"19年間の嘘を暴いた1枚のDNA鑑定書" 第22話
り続いていたが、いつのにか止んでいた。 いの隙から筋のが差し込み、く激しかった嵐がようやく過ぎろうとしていることを静かに告げていた。
術の張り詰めた空気は、まるで限界まで引き絞られた弓弦のように緊張に満ちていた。
無灯のたいの、次男の慧は寸分の狂いもなく父・宗の傷ついた腹部にメスをらせていた。
彼の額からは玉のような汗が流れ落ち、マスクの内側で荒い呼吸が繰り返される。
本最峰の科医である彼にとっても、この術はで最も過酷で、そして最も切実な戦いだった。
メスの先にかかっているのは、単にのの命だけではない。 もの複雑に絡みいねじれてしまった族という名のそのもつれた糸を断ち切り、たな絆として再び紡ぎ直すための、最のそして唯の会。
そのあまりにもい責任が、彼の両肩にのしかかっていた。
術のでは、真由と湊、そして玲奈が互いのを固く握りしめ、ただひたすらに赤く灯る「術」のランプを見つめ続けていた。
を超える術。 疲労はとっくに限界を超えていたが、誰としてそのをれようとはしなかった。
ただ沈黙のでそれぞれの祈りを捧げていた。
真由は宗が最の瞬に見せた、あの自己犠牲に満ちたをいし、胸が張り裂けそうになるのをじていた。
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自分はこれまで彼を憎むことにを囚われすぎていたのではないか。 そのの奥底にまだ消えずに残っていたの欠片から、目を背けていただけではないのか。
湊と玲奈もまた、父親が自分たちを守るためにためらいなく刃のにを投げしたあの衝撃な景を忘れることができなかった。
固く結んだ唇から、浅いため息が漏れる。
やがて、「術」のランプがふっと消えた。
は弾かれたように顔をげる。 術の扉がき、疲れ果てた表の慧が、濡れた術着のままゆっくりと姿を現した。
彼の顔は極度の疲労で蒼だったが、その瞳だけはこれまでにないほど澄み渡り、く輝いていた。
彼は配そうに見つめる族に向かって静かに、しかし力く頷いて見せた。
「峠は越した。損傷は激しかったが、幸い致命な部分はれていた。あとは回復を待つだけだ」
慧の淡々とした、しかし確信に満ちたその言葉に、真由は全の力が抜けてそのにへたり込んだ。
湊と玲奈は互いをく抱きしめ、こらえていた涙をようやく流した。
それは堵の涙であると同に、初めての底から「父」と呼べるを取り戻した、子供たちの遅すぎた解の涙だった。
週。 宗はVIP病棟の個で、いから覚めるようにゆっくりと目をいた。
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窓から差し込む柔らかなの差しが、彼の界をく満たす。
瞬自分はんで国にでも来たのかと錯覚したが、をつく消毒液の匂いと全を包む鈍い痛みが、ここがまだこの世であることを彼に教えていた。
線を横に向けると、ベッドの脇で真由がにりんごの皮を剥いている姿が目に映った。
としも変わらない、その美しい横顔。
宗は込みげてくるに喉を詰まらせ、何の言葉も発することができなかった。
気配に気づいた真由が顔をげる。 の線が静かに交錯した。
宗は慌てて目をそらし、しゃがれた声で呟いた。
「俺のような男を助けるために……すまなかったな。いっそなせてくれれば良かったものを」
その自嘲に満ちた言葉に、真由は剥きかけのりんごを皿のに置くと、彼の顔をじっと見つめた。
「あなたの命はもうあなただけのものじゃないのよ。あなたは私たちにかけて借りを返すんでしょう。奴隷のように尽くして奉仕し続けると、そう決めたんじゃないの。こんなところで簡単にんで逃げるなんて許さないわ」
真由の声はぶっきらぼうだった。 だがその奥に隠された温かい響きを、宗は確かにじ取ることができた。
その病のドアがき、湊、玲奈、慧が入ってきた。
そのには見いの品である果物かごや健康品が抱えられている。