"50件のSOSと愛人親子に回した救助車" 第14話
社取締役、主株主、そして監査委員会のメンバーがいテーブルを囲んでいる。
川武史は最も座にい席で、配られた資料に目を通していた。
この数で目に見えてやつれたものの、彼は必に平静を装っていた。
勇気のとリゾートへの滞の事実は、すでに社内の部に広まり始めていた。
だが、まだマスコミに具体な内容が漏れたわけではなかった。
武史はこれを、あくまで族の問題と社内の事務なミスとして処理できると信じていた。
総会のまで、彼は何もの役員に話をかけ、根回しをしていた。
ある取締役が慎に救助両の件を尋ねると、彼はためらうことなくこう答えた。
「豪という緊急事態でのやむを得ない判断でした」
彼は余裕の表を作った。
「続きの問題があったとすれば、私が内部で責任を取ります」
その言葉の裏には、変わらぬ確信があった。
自分のは過ちだとしても、それは分に修正能な種類のものだという確信。
で償い、に役職を退き、が経てばまた元の所に戻れるという傲な信頼だった。
しかし総会が始まる直、会議のドアがき、田健弁護士と共に幸恵が入ってきた。
内の線が、斉に彼女へと注がれる。
武史は子から弾かれたようにちがった。
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「幸恵。なぜ君がここに?」
幸恵は彼を見ようともせず、田にだけさく頷いた。
田が議役の役員に類を渡しながら、厳かに告げた。
「故川勇気君が保しておりました株式の議決権代理として、母である川幸恵様がご席されました」
会議がざわめき始めた。
武史は最初、その言葉のが理解できなかった。
「代理だと?」
田はあらかじめ準備していた封筒を、テーブルのに置いた。
「故グループ名誉会の別遺言執条件、及び勇気名義の信託株式に関する資料です」
武史の差しが凍りついた。
彼は勇気がグループの株を部持っていることはっていた。
祖父が孫に与えた、ささやかな贈与だに考えていた。
しかしその株が正確にどれほどの規模で、勇気が未成のままくなったにどのような条件が発するのかまでは全くらなかった。
田が封を切り、内容を読みげ始めた。
「故川勇気君に帰属するグループ主関連会社の統議決権比率は、計で12%となります」
彼は同を見渡した。
「当該株式は勇気君が成するまで信託管理されますが、成に達するにした、その議決権は父親に自に承継されることはありません」
瞬、武史のきが止まった。
田は次の文章をゆっくりと、はっきりと読みげた。
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「『直接の養育を継続した法定代理に議決権の使を委任する』」
田は幸恵の方を向いた。
「本条件における直接の養育者は、母親である川幸恵であると、ここに確認いたします」
再びきな揺が会議を包んだ。
武史は席からちがり、叫んだ。
「馬鹿な。私が実の父親だぞ。なぜ私に権利がない?」
田は顔をげた。
「所権と議決権は別物です」
彼は淡々と説した。
「故先代会は、この点を確に区別しておられました」
武史は現会である父親を見た。
「父は……現会はこのことをっていたのか?」
「いいえ。現会にも条件のすべては示されておりませんでした。これは先代会の独した遺言執報です」
そのになって初めて、武史は数ヶに父親から言われた言葉をいした。
『勇気をおの経歴の部みたいにうな。あの子の隣にいるが誰なのか、よく見ておけ』
当、彼はその言葉をただの説教として聞き流していた。
幸恵は自分のに置かれた議決権の確認を、しばらく見つめていた。
12%という数字は、彼女にとって勝利の証などではなかった。
その数字がするのは勇気がきていたからであり、今自分がそれを使することになったのは勇気がもういないからだ。
彼女は瞬目を閉じたが、すぐに顔をげ、を見据えた。
議が尋ねた。
「川幸恵様。本、この議決権をご自で直接使されますか?」
幸恵はく答えた。