"19年間の嘘を暴いた1枚のDNA鑑定書" 第8話
どこにおがしゃしゃりてくる隙があると言うんだい」
芳はりと羞恥で顔を真っ赤にしたまま、ただ「あう」とのない声を漏らすことしかできなかった。 もはや彼女に反論する言葉も、力も残されてはいなかった。
そのだった。 バタンとスイートルームの扉が乱暴にけ放たれ、汗だくになった神崎宗が息を切らしながらび込んできた。
彼は会社でこの獄のような継を見て全てを理解し、ここまで駆けつけてきたのだ。
乱れた髪、緩んだネクタイが、彼の尋常でない焦りを物語っていた。
「母さん、お願いだからもうやめてくれ!」
宗は絶叫するように叫びながら、母である芳に駆け寄った。
しかし部のを支配する氷のような空気が、彼のきを凍りつかせる。
宗の線が、に散らばったDNA鑑定に吸い寄せられた。
彼は震えるでその枚を拾いげる。
『父権肯定確率 99.999%』
その数字は、燃え盛る鉄の烙印のように宗の網膜に焼き付いた。
、妊娠した真由に「どこの馬の骨ともれん男の種を孕みおって」と罵声を浴びせた自分の愚かな過が、最も残酷なブーメランとなって今彼の胸を貫いたのだ。
自分の血を引く、紛れもない実の子。 自分が喉からがるほど欲しかった、完璧な継者たち。
だが、宗が顔をげて子供たちを見つめた、彼が向けられたのは懐かしさやびではなかった。
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底なしの蔑みと嘲笑だけだった。
に崩れ落ちた母と、絶望にち尽くす自分。 そしてたい瞳でそれを見ろす元妻との子供たち。
その景は、神崎の完全な崩壊を告げる枚の絵画のようだった。
京の夜空は、のあの夜と同じように、吉なほど赤黒く染まっていた。
窓ガラスを叩きつける音は、宗のの奥で今も鳴り響いている過の鳴となり、彼を苛んでいた。
宗は斎の使い古された革張りの子に、抜け殻のようにを沈めていた。
なマホガニーのデスクのには、半分ほど空になった級ウイスキーのボトルと、そしてつのUSBメモリだけがポツンと置かれている。
ホテルから屈辱のうちに追い返された直。 彼の個メールに、玲奈から直接送られてきたものだ。
件名は『の真実』。
その簡潔なタイトルは、彼がこれまで信じて疑わなかった過の記憶を、これから々に破壊するという残酷な予告状のようだった。
宗は震えるでマウスを握りしめ、を決してファイルをいた。
画面いっぱいに映しされたのは、褪せた監カメラの映像と、音声データの波形。
そのデータが再された瞬、彼は制にあの獄のようなの夜へと引き戻された。
記憶ののその夜も、今と同じように砂りのがっていた。
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神崎本邸のリビングは、母・芳の切り声で満たされていた。 当妊娠ヶだった真由は、蒼な顔でたいのに膝をつかされ、その目のには見らぬ男とでホテルの部に入っていく鮮な写真が、証拠と称してばらまかれていた。
宗は「裏切られた」という激に目が眩み、真由のどんな弁にもを貸さなかった。
彼女が流す涙を悪女の芝居だと決めつけ、軽蔑に満ちた線で見していた。
『お願い宗さん。信じて』
真由がそう言って彼のズボンの裾にすがりついた、自分はそのを虫を払うかのようにたく振り払った。
その残酷な自分の姿が、モニターのの映像ではなく脳裏に々しく蘇り、宗の呼吸を浅くさせる。
しかし、今彼の目ののモニターで再されている真実は、宗が信じ込んできた記憶とは全く異なる醜悪な裏側を映ししていた。
映像ので、当真由の倫相として捏造された男が、のを経てすっかり老け込んだ姿でカメラのに膝をつき、嗚咽を漏らしながら告を始めていた。
『私は……私はただに釣られて、言われた通りに演技をしただけなんです。美咲様からをいただき、奥様をホテルのロビーにおびきし、写真がタイミングをわせてあの写真を撮っただけなんです。