"妻を崖から突き落とした義家族と300億円の婿" 第25話
自らの欲望のためにを崖から突き落とした報いを、今度は自分たちがの底でわい続けるのだ。
すっかりが落ちた頃、は京にある青葉病院の駐へと滑り込んだ。
「あんな、着いたよ。ママのところへこう」
私が声をかけると、あんなは目を擦りながら元気よくび起きた。
私たちはエレベーターに乗った。
最階にある特別のフロアへと向かった。
静まり返った清潔な廊をむ。
佐々が配してくれた病のドアを静かにノックする。
「どうぞ」
から聞こえた微かな声に、私はドアのノブを回して部へとを踏み入れた。
広くて清潔な病のベッドには、真しいパジャマに着替えたゆいが横たわっていた。
点滴を受け、顔はまだ青い。
だが、駐で見たのような極度の緊張と恐怖は消えている。
「ママ!」
あんなが弾かれたように駆け寄り、ベッドの脇にさな顔を乗せた。
「あんな、よく来てくれたね」
ゆいは点滴の繋がれていない方のを伸ばした。
あんなのを優しく撫でた。
その目からはしたような粒の涙がポロポロとこぼれ落ちている。
私はベッドの反対側にった。
ゆいの細いを両で包み込むようにしっかりと握った。
「ゆい、もう全て終わったよ。義父たちも会社も、俺たちを脅かす力は完全に失った」
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私が静かにそう告げると、ゆいは信じられないというように目を見いた。
「本当に……もう逃げなくてもいいのね?」
「ああ。あいつらは逮捕され、会社も今で倒産した。もう2度と君を傷つけることはできない」
ゆいは私のをく握り返した。
子供のように声をげて泣き崩れた。
半、誰にも助けを求められず、1で抱え込み耐え続けてきた恐怖と孤独。
それが今、温かい涙となって全て洗い流されていく。
ゆいが命がけで守り抜いた宝くじの箱は、病のサイドテーブルのに静かに置かれている。
この箱はもう彼女を縛り付ける呪いの具ではなく、私たちを救ってくれた希望の証になっていた。
翌、私は担当の医師からゆいの詳しい検査結果と今の治療方針について説を受けた。
「背骨の衝撃により、半の神経に刻なダメージが残っています」
医師はレントゲンをに、嘘偽りのない厳しい現実をにした。
「ですが、完全に神経が切断されているわけではありません」
医師は私を見た。
「当院のチームが全力で治療とリハビリをサポートします。はかかりますが、再び自分ので歩ける能性は分にあります」
その言葉は、私とゆいにとって何よりも暗を照らすとなった。
「どんなにがかかっても構いません。妻をお願いします」
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私はくをげた。
ファンドの力を全て、ゆいの回復のために注ぐとに決めた。
それから数ヶが経った。
季節は厳しいから、穏やかなへと移り変わっていた。
ゆいの失踪から1というが、私たち族の傷をしずつ癒してくれた。
その、方の裁判所では義父たちに対する裁判が粛々とめられていた。
彼らの会社が残した巨額の負債は、族の全資産を売り払っても到底返しきれなかった。
債権者たちからの容赦ない取りてにより、親族たちも夜逃げ同然で町から姿を消したという。
かつて彼らに群がっていた取り巻きたちも、誰1として裁判の傍聴には訪れなかった。
権力とがなくなると、彼らの周りには誰もいなくなったのだ。
裁判の判決は、私が予していた通り極めて厳しいものだった。
自分たちの欲のために実の娘を殺そうとした卑劣な犯は、裁判官からも厳しく糾弾された。
2にされたのは、執猶予のつかないい実刑だった。
彼らは控訴することすらできず、そのままたい刑務所の奥くへと収監されていった。
私が用した完璧な処刑の包囲網は、見事に彼らのを完全に終わらせたのだ。
を物のように扱い、族の絆をで買えると信じた者たちの当然の末である。
吉実という呪縛から完全に解き放たれた私たちは、ようやく本当の平穏を取り戻した。
ゆいは毎、青葉病院のるいリハビリで痛みに耐えながら、懸命に汗を流している。