"19年間の嘘を暴いた1枚のDNA鑑定書" 第19話
鮫島は真由から奪い取ったスマートフォンを使い、ミラクル・インベストメントの本社へと脅迫の話を入れた。
その頃、ミラクル・インベストメントの代表取締役では、男の湊が氷のようにたい顔で受話器を握りしめていた。
スピーカーフォンから響き渡る鮫島の狂気に満ちた声と、母の微かなうめき声。 その音に、部の空気は瞬にして氷点まで凍りついた。
『以内に現で億と逃用のヘリを準備しろ。警察にらせたら、次におたちが見るのは母親のたくなった体だ』
隣でハッキングプログラムを操作していた玲奈の指が、見えないほどの速さでキーボードを乱れぶ。 慧は救急医療キットのを確認しながら、りに唇を噛み締めていた。
そのだった。
廊で類の決済を待っていた神崎宗が、偶然にもいていたドアの隙からその緊迫した会話をにしてしまったのだ。
宗の顔が瞬にして蒼になった。
鮫島。 その名は彼にとって忘れることのできない名だった。 かつて宗が請けいじめの限りを尽くしていた頃、最も湿なやり方で追い詰めた男。
彼がどれほど執く、そして失うものが何もないであるかを、宗は誰よりもよくっていた。
「待て!」
宗はにしていた決裁類をに落とすのも構わず、執務のへと転がり込むように入ってきた。
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「湊、そいつは鮫島だ!俺がっている。あいつはを受け取ったとしても、絶対に真由を解放したりはしない。やるぞ、あいつは本当に殺るぞ!」
突然の侵入に湊は眉を潜めた。 だが宗の瞳は、これまで見たこともないほど真剣で、そして絶望なまでに必だった。
「横浜の港湾区に、あいつが昔使っていた古い倉庫がある。違いない、きっとそこだ!」
湊が疑いの差しで父を見つめた。 だがその逡巡を断ち切ったのは、玲奈の鋭い声だった。
「お兄様、お父様の言う通りよ!携帯のGPS信号が横浜の第埠で途絶えた。過の登記報を照会した結果、そこは神崎建設の請けだった鮫島業の旧倉庫跡よ!」
所が特定されるや、湊は即座に警備チームにを請し、慧は救急キットを肩にかけちがった。
だが、彼らよりもくいた者がいた。 神崎宗だった。
彼は子供たちが制止するもなく、狂のようにオフィスをびすと、エレベーターを待つさえ惜しむように非常階段へとそのを投じた。
今の彼にとって自分の全や体面など、もはやどうでも良かった。
自分が過に犯した罪がたな怨をみ、その刃が今、真由に向けられている。 その事実が彼を耐え難いほどの罪悪で苛んでいた。
今度こそ、今度だけは卑怯に背を向けることなく、自分が盾になる。
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彼はそうに誓っていた。
宗は駐にめてあった旧式のセダンに乗り込むと、エンジンが鳴をげるのも構わず速を疾した。
スピードメーターの針はとうにレッドゾーンを振り切っている。
フロントガラスを叩きつける粒が彼の界を歪ませたが、その瞳には真由が囚われているであろう、錆びついた倉庫の姿だけが鮮に映っていた。
「頼む、無事でいてくれ。俺の命くれてやる、だから真由だけは……!」
彼はハンドルを握るがくなるほど力を込め、神に祈り続けた。
完璧な装備を持つ子供たちのチームが到着するまでには、どうしてもがかかる。 その空のを埋められるのは、この世で自分しかいない。
そのことを彼は痛いほどに直していた。
廃帯に到着した宗はを物に隠し、落ちていた鉄パイプを本、そのに握りしめた。
そして息を殺しながら、ゆっくりと倉庫のへと侵入する。
暗い倉庫の奥で、鮫島が子に縛り付けられた真由の髪を掴み、脅迫している景が目にび込んできた。
真由の顔は恐怖に引きつっていたが、その瞳だけは決して屈することなく犯を睨みつけていた。
「こんな真似をしてタダで済むとっているの?私の子供たちが必ずあなたを見つけすわ」