"8歳娘のカップ麺と家族カード全停止" 第1話
品川の自宅の玄関に着いた、スマートフォンの画面は夜の117分を指していた。
エレベーターの扉がき、廊のセンサーライトが眩しいほどるく点灯した。
私の肩にのしかかる鞄のには、まだ目を通せていない会議資料がのように詰まっていた。
午3、私は夫のレオにメッセージを送っていた。
私はスマートフォンの画面を見つめながら、文字を打ち込んだ。
「仕事が終わったら、りんを連れて親戚の事会にってね」
午6、私はもう1度メッセージを送り、到着したかどうか尋ねた。
夜の8半頃、会議をてをみながら画面を確認した。
彼からの返事はたった言だけだった。
「分かった」
私は子錠をけてに入った。
リビングの気は消えており、キッチンの方からだけ微かなが漏れていた。
私は周囲を見回した。
キッチンの、蔵庫の横に8歳のりんがしゃがみ込んでいた。
そのさな胸には、すっかり伸び切ったカップラーメンが抱えられていた。
さなスプーンはスープのに止まったままで、元には画面が真っ暗になったキッズ携帯が転がっていた。
私の声に、娘がゆっくりと顔をげた。
の周りにはラーメンのスープがついていて、目はい泣くのをしていたかのように真っ赤だった。
娘は私を見るなり、最初にこうにした。
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「ママ」
私は玄関に鞄をろし、駆け寄ってしゃがみ込んだ。
ラーメンのスープはすでにたくなっており、麺は分を吸い尽くして1つの塊になっていた。
私はを伸ばし、娘のを握ってみた。
氷のようにたかった。
私は娘の目を見つめ、静かに尋ねた。
「パパは今、おじいちゃんとおばあちゃんのおでご飯をべるって言ってたよね」
りんは俯いたまま、スプーンを器に置いた。
娘は蚊の鳴くようなさな声で答えた。
「パパがまで連れてってくれたんだけど、話がかかってきたの」
りんはさらに言葉を続けた。
「その、おばあちゃんから話があって、今は切なお客さんが来るから、私は女の子だからご飯をべに来ちゃだめだって」
私はを伸ばし、娘のスマートフォンをに取った。
ボタンを2回押してみたが、何の反応もなかった。
娘はまるで自分が壊してしまったものを差しすかのように、スマートフォンを私の方へ押しやった。
娘は申し訳なさそうに言った。
「ママに話したかったんだけど、充がなくなっちゃったの」
りんは顔を伏せた。
「パパが、すぐに戻るからしだけ待っててって言ったの」
私は真っ暗な画面をじっと見つめた。
指先が瞬にしてたくなった。
キッチンの調理台のにはけかけのカップラーメンの袋があり、気ケトルの横にはりんが踏み台にしたさな子が置かれていた。
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スイッチにが届かないため、1で子に登り、お湯を注いだのだ。
もし湯で傷でもしていたらと考えると、にはが誰もいなかった。
私はカップラーメンを片付け、娘を抱きげた。
りんはあまりにも軽すぎた。
娘は私の肩に頬を寄せたまま泣きはしなかったが、全が張っていた。
りんは震える声で呟いた。
「ママ、私がけなかったのは、私が女の子だから」
喉の奥が何かに塞がれたように苦しくなった。
私は12も会議に缶詰になり、会社の半期予算を勝ち取り、気まぐれなクライアントの求を全で受け止めてきた。
それなのに、私の娘は誰もいないでカップラーメンを抱え、自分が女としてまれたからご飯べる資格すらないのかと尋ねている。
私はすぐに答えることができなかった。
をいた瞬、声がガタガタと震えてしまいそうで怖かったからだ。
私は牛乳を温め、目玉焼きを1つ作った。
りんは卓に座り、さなでしずつべながら私の顔を伺っていた。
私は充器に繋いだキッズ携帯の源を入れた。
着信の履歴に、レオの番号はなかった。
私がかけた3回の着信履歴だけが残っていた。
私は自分のスマートフォンをき、義実の親族のグループチャットをいた。
チャットはまるでお正のように賑わっていた。