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"「3人まとめて連れてけ」と年商1200万円の妻" 第25話

ナツキはイヤホンをした。

「なんで?」

かずやが答えた。

「なんでって、族だろ?」

ナツキはしばらく黙っていた。

それからこう聞いた。

「じゃあさ、私の部活何部?」

ナツキはテーブルに肘をついた。

「部活だよ。学の」

かずやは答えなかった。

ナツキがねて尋ねた。

「じゃあ担任の名は?」

かずやが声を荒げた。

「そんなの今関係ないだろ」

ナツキはイヤホンのコードを指に巻いた。

「関係あるよ」

ナツキの声は震えていなかった。

「私のこと何もらないのに、族だろって言われてもわかんない」

かずやが名を呼んだ。

「ナツキ」

ナツキは画面から目をさなかった。

「自分が必だけ族って言わないで」

ナツキは通話を切ってイヤホンを戻した。

それから5分くらいして、こちらを見ずに言った。

「ママ、私言いすぎた?」

私は首を横に振った。

「言いすぎてないよ」

ナツキは爪の先を見ていた。

「そっか」

ナツキはそれ以聞かなかった。

この子はが達者だとでずっと言われてきた。

よく喋る、気だ、うるさい、と。

けれどナツキはあの話で言も声を荒げていない。

聞いただけだ。

部活の名と担任の名を。

答えられなかったのは聞かれた方だった。

3本目は話ではなかった。

夕方の5過ぎ、マンションのエントランスの受話器が鳴った。

画面にかずやが映っていた。

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かずやが言った。

「優馬にわせてくれ」

私が答えた。

「本に聞きます」

優馬は自分の部からてきて着を取った。

で話す」

私が尋ねた。

緒にこうか?」

優馬は玄関で靴のかかとを揃えた。

「いい。俺が話す」

私はかなかった。

優馬が自分で話すと言ったからだ。

17歳の子が自分で決めたことに、母親がろからついていく必はない。

10分ほどで戻ってくるだろうとっていた。

実際には40分くかかった。

その、ナツキとゆいは何も聞かなかった。

テレビの音量だけががっていた。

そののやり取りは、で優馬が全部話してくれた。

エントランスのの、の当たらないところに2ったらしい。

かずやは最初こう言ったそうだ。

「優馬、おは男なんだから父さんと暮らせ」

優馬は聞き返した。

「なんで」

かずやが答えた。

「なんでって男だろ。それにばあちゃんの伝いもできるだろう」

優馬はそこでを置いた。

「それが目なんだ」

かずやが否定した。

「そういうじゃない」

優馬は父親の顔を見ていたという。

「そういうだよ、父さん。今俺の受験の話1回もしてないよ」

かずやは黙ったという。

優馬がはっきりと言った。

「俺は母さんの代わりの政婦じゃないよ」

かったらしい。

優馬は着のポケットにを入れたままかなかったという。

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それから優馬はこう言った。

「父さん、あののこと覚えてる?」

かずやが尋ねた。

「あのって」

優馬は父親から1歩もかなかったという。

「118。母さんが婚しようって言った

かずやは覚えていた。

優馬が続けた。

「俺あの言ったよね。悔するけどいいのって」

かずやが顔を伏せた。

「ああ」

優馬が聞いた。

「父さんなんて答えたか覚えてる?」

かずやは答えられなかったという。

優馬が代わりに答えた。

「なんだそのの聞き方って言ったんだよ」

優馬は淡々と続けたそうだ。

「俺はあの確認したんだ。本気で言ってるのか、で取り消したくならないのかって。父さんは取り消さなかった」

かずやが弁した。

「あれはそのの勢いで」

優馬が言葉を被せた。

「勢いでも言ったんだよ」

そこで優馬はあの言をした。

「その言葉忘れないでね」

かずやが息を吸う音がしたという。

かずやが驚いた。

「あれ」

優馬が静かに言った。

「脅しじゃないよ。忘れないでねって。そのままの。父さんが自分で言ったことは、父さん自に忘れないで欲しかっただけ」

優馬はかずやを見据えた。

「母さん、俺たちを連れててけって言ったのは父さんだから」

そのかずやは何も言わなかったという。

優馬は「じゃあ」と言ってエントランスに戻ってきた。

に帰ってきた優馬は着をかけて、んだ。

私が声をかけた。

「終わった?」

優馬がコップを置いた。

「うん、丈夫だった」

優馬は子に座ってしばらく井を見ていた。

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