"「3人まとめて連れてけ」と年商1200万円の妻" 第10話
子供はまだいなくて、かずやの料だけでりていた。
を畳んで引きしに戻した、廊のかりが消える音がした。
その19冊をすは、翌週にやってきた。
持ちしたのは私ではなく、かずやの方だった。
111の曜、かずやは珍しく昼過ぎににいた。
曜は抵、取引先とのゴルフか寝ているかのどちらかだ。
そのはで予定が流れたらしい。
ナツキは部活、優馬は塾。
ゆいは友達の。
にいたのは私と、かずやと、みよ子だけだった。
コーヒーをみ終えて、かずやがテーブルのに通帳を置いた。
計座の通帳だった。
かずやが満そうに言った。
「なあ、今また残が減ってるんだけど」
私は洗い物をしながら答えた。
「そうですね」
かずやは通帳へ指を滑らせた。
「お何に使ってんだ?」
私はエプロンでを拭いた。
「見ますか?」
かずやが顔をあげた。
「あ?」
私はエプロンの紐を解いて子の背にかけた。
「計簿です。見ますかと聞いています」
かずやが黙った。
私は押入れのの段から束ねてあるノートをろした。
踏み台に乗って両で抱えて2回に分けて運んだ。
19冊ある。
結婚したから1に1冊私がいてきた。
テーブルに積むと、っていたよりくなった。
表のがごとに違う。
最初の数は100円の学ノートで、途から罫線の細いものに変えた。
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会社では、伝票は付順に閉じてごとに箱へ入れる。
抜けを作らないのが経理の基本で、私はそれをでも同じようにやってきた。
抜けがなければ、いつ誰に見られても困らない。
それだけの理由で19続けた。
かずやがノートのを見て怪訝な顔をした。
「なんだこれ?」
私は静に答えた。
「計簿です」
かずやは積まれたノートのさをで測るような仕をした。
「こんなに?」
私は頷いた。
「19分あります」
かずやはの1冊を取ってめくった。
私はそのの分をいて、10のページをかずやの方へ向けた。
「先の支です。読みげますか?」
かずやが顔を背けた。
「いや、ええ」
私は数字を指で押さえた。
「費が12万円、宅が10万8000円、費が3万5000円、通信費が2万5000円」
かずやが遮ろうとした。
「だからいいって」
かずやは子の背にもたれた。
私はそのまま続けた。
「教育費と塾が8万円、保険が2万8000円、医療費が1万5000円、用品と被が4万円」
かずやが乱暴にノートを閉じた。
私は言葉を止めなかった。
「お母さんの遣いと通院の費用が3万2000円、の維持で2万円、雑費が4万7000円」
台所の換気扇の音だけが残った。
数字を読みげる、私は声を荒げずに読んだ。
荒げる必がなかったからだ。
経理の数字は、読みげるだけで相の言い分を潰す。
そういう仕事で21私はべてきた。
私はかずやの目を見て締めくくった。
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「計で55万円です」
かずやが私の顔を見た。
「55万?」
私は静かに頷いた。
「はい」
かずやの目がノートのをからへ落ちていく。
「毎?」
私は答えた。
「毎です」
かずやの指がテーブルを軽く叩いた。
それから止まった。
私はかずやに事実を告げた。
「かずやさんが計座に入れているのはに18万円です」
言った瞬、かずやの表がわずかにいた。
驚いた顔ではなかった。
見つかったという顔だった。
かずやは自分から言い訳を始めた。
「らなかったわけじゃない」
かずやは線をそらした。
「そりゃ18万で6えるわけないくらいは分かるよ」
かずやの声がしさくなった。
「わかるけど、おが何も言わないから」
私は静かに問い返した。
「言って欲しかったですか?」
かずやがコーヒーカップの取っを握った。
「そういうじゃなくて」
かずやは言葉を探していた。
「おが回してるんだとってたんだよ。ボーナスとかで」
私は首を横に振った。
「賞与はに2回です。それをしてもりません」
かずやは子ので座り直した。
「じゃあ」
そこでかずやは1番聞きたかったことをにした。
「残りはどこからてんだ?」
私は淡々と答えた。
「私がしています」
かずやが眉を寄せた。
「だからどこから?」
私はかずやを真っ直ぐに見た。
「私の座からです」
かずやはを乗りした。
「おの料でそんなにるわけないだろう。いくらもらってんだ?」
私は答えなかった。
答えないことにしたのではない。