みかん小説
本棚

"3200万円を隠した姑と「養ってやる」の夫" 第21話

そしてしいファイルを、夫叔父と私の両親のに広げた。

「では、そのおのお話をしましょう」

そこには、私がで発してもらった宅ローンの引き落とし細があった。

藤弁護士が事実を述べる。

「このはご夫婦の共名義です。しかし毎のローン返済は、全て奥様の個座からわれています」

藤弁護士は、赤いマーカーで引かれた数字を指差した。

「その総額はすでに百万円を超えています。加えて々の費や費も、奥様が半分以負担してこられました」

叔父がい入るようにを見つめている。

「ご主が管理していた共座の百万円は、奥様がご自の娯楽を全て切り詰め、計のために貯めてきたものです」

藤弁護士は夫の方へゆっくりと顔を向けた。

「ご主、あなたが『俺が稼いだ』と呼ぶその座の半分は、法律も実態としても奥様の正当な財産です。ご自座に移すことに何の問題もありません」

夫の顔から完全に表が抜け落ちた。

叔父が震えるを置き、夫を睨みつけた。

「お、美さんにローンを全部払わせておいて、自分が養っているような顔をしていたのか」

叔父のく響く声に、夫は体をビクッと震わせた。

「ち、違います。美が自分で払うと言いしたから……」

広告

叔父の鳴り声がリビングに響き渡った。

「黙れ!」

夫は肩をすくめ、さく縮こまった。

私の両親も、夫と義母のあまりのさにりで唇を震わせている。

たった数までこの部を支配していた、夫と姑の「かわいそうな被害者」というシナリオは無惨に打ち砕かれた。

数字と事実、それだけが絶対の真実としてこのに残されたのだ。

夫は額に脂汗を浮かべ、線をに落としたままけなくなった。

義母もハンカチで顔を覆い、すすり泣くふりをして誤魔化そうとしている。

これで、私の精神がおかしいという嘘は完全にれた。

私がただ理尽な搾取からを守るためにいていただけだと、全員が理解してくれたのだ。

しかし、親族会議はこれで終わりではない。

藤弁護士はファイルの束をつにまとめ、ネクタイをしだけ締め直した。

「さて、事実関係が皆様にらかになったところで、本題に入りましょう」

その声のトーンが、段とややかなものに変わった。

夫が弾かれたように顔をげた。

その目にはらかな恐怖が浮かんでいた。

「本題……だと?」

藤弁護士はバッグの奥から、さらに枚のクリアファイルを取りした。

そこには、私が夫のスーツのポケットから見つけ、撮した写真のプリントが入っている。

藤弁護士は静に告げた。

広告

「ご主、あなたが奥様に内緒で、このの売却査定を産会社に依頼していた件についてです」

その言葉が落ちた瞬夫叔父と両親が同に息を呑んだ。

叔父が信じられないという顔で夫を見た。

を売る……だとか?」

夫は両でテーブルをく掴み、がりかけた。

「いや、やめろ……それ以は……」

掠れた声で懇願する夫を、私はたい目で見つめ返した。

の余などミリもない。

藤弁護士は容赦なく言葉を続けた。

「お母様の隠し財産である百万円と、このを売ったおわせ、しいマンションを購入する計画ですね」

再びその数字がたことで、叔父の顔が険しさを増した。

藤弁護士はクリアファイルのから最枚を取りした。

「そして、その計画を共にめ、お母様の通帳を持ってにおを引きしにった女性」

それは夫が私に突きつけた、婚届のコピーだ。

の欄には、証拠としてあのはっきりとした丸文字が残されていた。

藤弁護士が夫を問い詰める。

「『吉川』という女性について、皆さんのでご説いただけますか?」

静まり返ったリビングに、決定な最撃が振りろされた。

夫の喉の奥からヒュッと空気が漏れる音がした。

誰も彼を助けようとはしない。

積みげられた嘘が、今完全に崩壊しようとしていた。

「吉川」。その名がリビングに響いた瞬、夫の幸は子に座ったままのように固まった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: