彼の目は文字を追い、やがてそのが刻みに震え始めた。
「嘘だ。こんなものいくらでも偽造できる。おがあのファンドの代表なわけがない!」