みかん小説
本棚

"3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻" 第17話

そしてその笑顔を奪ったのが自分自だったという事実が、改めて胸に突き刺さった。

そのの夕方、啓介は桜が会議に1で残っているのを見つけ、ドアのった。

ノックをすると桜が顔をげた。

「どうぞ」

啓介はに入ったが、向かいの席には座れず、しばらくったままだった。

「会社、再させることにしたんだってな」

桜は類を理しながら言った。

「まだ決定ではありません。条件を満たすことが提で」

啓介が尋ねる。

「それが、会職を辞めることも条件に入ってるのか」

桜が彼を見た。

「必であれば」

啓介は微かに笑った。

の彼なら侮辱だと受け取ったであろう言葉だ。

議だな。3は会社が俺の全てだとってた」

桜は答えなかった。

啓介は静かに言葉を続けた。

「今はもう、会社を失うことは怖くない」

「そんなこと言わないでください」

桜が即座に言った。

「あなたがどうでもいいという態度を取れば、残された社員たちが責任を負うことになる。それはまた別の無責任です」

啓介は彼女を見つめた。

「相変わらず俺より会社のことがよく見えてるんだな」

桜の差しがし揺れた。

啓介はい声で言った。

「悪かった。君がしてくれたこと。俺は自分の能力だと勘違いしていた。君が俺のろにいるのが、当たりだとってた」

桜が顔を逸らす。

広告

「その言葉を聞きに戻ってきたわけではありません」

「分かってる」

啓介はゆっくりと息を吐いた。

「それでも、言わなきゃならないから言ってるんだ」

桜はしばらく沈黙した。

啓介はそれ以づかなかった。

「それから、あの子のことも」

彼の声が初めて震えた。

桜の指先がごくわずかに固まる。

啓介は線を落とした。

「ごめんという言葉じゃりないのは分かってる。君が1で病院にいたあの、俺は……」

「やめて」

桜は言った。

声はかったが、断固としていた。

啓介が顔をげる。

桜は瞬目を閉じてから、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「あの子、あなたを罰するために使いたくない。あの記憶まで私たちの争いの具にしたくないの」

啓介の唇が固まった。

「それでも俺は、……」

「それはあなたの業よ」

桜は彼を真っ直ぐに見つめた。

「私の分まで罪悪を背負おうとしないで」

、リナの事件に関する最の民事続きの結果がた。

リナはすでに内部報の漏洩と契約違反で刑事責任を負っており、業界で再び働くことは困難な状況だった。

しかし桜は調査の過程で、リナが単独で全てを計画したのではないことを発見していた。

部の投資会社が彼女の個みと欲望を利用し、よりきな報漏洩を求していたという記録を見つけたのだ。

グループの法務部は、リナ1に全ての責任を押し付ける方が会社のイメージにとっては得策だと主張した。

広告

だが桜は反対した。

「事実をそのまま公表してください。会社の内部統制の失敗も含めて」

ある役員がな表で言った。

「わざわざ々の非まで認める必がどこにある?」

桜は静に答えた。

「今回も隠蔽すれば、次の誰かに同じ扉をけてやることになります」

啓介は会議の末席で彼女を見つめ、やがて言った。

「桜さんの言う通りにしよう」

会議が終わった、ある役員が啓介にこっそり尋ねた。

「会、本当にあの女の言う通りに何もかもめるおつもりで?」

啓介はしばらく、桜がていったドアを見つめていた。

そして答えた。

「以は自分が正しいとい込んで、の話を聞きませんでした。今は、なくとも自分が違う能性があることをっています」

それは啓介がこの3で学んだ最もきな変化だった。

だがその変化が、桜を取り戻してくれるわけではなかった。

経営再建の最終案が承認された、名グループは核事業を維持する代わりに、啓介の権限を幅に縮した。

した取締役の監督を受けることになったのだ。

啓介は経営の第線からに退くことに同した。

本社のには記者たちが詰めかけたが、桜はメディアのつことはなかった。

彼女にとってこれは復讐の勝利でも、華々しい帰還でもなかった。

ただ、終わらせるべき仕事だった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: