"「3人まとめて連れてけ」と年商1200万円の妻" 第27話
「えみ」
私が振り返った。
「はい」
かずやは廊の途でち止まっていた。
「あのさ」
かずやは着のポケットにを入れて、それからした。
「もう度やり直せないか」
その言葉は分予していた。
私は静かに聞いた。
「どうしてですか?」
かずやは言葉を探していた。
「どうしてって、回らないんだよ、が」
私は待った。
かずやが続けた。
「洗濯も飯もゴミも、母さんの病院も全部、事のに来てもらってるけど、週に2回でこれだ」
かずやは自分から数字を言った。
「事のに8万く。母さんの昼の弁当の宅配で2万。病院のタクシーで8000。それにのローンと費と費と、あと養育費」
私が答えた。
「はい」
かずやは指を折りながら数えていた。
「取り28万に母さんの11万して39万。そこから全部引いたら、俺の元に2万ちょっとしか残らない」
廊の窓から3の差しが入っていた。
かずやが笑おうとして失敗した。
「2万2000円だ。なあ、俺19ずっと俺が養ってるとってたんだよ」
私が頷いた。
「はい」
かずやは窓のへ目をやった。
「そんなわけなかったんだな」
私はもう度頷いた。
「そうですね」
そこでかずやは番聞きたかったことを聞いた。
「優馬たち戻ってくる気ないのか?」
私ははっきりと答えた。
「本たちに聞いてください」
かずやは着の裾を握っていた。
「聞いたよ。3とも同じこと言うんだ」
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かずやがをつぐんだ。
「父さんが決めたことでしょって」
19連れ添ったが廊でを向いていた。
私はその姿を見ても気持ちがかなかった。
かわいそうだともざまあみろともわなかった。
りは118の夜に使い切っている。
あの夜、湯呑みを持つが震えたのが最だった。
それ以、私はこのに対して1度もっていない。
らなくても続きはむ。
それがこの5ヶで1番よくわかったことだった。
数字がったな、とっただけだ。
19分の帳簿がこの廊でようやく閉まった。
経理の仕事では閉めた帳簿はき直さない。
違いが見つかれば次ので直す。
のに戻ってやり直すことはしない。
戻れないから「締める」という言葉を使うのだとう。
私はかずやに向き直った。
「かずやさん」
かずやが顔をあげた。
「なんだよ」
私は階段のでち止まった。
「1つだけお伝えしておきます」
私は鞄を持ち直した。
「私はあなたやみよ子さんを困らせるためにたのではありません」
かずやがこちらへ半歩寄った。
「じゃあなんでだよ」
私はかずやの目を見た。
「3の子供を荷物みたいに数えるに置いておけなかったからです」
かずやが目を伏せた。
「そんなつもりじゃ」
私が言葉を遮った。
「その言葉です」
私はかずやから目を逸らさなかった。
「優馬が1番言わせたくなかった言葉です」
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かずやのが閉じた。
私は言葉を続けた。
「あの子はあの夜、あなたに確認しました。悔するけどいいのかと。あなたは答える会を持っていました」
かずやがさく息を吐いた。
「ああ」
私が告げた。
「その言葉忘れないでねと言ったのはそういうです」
かずやは何も言わなかった。
私はをげて階段の方へ歩いた。
背でかずやの声がした。
「母さんが会いたがってる」
私がを止めた。
かずやが言った。
「ゆいに」
私は振り返らずに答えた。
「本に聞いてください」
かずやが懇願した。
「聞いてくれよ。頼むから」
私は静かに言った。
「聞きます。でも答えるのはゆいです」
その夜、私はゆいに聞いた。
「おばあちゃんがゆいに会いたいって」
ゆいは宿題のを止めなかった。
「私かないよ」
私が尋ねた。
「そう。ってるわけじゃないよ」
ゆいは鉛を置いた。
「でもったらまた測ってって言われる」
私が頷いた。
「そうかもね」
ゆいが言った。
「うん」
それだけだった。
私は「おばあちゃんも寂しいんだよ」とは言わなかった。
その言は分1番簡単で1番残酷だ。
子供はその言で自分の気持ちを引っ込める。
19、私自がそうやって引っ込めてきた。
私がこのをた理由の半分は、その言い方をやめるためだった。
言えばこの子は分く。
ってまた毎朝カフを巻く。
10歳の子にそういうことをさせるためにをたのではない。
ゆいは宿題に戻った。
鉛の音があの朝と同じ速さでいていた。