"19年目の妊娠と妻を階段から突き落とした姑" 第10話
額は2名分で数万円、付は志が「残業で遅くなる」と嘘をついた夜だった。
さらに、名ブランドの女性用アクセサリーを購入した細まで見つかった。
結婚してから数、志からプレゼントなどつとして貰ったことはなかった。
夫が自分以の女性と貞関係にあることは、ずっとから々とづいていた。
だが、その疑惑が決定な確信へと変わり、たい絶望が全を支配した瞬だった。
もし今、この状況で妊娠の事実を志に告げたらどうなるか。
夫はぶどころか、邪魔が入ったとばかりに舌打ちをし、顔をしかめるだろう。
との関係を清算するどころか、ますますに寄り付かなくなるに違いない。
そして、義母のかよに至っては目に見えていた。
『どうせ、うちからを巻きげるために作ったんでしょう』
『本当にうちの息子の子供なのかしらね』
そのような無い言葉を平然と浴びせかけ、精神に追い詰めてくるに決まっていた。
この狂気と悪に満ちたので、このかい命を無事に育てることなど絶対にできない。
そう悟ったその、ミキはで泣き崩れることをきっぱりとやめた。
相に期待して縋り付くのではなく、確実に逃げすための準備を始める決を固めたのだ。
そのから、ミキの綿密な記録が始まった。
広告
義母から浴びせられた暴言の数々は、言句違わずに帳へと共に記録した。
夫の自然な泊や、夜にベランダで隠れてう話の履歴も全てメモに残した。
常な会話を記録するため、型のボイスレコーダーを常にエプロンのポケットに忍ばせた。
いつか必ず訪れる、このから完全に脱するのために。
そして、何よりもお腹のの子供を絶対に守り抜くために。
方、方の支次である志は、今も職で何わぬ顔で過ごしていた。
員としての社会信用と体面は、志にとって命の次に切なものだった。
周囲からの「真面目で誠実な次」というい評価。
それさえ維持できれば、庭内で起きた妻の失踪など、適当に処理できるとをくくっていた。
昼休み、応接のいドアが静かにいた。
取引先企業の営業担当者という名目で、レナがで部に入ってきた。
目のない密で、2は当然のように親しげに体を寄せった。
レナは悪魔のような笑みを浮かべ、志の胸元に指をわせた。
「ねえ、奥さんの荷物、本当に全部処分しちゃったの?」
志は淹れたてのコーヒーをに含み、得げな表を作った。
「ああ、綺麗さっぱり片付けたよ。これで俺の部も広くなった」
志はソファに背を預け、傲な笑みを浮かべた。
広告
「今度の週末、しい具でも見にこうか」
レナは目を輝かせ、志の首に抱きついた。
「本当? 嬉しい!」
2は完全に、自分たちの都の良い妄の世界に浸りきっていた。
ミキが置いていったあの婚届を役所に提しさえすれば、すぐにでも輝かしい活が始まると信じ込んでいた。
だが、志の預かりらぬ面で、彼のの基盤は音をてて崩壊を始めていた。
同じ頃、弁護士の藤堂は、ミキから預かった帳の最のページをいていた。
そこには、震える跡で、しかし力くこう記されていた。
『今、お義母さんに階段のから突き落とされた』
『あのは、私よりもとの密会を優先し、病院へ来なかった』
『もう度と、このたちに私のを汚させはしない』
藤堂は帳を静かに閉じ、徹なを宿した瞳でデスクの話をに取った。
これまでの証拠は、法に完璧なまでに揃っていた。
ミキからの委任状も正式に受理されている。
あとは、相の逃げを完全に塞ぎ、息の根を止める法続きを械に執するだけだった。
藤堂は志の勤務先である方の代表番号へとダイヤルした。
の応接で、レナと戯れていた志のスマートフォンが突然震えた。
画面には、見慣れない内局番の固定話が表示されていた。
志は襟元を正し、いつもの営業用のの良い声で話にた。
「はい、ですが」