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"3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻" 第12話

「俺が桜がいなくなってから、君に最初に渡した権限は何だった?」

リナのがティーカップの横でごくわずかに止まった。

「スケジュールの調と、部の内部決済でございます」

啓介が目を細める。

「戦略のフォルダーもか」

リナは啓介の顔を伺った。

「必に限りと、会が直接ご承認されました」

それは事実だった。

だからこそ、より危険だった。

啓介は表を変えずに類をめくった。

リナがおずおずと尋ねる。

「何か問題でも?」

「いや」

リナは探るようにく。

「最、会のご様子が優れないようで配で……」

啓介のが止まる。

リナはもう歩踏み込んだ。

「奥様の件でご自分を追い詰めていらっしゃるのでは?あののことは本当に誤解だったというのに」

その瞬、啓介の差しが凍るようにたくなった。

「誤解?」

リナは息をんだ。

啓介はゆっくりと席をった。

「あの、君が辛いと言うから俺は君を抱きしめた。俺が線を越えたんだ。桜が見たのは事実だ。何が誤解だ?」

リナは初めて狼狽した。

の啓介は、いつもあの来事を弁護していた。

何もなかった。桜が過敏なだけだと。

なのに今、啓介は自分自から否定し始めている。

「会、私はそういうでは……」

啓介は彼女の言葉を遮った。

「今、桜のことについて君の見は言うな」

リナはげた。

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「かしこまりました」

た瞬、彼女の顔から従順な表が消えた。

その夜、リナはめた自分ので古いスマートフォンを取りした。

画面には登録されていない番号が1つだけ表示されている。

通話が繋がると、彼女は素く言った。

ったよりく疑い始めたみたい」

が何かを尋ねると、リナはバックミラーで周囲を確認した。

「まだ証拠はないわ。でもアクセス記録を調べてるっぽい」

しばらく沈黙が流れる。

リナは指でハンドルを叩いた。

「これ以データを抜くのはしばらくやめましょう。もう渡した分だけで分でしょう」

が乱暴に何かを言うと、リナの差しが鋭くなった。

「最初の約束と違うじゃない。私は会社を丸ごと潰すなんて言ってないわ」

その言葉は嘘ではなかった。

リナが名グループに入社した、彼女が望んでいたのは啓介に傷を負わせることだった。

彼女の父親がを畳んだ、ニュースでは若き経営者啓介の成功した事業が賞賛されていた。

だがリナのでは、そのから借の督促話が鳴り止まなかった。

彼女は、啓介という名を憎んできた。

そして実際に彼の秘になってみて分かった。

啓介はったよりも簡単に隙を見せた。

称賛にく、静を装いながらも認められたがり、自分を必とするに甘かった。

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リナはその点を利用した。

しかし桜が姿を消してから、全てが予きく揺れいた。

啓介は会社よりも桜に執着した。

リナに渡された権限は当初の計画よりはるかにきかった。

欲がた。

被害者の娘で終わりたくなかった。

今度は自分が、このゲームの駒をかすになりたかった。

しかしその欲望が、今自分の首を絞め始めていることも彼女は理解していた。

その頃、桜は京に戻ってきていた。

彼女を受け入れてくれたさな投資会社で、契約アドバイザーとして働き始めた。

最初のプロジェクトは、倒産寸活用品メーカーだった。

華やかなオフィスも送迎のもない。

毎朝に乗って勤し、自ら取引先の倉庫にを運んで庫を確認した。

最初の1ヶ、誰も彼女を特別しなかった。

むしろいキャリアのブランクを持つだと、疑いの目を向ける社員もいた。

桜は言葉で自分を証しようとはしなかった。

数字と結果で示した。

問題の赤字事業を全て切り捨てるのではなく、1つは独させた。

1つは別の流通会社との共同運営に切り替えた。

理したのは最の1つだけだった。

代表が驚いて尋ねた。

「誰もが全て売却すべきだと言っていたのに、なぜ1つ残したんですか?」

桜は淡々と答えた。

「赤字だからと言って価値がないわけではありませんから。

無理に縛りつけていると、健康な事業まで緒にんでしまいます」

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