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"私の命を八千万円にした夫の末路" 第10話

に、クリアに。 レナの切り声が、マイクに吸い込まれていく。

「黙りなさい、このバカ娘!!」

が、レナの頬を平打ちした。 パァン、と乾いた音がリビングに響き渡る。

「真由に聞こえたらどうするのよ! まだにいるのよ!」

「痛っ……! ぶったわね!? いいわよ、だったら兄ちゃんにも全部ぶちまけてやる! 兄ちゃんが『やっぱり真由を殺すなんてできない』って泣き言言ってたの、ママが『じゃああんたが代わりに首でも吊るのね』って脅したこと、全部録音してあるんだから!!」

録音。

その単語に、私のがった。

「あんた、まさか……」 の声が、恐怖で震えした。

「当たりでしょ! あんたたちが私を裏切ったの保険よ! 兄ちゃんの具箱のの引きしの奥に、古いボイスレコーダー隠してあるからね! あの庫で、あんたたちがブレーキのホースに針巻きながら『これで確実にぬ』って話してた会話、丸ごと入ってんだよ!!」

具箱。 庫の、修具箱。

私の全を、撃のような衝撃が貫いた。

それだ。

私が喉からるほど欲しかった、言い逃れの絶対にできない、決定な「の声」の証拠。

「レナ、あんたなんてことを……!」

がレナに掴みかかり、はリビングのでもみいを始めた。 互いの髪を引っ張りい、罵声を浴びせう。

で繋がっていた族の、あまりにも醜い自壊。

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私はその隙を見逃さなかった。 音を消し、勝からへと滑りた。

りのが、私の肩を濡らす。

トタン根の庫。 シャッターの奥から、のアイドリング音がく響いていた。

ブルルン、ブルルン……。

排気ガスの煙が、の湿気と混ざりって漂っている。

運転席に、修の姿はなかった。 運転だけをセットして、彼は今、の様子を見に戻っているのだろう。

がない。 修が戻ってくるに、見つけさなければならない。

私は庫の隅にある、赤錆の浮いたスチール製の具箱へと駆け寄った。

いフタをける。 の段には、スパナやレンチが無造作に転がっている。 段目、ボルトやナットの箱。

そして、段目。 の、い引きし。

を突っ込み、油まみれのウエスや、古いサンドペーパーを掻き分ける。

指先が、たい属の塊に触れた。

引っ張りす。

のひらに収まるサイズの、黒いボイスレコーダー。 表面の塗装は剥げ、液晶画面には無数の傷がついている。

側面の再ボタンに、震える指をかけた。

『……おい、修。そこ、もっとく削れ』

の、押し殺したような声。

『だ、だけど母さん、これ以削ったら、してすぐに破裂しちゃうよ……』

『バカね! で止まられたら困るのよ! 箱根のり坂、あの急カーブの連続で、何度もブレーキを踏ませるの! と圧力で気に破断させなきゃ、ただの良の単独事故に見えないじゃないの!』

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『……う、うん。わかった。針、これでいいかい』

『ええ。これでハンドルを切るたびに、ゴムが擦れるわ。 ……ふふ、真由さんもにねえ。 でも、あの子の命で、うちのが救われるんだから。 んで初めて、佐伯の役につんだわ』

『……真由、悪くうなよ。おの代わりなんて、さえあればいくらでもに入るんだからな』

カチリ、と音声が途切れた。

音が、トタン根を激しく打ち付けていた。

ザァザァと、世界を押し流すような豪

私ののひらので、ボイスレコーダーがたくっている。

これだ。

夫の修。 姑の。 そして、姑のレナ。

この族全員が、共謀して私を殺害しようとした、かぬ証拠。

「……何してるんだ、真由」

から、く掠れた声が響いた。

臓が、がった。

ゆっくりと、振り返る。

庫の入りに打たれながら、修っていた。

その目は血り、唇は青に変し、異様なを放ちながら私を見据えていた。

には、古い属製のタイヤレバーが握りしめられていた。

トタン根を打ち付ける音が、庫のに反響していた。

ザァザァと、鼓膜を塞ぐような轟音。 排気ガスの鈍い煙が、コンクリートのうように漂っている。

歩、また歩と濡れた靴音をててた。 に握られた、鈍くるタイヤレバー。

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