"「3人まとめて連れてけ」と年商1200万円の妻" 第3話
だから引き受ける。
引き受けているうちに、それは頼み事ではなくなっていく。
頼み事のうちは「お願い」がつく。
頼み事でなくなると命令形になる。
この7で、みよ子の語尾はすっかり命令形に変わっていた。
9の初めの1週で、私がみよ子のためにいた回数を数えてみたことがある。
7回だった。
そのうち、みよ子が礼を言ったのはゼロだ。
9のその週は、曜に形の予約の話を入れた。
曜に豆腐と牛乳を買い、曜に庭のを抜いた。
曜に薬局へり、曜に町内会の集へった。
曜に布団を干し、そして曜にまた病院の送迎だった。
礼が欲しいわけではない。
ただ、数えてしまう自分が嫌になった。
みよ子は私に頼む、必ずかずやのいないを選ぶ。
かずやがにいる週末に、病院へ連れてってと言われたことは分ない。
それが偶然かどうかは聞いたことがない。
聞かなくても分かる気がしていた。
数えるのは私の職業病だ。
会社では数字がわなければ理由を探す。
わない分は必ずどこかにある。
こののだけは、いくら数えてもうが来なかった。
みよ子は孫を好まない。
夕飯の、ナツキとゆいが学の話で笑っていると、みよ子は箸を置いた。
「3もいるとうるさいわね」
ナツキが黙り込んだ。
ゆいが配そうに私を見る。
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私はゆいのを撫でて答えた。
「ごめんなさい。静かにさせます」
私がそう言うと、みよ子は満そうに箸を持ち直す。
塾の謝袋を私が台所に置いていたには、みよ子はそれを横目で見た。
「子供って本当におかかるわね」
私はを拭きながら答えた。
「そうですね」
みよ子は湯呑みを両で包み込んだ。
「3も産んで。あんたも変ね」
変ですね、ではない。
あんたも変ね、だ。
このに3の子供がいることが、私の個な事として扱われていた。
かずやはそのやり取りのにいた。
ただ黙ってテレビを見ていた。
私は会社では経理財務部の主任だ。
末は締めで残業になるし、決算期は曜にることもある。
部の女の子が伝票の起こし方で迷えば、机までって緒に直す。
数字がわないにどこを疑えばいいかは体で覚えている。
その私がでは数字の話をさせてもらえなかった。
かずやは計に興がない。
毎決まった額を計座へ振り込む。
それだけだ。
振り込んだのことは私の担当ということになっている。
「あとはえみがやっとけ」
結婚してすぐの頃に言われて、それからずっとそのままだった。
与細を見たことはない。
末調のも、かずやは会社でいて会社にす。
私は自分の分を自分で処理して、副業の分はがけてから確定申告をする。
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民税は自分で納める形にしてあるから、会社にも副業の額は伝わらない。
かずやが計簿を見たいと言ったことはなかった。
見たいと言われれば見せた。
聞かれれば答えた。
かずやに嘘をついたことはない。
ただ、かずやは聞かなかった。
3、1度だけ言い返したことがある。
みよ子がゆいの泳の具を指差しただった。
「そんなもの無駄」
私はその、分疲れていた。
私はみよ子の方を向いてはっきりと言った。
「無駄じゃありません」
みよ子が怪訝な顔をした。
私は言葉を続けた。
「ゆいがやりたいと言ったので」
みよ子の顔つきが変わった。
そのから3、みよ子は私の作った事に切をつけなかった。
3が過ぎた晩に、かずやが私を居へ呼んだ。
「母さんに謝れよ」
私はかずやの顔を見た。
「私は何も」
かずやはテレビの音量をげた。
「何もじゃないだろう。母さんが飯えないんだからおが悪いんだよ」
理屈になっていない。
でもめちゃくちゃな理屈だからこそ、こちらは反論の入りを見つけられない。
私はをげて謝った。
みよ子はその晩から事に戻った。
ゆいの泳はそのでやめることになった。
やめる、ゆいはプールバッグを玄関に置いたまま、しばらくかなかった。
ゆいはうつむいて呟いた。
「私がやりたいって言ったから」
7歳の子が言う言葉ではなかった。
私はしゃがんでゆいの肩にを置いた。
「違うよ。ママの都。ごめんね」