"「3人まとめて連れてけ」と年商1200万円の妻" 第11話
このが今、何を聞いているのかを確かめていた。
かずやが聞いているのは額だ。
8、私が納戸で何をしているのかは聞かない。
誰の仕事を、どうやって、どれだけ引き受けているのかは聞かない。
所だけを聞く。
私は静かに答えた。
「聞いても分信じないといます」
かずやが顔をしかめた。
「なんだそれ」
私は片付けのを止めなかった。
「そのままのです」
私は流しへってコーヒーカップをすすいだ。
背でかずやが子を引く音がした。
かずやが吐き捨てるように言った。
「なあ、もういいだろ。分かったよ。俺がないってことだろ」
かずやはちがった。
「だったら来から2万あげる。それでいいだろ」
2万円。
37万円りない計に2万円。
こののではそれで話がつく。
37万円という数字が、2万円の隣に並べられるきさで見えている。
かずやが舌打ちをした。
その、廊のふすまがいた。
みよ子だった。
いつから聞いていたのかは分からない。
ただこのは、聞くべきところだけを聞いている。
みよ子が非難がましい声をした。
「かずや。あんたまさか」
みよ子はテーブルの通帳を指差した。
「この、うちのお父さんの命保険じゃないでしょうね」
空気が変わった。
かずやが子ごと体をひねって、みよ子の方を見た。
「母さん、何の話だよ」
みよ子が詰め寄った。
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「だってあんた、あのお父さんの保険は母さんの老に取っておくって言ったじゃない。あれ、まだあるのよね」
かずやの膝がねた。
「あるよ」
かずやの返事がすぎた。
経理を21やっていると、こういうの詰まり方には敏になる。
数字がっていないほど返事がい。
みよ子がホッとしたように息を吐いた。
「あるならいいのよ」
みよ子はそれだけ言って、自分の部へ戻っていった。
かずやはしばらく座っていた。
それから通帳をポケットに入れて、着を取って玄関へ向かった。
私が声をかけた。
「かける?どちらへ?」
かずやは嫌そうに取っを掴んだ。
「ちょっと」
玄関が閉まった。
私はテーブルのの19冊を、1冊ずつ押入れへ戻した。
戻しながら2つのことを考えていた。
1つは、かずやが最まで何の仕事をしているのかを聞かなかったこと。
もう1つは、7の保険の話だ。
義父の竜吉がくなった、保険がいくらりたのかを私はらない。
かずやが続きをして、かずやが受け取った。
私は葬儀の費用の領収だけを預かって、典の帳面と付きわせた。
そこまでが私の役目だと言われたからだ。
保険の類は1枚も見ていない。
見せてくれと言えるような空気でもなかった。
当の私は義父を送ったばかりで、そんなことを聞ける状態ではなかった。
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みよ子は、それが自分の老のために取ってあるとっている。
っているということは、見ていないということだ。
みよ子は自分のの通すら封を切らない。
は私が読みげる。
この7、みよ子は自分の活が何で成りっているのかを自分の目で確かめていない。
その夜、優馬が納戸に顔をした。
「父さん帰ってこないね」
私はを止めずに答えた。
「そうだね」
優馬は戸に肩をつけた。
「なんかあった? 計の話」
優馬はしばらく黙って、それからこう言った。
「母さん、俺来から自分の分は自分で管理していい?」
私は優馬の顔を見た。
「どうして?」
優馬は机の隅の請求の束に目をやった。
「その方が母さんが誰かに文句言われる回数が減るとうから」
17歳の子がのの力関係をそこまで見ている。
私が苦笑して答えた。
「文句を言われてるのは母さんがをしてるからでしょ」
優馬は首を振った。
「そんなことはないよ」
優馬が私を見つめた。
「うちので1番働いてるが1番げてる」
優馬は言い終えるとし照れたように首のろを掻いた。
「まあいいや。おやすみ」
私はその晩、本気でこのをるための数字をきした。
4でむなら部は最でも3ついる。
優馬の受験があるから、机を置ける部が別に1つ欲しい。
ナツキの学は学区で決まる。
学区をれば転になる。
それだけは避けたい。
浦駅の周辺で、同じ学区のに収まる物件を探した。