みかん小説
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"見えない星" 第11話

悔しさと恐怖に苛まれ、真っ暗で震えていた彼女の魂に、温かく力気に差し込んできたようだった。

「お父さん……お母さん……!」

はる子は奥の部へと駆け込み、布団のを起こしていた両親のに膝をついて、を広げて見せた。 事の顛末を涙ながらに語る娘の姿を、両親は驚きに目を見張りながら見つめていた。 を老鏡越しに読み終えた父親は、震えるを伸ばし、はる子のを優しく、力く撫でた。

「はる子……本当によく頑張ったな。真面目に、誠実にきていれば、神様はちゃんと見ていてくださるんだな……」

母親もまた、自由なで目を押さえながら、何度も何度も頷いて涙を流した。

翌週の。 抜けるような青空の、はる子はしく支された濃紺のパンツスーツにを包み、グランドホテルの正面エントランスのっていた。 かつて作業着姿で通用から入りしていた所ではない。宿泊客やVIPを迎え入れる、ガラス張りの回転扉のである。 はる子がを踏み入れると、ロビーで待していた総支配が駆け寄り、々とげた。

「田はる子様、お待ち申しげておりました。どうぞ、こちらへ」

周囲のスタッフたちの驚嘆の線を浴びながら、はる子は最階の会へと案内された。

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製のドアがかれると、デスクの向こうから、スーツ姿の田が満面の温かい笑みを浮かべてがった。

「はる子さん、よく来てくれましたね」

はる子は直し、礼した。

田さん……いえ、会。この度は、本当に……」

田は歩み寄り、はる子の目ので首をさく横に振った。

「プライベートでは、以の通り『田さん』で構いませんよ。私たちは、共にを拭いた友なのですから」

その温かい言に、はる子の緊張はふっと解け、胸の奥底から込みげる謝のとともに、自然な笑顔がこぼれた。 肩きやがいかに劇に変わろうとも、に結ばれた魂の信頼関係は、何つ変わっていなかったのである。

その田の指示により、はる子はフロントの応接へと案内された。 そこに待っていたのは、青ざめた顔で直していた佐藤京子と美奈であった。 はる子が部に入ると同に、に膝をつかんばかりの勢いで々とげた。の目からは、悔と恥辱の涙がとめどなく溢れていた。

「はる子さん……! 本当に、本当に申し訳ありませんでした……!」

佐藤が震える声で叫んだ。

「私たちは……あなたの純粋な働きぶりや、お客様からの信頼に嫉妬していたんです。契約社員のあなたがあんなに輝いているのが許せなくて……最な嘘をついて、あなたを追いそうとしました……!」

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もまた、を見つめたまま嗚咽を漏らした。

「私も同罪です……佐藤さんに流されて、緒になって嘘の報告を作ってしまいました……本当にごめんなさい……!」

の激しい謝罪を受け止めながら、はる子は静かに息を吸い込んだ。 かつて自分を絶望の淵に突き落とした相であった。しかし、その瞳を見つめるはる子のには、憎しみや復讐は微も湧きがってこなかった。 はる子はへと歩み寄り、穏やかな笑みを浮かべて静かに語りかけた。

「分かりました。おの気持ちは、しっかりと受け止めました。……顔をげてください。これからは、同じホテルの仲として、緒にお客様のために頑張りましょう」

その無条件の許しと慈に満ちた言葉に、佐藤とはさらに激しく涙を流し、ただただげ続けた。 その様子をドアの隙から見守っていた田や総支配、そしての職員たちも、胸を打たれ、を揺さぶられていた。 真のさとは何か。真のサービスを支える優しさとは何か。田はる子という女性は、自らの寛容なをもって、その答えを雄弁に示していたのである。

それから、はる子は設された「顧客サービス教育部」の責任者として、持てるすべての量を注ぎ込んで業務に取り組んだ。 彼女は机のの理論を教えることはしなかった。

自ら入社員やフロントスタッフとともに客に入り、シーツの端を揃える指先の力の込め方、廊でお客様とすれ違う際の会釈の角度、そして何より、言葉の通じない国客に対してどのような構えで寄り添うべきかを、自らの体を通して伝えていった。

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