"3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻" 第4話
結婚指輪だった。
指輪のには、婚届が置かれている。
啓介はしばらくそのにち尽くしていた。
昼の桜の言葉が脳裏に蘇る。
『私今からあなたの妻を辞めるから』
彼は類をに取り、素く目を通した。
すでに署名がされている。
協議は弁護士を通じてうというい文があるだけだ。
傷なも、み言も、懇願もそこにはなかった。
啓介は馬鹿げているとでも言うように笑った。
「どこまでもガキだ」
だが、その笑みはくは続かなかった。
寝のクローゼットをける。
桜が部着によく着ていたコートが消えていることに気づいたからだ。
洗面所には、彼女の歯ブラシ1本すらなかった。
その夜、啓介は初めて眠ることができなかった。
最初は腹がった。
次にプライドが傷ついた。
夜1を過ぎると、彼は運転に話をかけた。
桜の実に誰かいるか確認させた。
帰ってきた答えは、誰もいない、だった。
夜2には、桜と親しかった学代の友に話した。
相は、ここ数ヶ連絡を取っていないと言った。
夜3。
啓介はベッドに横になったが、すぐに起きがった。
の至る所に、桜の痕跡が残っていた。
ベッドサイドのテーブルには、彼が寝るにむサプリメントが付ごとに分けられている。
ウォークインクローゼットには、来週のパーティーで着るシャツがクリーニングのビニールに包まれたままかかっている。
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斎では、役員会の資料が別にファイリングされていた。
なのに、その全てを準備していた当だけがいない。
啓介はリビングにてソファに座った。
まだる権利は自分にあるはずだ。
そういたかった。
だから、秘にメッセージを送った。
『誰も桜に連絡するな。自分から帰ってくるまで放っておけ』
メッセージを送り、スマートフォンを置いた瞬だった。
リビングの照が1つ、また1つと消えていった。
桜が毎晩12半に設定していたタイマーだった。
リビングが暗に包まれる。
啓介は突然ちがると、全ての照を再びつけた。
理由は分からなかった。
ただ、暗のでこのがひどく空っぽに見えたからだ。
翌朝になっても、桜は帰ってこなかった。
啓介は勤の準備をしながら、ネクタイを3度も結び直した。
いつも桜が選んでくれていたの組みわせをいそうとしたが、うまくいかない。
結局、適当な本を掴んで会社に着いた。
秘が慎な面持ちで報告してきた。
「会。奥様名義で管理されていた共同名義のクレジットカードが、昨夜解約されました」
彼は元のタブレットを確認しながら続ける。
「ご族の携帯話のセット割引も解除されています。それから、ご自宅の管理システムから奥様のアカウントが削除されたとのことです」
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啓介のが止まった。
「なんだと」
秘はさらに言葉を継いだ。
「提携している法律事務所からも連絡が。今の婚に関する事項は全て代理を通していただきたいと」
啓介はしばらく言葉を失った。
昨まで彼は、桜が数には自分のに現れるとを括っていた。
った顔で謝罪を求してくるだろうと。
だが彼女は、りをぶつけるためのパイプラインそのものを1つずつ断ち切っていた。
その、彼の線はデスクの隅へと向かった。
昨のい封筒がまだそこにある。
啓介はを伸ばしかけたが、ためらった。
数秒封筒を睨みつけた、引きしをけてその奥へと押し込んだ。
読みたくなかった。
まだ、自分が違っていたと認める準備ができていなかったからだ。
代わりに、彼はたく言い放った。
「探すな」
秘が驚いて顔をげた。
啓介は窓のを見ながら付け加えた。
「数もすれば、自分から帰ってくる」
しかし、そのの午、桜のパスポートが自宅にないという報告が入った。
翌には、彼女が使っていたメールアドレスが削除された。
4目の朝、啓介は初めて当たりのない番号から桜に話をかけてみようとした。
だが、もはや連絡先すら残っていなかった。
そしてそのになってようやく、ごくさなが彼の胸ので芽え始めた。