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"妻の手術日に3000万奪った夫の代償" 第9話

雅美もきなツバの子を押さえながら、満げに周りを見渡していた。

見て、あなた。空気が違うわ。本のじめじめした空気とは違いよ。

ああ。ここなら、あの親父のも届くまい。

く息を吸い込み、翔太の肩を叩いた。 翔太も、本の空港での屈辱をすっかり忘れたかのように、自信に満ちた笑みを浮かべていた。 千万円というとこの絶景が、彼らに無敵の全能を与えていたのだ。

彼らはの乗客たちと共に、ゆっくりと入国審査のカウンターへと向かった。 レーンはなく、順番待ちはそうだ。 しかし彼らのは楽園への期待で満たされており、その程度の待ちは苦にもならなかった。

ホテルに着いたら、まずプールサイドでシャンパンね。

俺はすぐにジェットスキーを借りるぞ。

これから始まる豪遊の計画を、彼らは楽しげに語りっていた。 やがて、彼らの番が来た。 代表して翔太が、分のパスポートを束ね、審査官に差しした。

審査官は褐の肌をした穏やかそうなの男性で、にこやかにパスポートを受け取った。 翔太のパスポートが、スキャナーのを滑る。

その瞬だった。

ビーーーーーーーーーッ!!

静かだった空港のホールに、けたたましい警告音が鳴り響いた。 穏やかだった審査官の表が、瞬で凍りつく。

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彼は驚いたようにモニター画面と翔太の顔を度と見比べた。

警告音に、周囲の旅客たちが何事かと振り返る。 ホール線が、結点に集した。

ど、どうしたんだ?

翔太が怪訝な顔で審査官に尋ねる。 しかし審査官は翔太の問いには答えず、受話器をに取り現の言葉で何かをにまくしたて始めた。 その声は、らかに緊張のを帯びていた。

な、何なのよ……。

雅美の顔から、すうっと血の気が引いていくのがわかった。 玲奈もげに翔太の腕にしがみついている。

わずか数分。 ホールの奥から、屈な体格をした武装警官名がに現れた。 彼らは切の躊躇なく、真っ直ぐに結の方へと向かってくる。 そのは、腰にげたホルスターに添えられていた。

「Shota Yuki?」

警官のが、い威圧な声で尋ねた。

イエス、バット……そうですが。

翔太が戸惑いながら答えた。 そのだった。警官は、たい声で信じ難い言葉を告げた。

「あなたのパスポートは失効している。国際配の指令により、あなた方全員を法入国容疑で拘束する」

パスポート、失効……?

その言葉が、彼らので反響する。 が理解できない。

「We must take you into custody.」

ま、待ってくれ! 何かの違いだ! 俺たちは……!

翔太が叫ぶが、警官たちは聞くを持たない。 彼らは結を取り囲み、無を言わさず腕を掴むと、別へと連しようとした。

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いやっ! して! 私たちは旅に来たのよ!

玲奈の鳴が、空港のホールに響き渡った。 雅美も誠も、ただ呆然とち尽くすばかりだ。

彼らが引きずられるようにして連れてかれたのは、空港の片隅にある窓もない殺景なだった。 パイプ子がつ、無造作に置かれているだけ。 ドアのには、武装した警官が仁王ちしているのが見えた。

楽園の入りは、瞬にして鉄格子なき牢獄へと姿を変えた。

体どうなってるのよ! 翔太、説しなさい!

雅美が半狂乱で息子に詰め寄る。 だが翔太にも、何が起きているのか全く見当がつかなかった。

い沈黙が支配する部のドアがき、男性が入ってきた。 胸には使館の職員であることを示すバッジが付けられていた。

男は切のを見せない能面のような顔でを見渡すと、枚の類をテーブルのに置いた。

モルディブ本国使館の者です。 あなた方名のパスポートは、本政府務省からの正式な請に基づき、本付けで失効となりました。 あなた方は業務横領及び詐欺容疑で、国際指名配されています。

絶望が、部の空気を満たした。 そして使館員は、最の追い打ちをかけるようにたく告げた。

堂島ホールディングス、堂島宗からの伝言をお預かりしております。

が、ハッと顔をげる。

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